本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/04/13 09:00
- 完成予定
- 2017/04/27 09:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/10 00:40:17 -
質問卓
最終発言2017/04/11 07:50:25 -
相談卓
最終発言2017/04/13 02:13:13
オープニング
●盟約の朝
愛媛と香川とを繋ぐ特急列車がある。
運行路のほとんどが単線で、どこか牧歌的な風情を感じさせる146分間の旅路。
朝夕の時間帯には観光客ではなく、通勤通学の足としてこの列車を使う地元の人々も多いのだが……この地では愚神・夜愛の侵攻が続いている。学校はもれなく休校で、学生の姿はない。
問題はそう、社会人だ。
人を辞めるほどの環境にある者こそ少ないが、「実際に襲われていないのだから仕事を休んでいい理由にはならない」という空気が、会社社会という連なりの内にはある。
おかげで社会は今も動いており、列車もまた、本数を減らしながらも運行されているというわけだ。
そんな下り5両編成の自由席の最後尾に、ひとりの女が立っていた。
目深にかぶったスウェット地のワークキャップの端からこぼれ落ちる髪は黒い。しかし、よくよく気にしてみれば、地毛ではありえない金属質の光沢をまとい、シャラシャラと硬い音をたてていることに気づくだろう。
不幸なことに、気づく者はなかった。女の肌が、肌色をしているだけのステンレスであることにも。
――盟約はあれ、よくぞここまで来たものよ。
女は胸中で独り言ち、そのステンレスの指先を密かに伸べる。
1、2、3匹と飛び立ったそれは女と同じ、ステンレスで造られた蚊であった。
蚊はそれぞれ獲物を定め、肌に口吻を突き立てた。唾液ならぬゾンビウイルスが獲物へ流し込まれていく……。
幾度かそれを繰り返し、戻ってきた蚊が、今度は女の指先を刺した。
彼女の身の内に在る“赫き薬丸”を素としたウイルスを蚊どもへ吸わせながら、女は前の車両へ歩き出した。その途中でスマホを取り出し、硬い耳にあてがう。
「――夜愛か。半ば種を植え終えた。これより残り半ばを植えに行く。あとは芽吹きを待ち、彼奴らを共連れてカガワへ参る心づもりよ」
女の名はウルカグアリー。
鉱石を編んで依り代(アバター)とする、正体不明の愚神である。
規約というものをなによりも尊ぶ彼女は、神門との古き盟約を果たすべく、棲処たるインカよりこの四国へ来た。
グリーン席と指定席を備えた先頭車両の扉を引き開け、ウルカグアリーはギチギチと笑みを形造る。
金属質の高い羽音を鳴らし、造りものの蚊が飛び立った。
夜愛が取りかかっている香川侵攻を補佐するのが彼女の役割。それはすでに、ほぼ果たされたのだ。
●発症
数日の後。
朝の下り5両編成・高松行きの最後尾自由席車両は、今日も人でごったがえしていた。
ただ、誰ひとり語る者はない。
それどころか、スマホや新聞を見る者も寝に入る者も、となりに座った他人あるいは密着して立つ誰かを気にする者すら、なかった。
『次の停しゃえきはははははかかかかかああああああ』
車掌のアナウンスが壊れ。
「あああああああああ」
押し黙っていた人々が、それに唱和した。
車掌席のドアが開き、車掌が前の車両へ向かう。
「きっぷぷぷぅうううぅぅ」
人々がそれに続き、前へ。
突き出した両腕で空を探り、よろめきながら行く人々の顔は、生者のものではありえなかった。
……その後方、車掌の代わりにその席へ腰をかけたウルカグアリーがマイクを手に取り。
「次の停車駅は屍国。どこへ停まろうと変わりはせぬが、己の逝く先くらいは知っておくも一興だろうよ。ああ、心配はいらぬ。案内役はそれなりにいるからな。そして汝らもまた案内役となる。相身互いは汝ら人間の規約であろう?」
車掌同様、運転手もまた死人に変えてある。今ごろは先頭車両から後ろへ向かっていることだろう。
この列車は終点の高松まで停まらない。
そうして夜愛の包囲網を突き抜けた後方で、ゾンビはさらに感染者を増やし、兵隊を増やす。結果、夜愛の侵攻を迎え入れる軍団ができあがるというわけだ。
ウルカグアリーは流れゆく景色に向けていたステンレスの眼を引き戻し、先頭車両の運転席へ向かう。
運転などできはしないが、ブレーキがどれかはこの数日で見て憶えた。だから目的地へ着くまでしばし、特等席から景色と旅情を楽しむとしよう。
●出動
礼元堂深澪(az0016)からの緊急連絡を受けたエージェントたちが特急列車を追う。
『こちら礼元堂! 5両編成の特急列車の1両めと5両めに死体ゾンビ30が出現! 感染者増やしながら2、4両めに入ってる!』
1、5両めに死体ゾンビはほぼおらず、ほとんどが2、4両めに進んだということか。そこに取り残された感染者をどうするかは問題だが、残る3両めはどうなっている!?
