本部
少年の願い、思い。無価値
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2017/04/29 15:00
- 完成予定
- 2017/05/08 15:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/26 07:59:56 -
少年の未来
最終発言2017/04/28 03:21:35
オープニング
*注意 内容が難しいため相談期間が六日になっています*
● 少年はある日失った。復讐を得た。
血の香りがした……なんて生易しい物ではない。
充満する鉄の香り、油でべとつく口元。
ゴポゴポと溺れるように呻き、血の海に沈む母。
誕生日に送った菫色のエプロンが、赤く赤く、赤く赤く赤く赤く。
明滅する視界。頭が痛かった。
現実をはじき出すために、妄想を頭の中で巡らせる。
宿題をしないと、ペンはどこにいったっけ。
確か筆箱は妹に隠されて。そして。
僕の前にねじ切られた頭がごろりと転がった。
幼い妹。
将来はアイドルになるんだ。
そう母親に煌びやかな衣装をねだっていて。
母は妹が好きだから、そのおねだりに負けて買っちゃって、僕はそれがなんだか気に食わなくてそして。
「現実逃避してんじゃねぇよ!」
その時、愚神が僕の頬を横っ面に殴った。
痛みが鮮烈にボクを現実に引き戻してくれて。
お母さんとボクの視線が合った。
その目は僕をうつしてなかった。
「ごめんなさい」
僕はあやまった。
「何を謝ってる?」
その人は僕に尋ねた。
「妹を守れなかったことを」
続けてその人は僕に問いかける。
「誰に謝ってる?」
「お父さんに」
「どうして謝る必要がある?」
「お父さんは僕に家族を守れって言ったんだ」
泣いていたと思う。
泣くしか僕にはできなくて。
「ごめんなさいお父さん、僕は家族を見殺しにした」
そこからの記憶はなかった。意識が落ちたんだと思う。
最後に聞こえたのは、彼の笑う声。
それだけ。
● 少年はそれを知った、憤怒とは力。
四月某日。
とある愚神によって一家惨殺事件が起こった。
被害者は幼い少女と、母。
見るも無残に惨殺され。現場検証に赴いた警官ですら涙したという。
その血の海の中に少年はいた。
気を失って倒れていた。
生き残りは少年『当間 手折(とうま たおり)』一人……一人だけであった。
少年は三日の後に目を覚まし事情聴取に応じることになる。
家を襲ったのは少年と同じ年くらいの少年の姿をしていた。
愚神は何の感慨も無く、二人を惨殺したという。
問いかけながら。少年に問いかけながら。
『ぼくは一日に二人しか殺さないと決めている』
『つまり生き残れたのは、この二人が先に死んでくれたからに他ならない』
『つまり君の命は二人の犠牲の上に成り立っているわけだな』
その時の少年の笑みが忘れられないと手折は言う。
「あいつ、言ったんだ」
その言葉を口にして手折は涙する。
「二つの命の上に生きながらえるだけの価値が、お前にはあるかって」
少年型の愚神は、車輪と名乗った。
世界は小数をひき殺しながら回り続ける車輪だと。
そして自分はその車輪を回す者だと。
少年はすべてを騙り終えた後告げる。
「俺を! 俺をH.O.P.E.に入れてください」
「復讐がしたい、復讐が……したい」
そう瞳に怒りをともして、そう、告げたのだった。
● 復讐の先に
H.O.P.E.は一度はその提案を断った。
そもそも契約もすんでいない少年を組織に引き入れるほど壊れた組織でもないからである。
ただ、手折は数日後英雄と共鳴して姿を現した。
カオティックブレイドの英雄『アンリ』と呼ばれるフェイスマスクが特徴的な少女を連れてである。
ただ、H.O.P.E.という組織も実戦経験のない少年にリンカーとして活動を許すわけがない。
契約してしまったものは仕方ない。戦力不足の情勢故彼を遊ばせておく余裕もない。
ただ、いきなり実戦投入するわけにはいかない。
よってH.O.P.E.は彼に教育を施すことにした。
任務について、力の使い方について。そしてその思想について。
そこで、彼の教育係として任命されたのが君たちである。
H.O.P.E.は君たちに三つの事を依頼したい。
1 任務のこなし方についての説明。
任務は基本的に仲間と連携して対処してほしいだとか。
