本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/05/15 19:00
- 完成予定
- 2017/05/29 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2017/05/15 11:49:26 -
【質問卓】
最終発言2017/05/14 18:07:06 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/12 02:29:30
オープニング
●セシウム
愚神ウルカグアリーのゾンビ輸送計画を阻んだエージェントたち。
その際、エージェントは多数の感染者および感染の恐れがある乗客たちを保護していた。彼らは医療機関によって香川県観音寺市の収容施設へ搬送され――未だそこにいる。
施設側は、感染が認められなかった人々を含めて退院も一時帰宅も禁じている理由を、香川県知事が発した「非常事態宣言」を受けてのものであると説明した。
県知事の非常事態宣言に法的な効力はない。が、人々は理解せざるをえなかった。
四国は対ゾンビ戦の最前線であり、この施設こそが感染を後方へ漏らさぬために引かれた封鎖線なのだと。
だが、しかし。
「つまりー、クサイモノニフタよねー」
肩をすくめ、少女は木々の狭間から施設を見下ろした。
その体は、長く伸ばした髪から肌、まとう衣、そして両眼までもが金がかった銀白。
人ではありえない金属の体をかろやかに弾ませ、彼女は木々の隙間を抜けていく。
「で。フタがあるってことは、下にクサイモノがいっぱいあるってことだからー」
彼女がにじった下生えから、青臭い黒煙があふれ出す。
「っと。気をつけないとー。安定安定」
歩調を忍び足に切り替えて、彼女は施設を囲むコンクリートの塀へ。
少女のあまりに気安く無防備な足取りは、守衛の目をかなりごまかせたのだが。
「申し訳ありません。一般の方の立ち入りは――」
「見つかっちゃったー。あのー、中に家族とかいるんですけどー」
「!! ぐ、ぐし」
金を帯びた銀白一色の少女の姿に、歩み寄ってきた守衛が声を詰まらせ、腰に下げた通信機のエマージェンシーコールボタンを連打した。
不愉快にがなりたてるサイレンの向こうから、ライヴスを装填した魔導銃を手にした警備員たちが駆けつけてくる。
「あんまり刺激しないほうがいいかもー。ウチ、不安定だからー」
魔導銃のライヴス弾が少女へ突き立つ。
やわらかな体はあっけなく弾に削られ、穿たれ、その摩擦熱で溶けた飛沫が飛び散った瞬間。
「!!」
飛沫が燃え上がり、地面に火花の畑を焼きつけた。
「病院行けたらよかったわねー。人間って怖いんでしょ、被爆ー?」
少女は体の内より2対4本の腕を伸ばして“6本腕”となり。
1対めの腕がライヴスの針を飛ばして警備員たちを縫い止め、2対めの腕で重圧空間を編み、地へと押しつけ、3対めの腕が自らの支配下に置いた鉱石と金属とを杭に変えて地より迫り出させ、心臓を貫いた。
「ウイルスつきの杭だから、運が悪かったらゾンビになっちゃうかもねー」
自らを突き上げた杭にもたれかかるように立つ警備員たちの間を抜けて、金属製の少女は笑んだ。
「今度の種、ちゃーんと芽が出るかなー」
マイナス116度の水中ですら自然発火する過剰な反応性を持つ放射性物質で、わずか28度で液化するやわらかさと、比重が鉄の25パーセントという軽さとを備えた金属――セシウムを現し身とした愚神が今。施設へと踏み入った。
●地獄
どこからか現われた数十の死体ゾンビを引き連れ、少女は検診よろしく施設を行く。
「はいはい愚神ですよー。感染してない子はそのままステイ! 感染してる子はお注射しましょ?」
施設のすべてを重圧空間で押さえ込んだ彼女は、床に張り付けられた感染者へ爪先を突き立て、新たなゾンビウイルスと、自らのセシウムを変換したセシウム137(原子爆弾の爆発や原子炉事故で発生する放射能汚染物質)とを流し込んでいった。
そして数日後。
死体ゾンビと化した感染者たちと自らの連れてきた死体ゾンビどもへ、少女が命じた。
「みんななかよく喰らい合えー」