『3両めに逃げ込んだお客さんがドア押さえて抵抗してるけど、長くは保たないよ! あーっ、運転手さんもゾンビになっちゃってて、よくわかんない愚神が運転席占拠してるから、そっちもなんとかお願い!!』
エージェントたちが列車に接触できるのは新居浜(にいはま)駅付近。ゾンビをけしかけた愚神は香川県を目ざしているはずだ。時間は有限、なんとかしなければ。
『時間より作戦だね! お客さんがケガしたりしなきゃなにしてもいいって許可はもらってるから! なんかドカンてやっちゃって!!』
解説
●依頼
1.特急列車の3両めに立てこもっている乗客を救ってください。
2.1、2、4、5両めの感染者に対処してください。
3.運転席にいる愚神ウルカグアリーを撃破もしくは撃退してください。
●状況
・特急列車は高松まで停まりません。
・新居浜駅付近から、なんとか列車へ乗り込んでください。
・1~5両めのどの車両に、どのような形で乗り込んでもOKです。
・1、2、4、5両めはゾンビ数十体に占拠されています。
・3両めは逃げ込んだ人々でいっぱいです(乗車率134パーセント)。彼らは避難民が主なので、状況についてはある程度理解しています。
・列車を破壊することに関しては鉄道会社の許可が出ています。
・緊急出動なので、使えるのはみなさんが装備しているAGWと携帯品のみです。
●ソンビ
・能力は特設ページ参照。
・明確な指示を受けている者はいません。頭にあるのは増えること、殺すこと、それだけです。
●ウルカグアリー
・鉱石をアバターとする愚神。
・今回はステンレスをアバターとしており、高強度で非磁性(磁力を含まない)。その他の身体特性も実際のステンレスに準じます。
・能力的には弱めのケントゥリオ級相当。
・自らの体(ステンレス)を材料とした、蚊型のミーレス級従魔(潜伏能力有り)を複数飛ばすことができます。蚊の攻撃には毒による減退のBSが乗せられています。
・ドレッドノートに酷似した能力を使います。
・複数行動可能。
・撃退する場合、戦闘以外の手段を講じても可です。
マスターより
屍国からご機嫌伺いをいたします。電気石八生と申します。
夜愛さんの侵攻作戦の助っ人に、インカよりやってきたウルカグアリーさん。このシナリオは、そんな彼女の目論見を止めていただく内容となっております。
今のところ無事な乗客のみなさんをどう救うか? 硬くていやらしい手下をいっぱい飛ばすウルカグアリーさんをどう攻略するか? いつもどおり、取れる手のひとつはオープニングないし解説に隠してあります。もちろんそれ以外の手を使っていただいても大丈夫。
みなさまのお力で、ゾンビが前線へ届く前に事件を解決していただけましたらば幸いです。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/04/20 17:51
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/10 00:40:17 -
質問卓
最終発言2017/04/11 07:50:25 -
相談卓
最終発言2017/04/13 02:13:13