作戦をこなすためのコツ、だとか、報告書の読み解き方だとか。
任務で失敗しないための方法だとか。
主に座学になると思われる。
2 戦闘方法について。
彼は戦い方を知らない、武器の扱い方も戦略も、カオティックブレイドの力の特性も。
まったくもって全然。
その力に対する知識や、戦闘方法を教えてあげてほしい。
彼は死ぬ気で食らいついてくるでしょう。
そして彼の最終試験は、皆さんを含めた七人での愚神討伐。
この討伐自体は簡単に成せるでしょう。
ただ、そこでトラブルが発生するので、どうするかは考えておいてください。
3 思想についての矯正
彼は今その力を振るうことにしか興味がありませんし、不安定で力に頼りがちです。
たとえば下記の出来事が起きます。
・ 突っかかってきたチンピラ四人を力を使って黙らせる。
・ 戦闘訓練中に本気になって皆さんに襲いかかる。
・ 最終試験、リンクバーストを使用し、アンリを邪英化させる。
上記三点に気を配ってプレイイングを書いてみてください。
大前提として彼は復讐以外に興味がありません。
それをなすための授業以外は無駄だと言って参加したがりません。
つまり実戦訓練以外はボイコットしようとします。
当然でしょう、彼は復讐を遂げた後死ぬつもりなのですから。
だから戦闘能力以外はどうでもいいのです。
そこで。隠された四つ目の役割を公開します。
4 彼の生き方についてアドバイスする。
皆さんの裁量で構いません。彼の生き方を導いてあげてください。
幸せになるための導き、復讐を遂げるための導き。日常の世界に戻るための導き。
なんでもかまいません。彼を肯定するのか、否定するのかも含めて、皆さんで彼をどうするか判断し、教育してください。
この物語の最後に、彼がどうなっているのか、全く予測不可能です。
皆さんが一丸となって一方に導くのか、バラバラに選択肢を与えどうするか問いかけるのかだけでもかなり変わりますし。
今回は自由度が高く悩むと思いますがよろしくお願いします。
解説
目標 少年の未来を導く。
●『当間 手折(とうま たおり)』について。
彼は家族を失い天涯孤独になった少年です。
短髪黒髪の生意気そうな顔立ちです。
歳は十三歳。ちなみに妹の歳は九歳でした。
運動も勉強も平均的にできるタイプで、要領がよく、熱くなりやすい性格ですが、相手の心を思いやろうとする少年でもありました。
天才気質のせいか、少しかじってみて簡単そうだとすぐに飽きてしまうようです。
ただ、負けず嫌いです。
好きなのはテレビゲームと読書。
友達よりも家族を大切にするタイプでした。
●英雄『アンリ』について。
手折よりも少し歳が高めに見える少女。高校生くらいだろうか。
全身をライダースーツのような体のラインが出る黒スーツで多い。常にメットをかぶっていて素顔は見えません。
会話は可能ですが自分から何かを語ることはないようです。
彼との契約の経緯は、彼の自殺を止めたこと。
手折の情報については知っている限りのことを全て話してくれるでしょう。
だって、アンリは目の前で人が死ぬことを何より嫌うのですから。
誓約の内容は『二度と誰の死も瞳にうつさない』
その契約に穴があるのも承知してアンリは誓約を結んでいます。
共鳴しない状態では少女然とした身体能力しか発揮できませんが乗り物の操作に秀でている等特徴があります。
彼女曰く、船もバイクも車も宇宙戦も操縦できるとか。
そして半分嘘だとか。
本来であればおちゃめなキャラクターなのかもしれません。
マスターより
皆さんこんにちは。鳴海です
今回のテーマは接する、ということです。
本当はテーマを大人にしてみたかったんですけど、同世代の子が彼と話をするのも面白いかと思って、年齢層は考えないことにしました。
人と接するということは人生を交わらせるということ。
影響するということは彼の人生を変えるということ。
その行為自体肯定するか否定するか。
その問題はさておいて。
どんな風に、リンカーのみなさんが彼と接するのか楽しみです。
それではよろしくお願いします
リプレイ公開中 納品日時 2017/05/06 20:33
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/26 07:59:56 -
少年の未来
最終発言2017/04/28 03:21:35