ゾンビがゾンビを喰らい、喰らわれる――餓鬼地獄が開演する。
それを見届けた少女は、食堂に軟禁していた非感染者たちへ笑顔で告げた。
「一般人のみんなはそろそろお家に帰っていいわよー。大丈夫。感染も被爆もしてないからー。あ、通報するんだったら言っといて。ウルカグアリーが来たってねー」
●HOPE東京海上支部ブリーフィングルーム
「ケントゥリオ級愚神、識別名“ウルカグアリー”が讃岐山脈の感染者施設を強襲! ゾンビといっしょに籠城中だって、施設から脱出してきた人たちに通報もらったんだけどね……」
礼元堂深澪(az0016)が深いため息をついた。
収容施設から関連機関の許可なく帰り来た者たちを、各自治体は扱いかねていた。理由は単純だ。ゾンビが押し詰められた施設から逃げ出してきた人間に「自分は感染していない」と言われて信じられるわけがない。
「帰還者の人がターゲットにされた暴行事件、もう起きてるんだ。逮捕された自治体の人たちの言い分はね、「帰還者は新種の潜伏型ウイルスを仕込まれてるにちがいないから、排除するしかない」だったよ」
証明しようのない無実を連呼するよりない帰還者と、それを信じられない住民。ひとつの暴行事件が遠からず大事件へ発展していくだろうことは明らかだった。
「上層部はウルカグアリーの策だって判断してる。感染してない人たちに持ち帰らせた「疑惑」を拡散させて、社会を混乱させる気なんだろうって」
深澪が八の字に上がった眉根を無理矢理引き下ろし。
「とにかく! 今ボクたちがやらなきゃいけないのはウルカグアリーの討伐!」
そして資料を広げながら。
「ウルカグアリーはセシウムのアバターを使ってるみたい。セシウムは放射性物質だけど、リンカー的には問題になんない。気になるのは死体ゾンビ量産して殺し合わせてるって情報なんだけど……なんでわざわざセシウムなのかも謎だよね」
今ひとつ歯切れ悪く、エージェント一同へ告げた。
「ウルカグアリーがなにしようとしてるのかはわかんない。でも、犠牲になる人が増えるの、食い止めなきゃダメだから。みんな、頼んだよ!」
解説
●依頼
1.ウルカグアリーを撃破ないし撃退してください。
2.死体ゾンビを殲滅してください。
●状況
・施設内には死体ゾンビ(激しく欠損しており、能力値低下状態)が数十体徘徊しています。
・死体ゾンビの内に「変異体」と「強化体」がおり、敵味方関係なく攻撃してきます(変異体と強化体は後述)。
・ウルカグアリーもまたゾンビの内にいます。
・ゾンビは基本的に外へ向かおうとします。
●ウルカグアリー(ケントゥリオ級相当)
・基本的な性質はオープニング参照。
・6本の腕を持ち、それぞれ対になっている2本の腕でソフィスビショップ、シャドウルーカー、鉱石を操作する能力を組み合わせて使います(1ラウンドに最大3回行動)。
・防御力は低め、回避能力が高い。ただし攻撃を受けるとブルームフレアに類似した範囲攻撃をばらまきます(範囲1~3)。
●死体ゾンビ・変異体(デクリオ級従魔)×3
・ライヴスと放射能によって奇形化したゾンビです。
・極端に高い能力と低い能力を併せ持っています。
●死体ゾンビ・強化体(デクリオ級従魔)×5
・損傷したゾンビを金属の骨や皮で補強したタイプです。
・金属部は剥き出しになっています。
・防御力が高く、打たれ強い代わりに移動力や反応速度は低いです。
マスターより
電気石八生と申します。
こちら、最前線ならぬ後方でのお話となりますが、ウルカグアリーさんがなにを企んでいるのかを言い当てていただいたりしつつ、アバターを叩いていただければと思います。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/05/23 13:18
参加者
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2017/05/15 11:49:26 -
【質問卓】
最終発言2017/05/14 18:07:06 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/05/12 02:29:30