本部
- 形態
- シリーズEX(新規)
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,800
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/03/13 09:00
- 完成予定
- 2017/03/25 09:00
このシナリオは3日間納期が延長されています。
掲示板
-
作戦相談
最終発言2017/03/12 21:19:49 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/03/09 07:38:45
オープニング
●報告
「敵は人質に食いつかず、渦底へ身を躍らせたか」
ヴルダラク・ネウロイは、仮初の巣と定めたベルミの廃墟の奥で息をついた。
「逆に人質として使わせてもらいましたが、独断で見逃しました。……リュミドラ嬢には適当な“肚を据える理由”が必要かと」
ジェーニャ・ルキーニシュナ・トルスタヤが頭を垂れる。結い上げた髪からはらり。灰色の前髪がひとすじこぼれ落ちる。
「感傷は忘れるのではなかったか?」
どこか寂しげな色を含めたネウロイの言葉。
ジェーニャは軍服のポケットを探り、ベイプを取り出した。そして蒸気を深く吸い込み、吐いた。あたりに甘いカスタードのにおいが立つ。
「感傷は捨てきれないものですね……生きているかぎり」
「それでも捨てねばならん。自分たちに残された選択肢はもう、ふたつしかないのだからな」
ネウロイは眼を閉ざす。それこそが感傷であると知りながら。
「隊長。よろしい、で、あります、か?」
ネウロイたちがいる室の戸口で、くもぐった声を発しながら、灰色狼の姿をとったアラム少尉が控えた。
「かまわん。入れ」
促され、室へ入った彼はネウロイの前まで進み、告げた。
「ウーニジェ、で、総督、の、殻が、割れました」
モスクワから駆け戻ったアラムは群れから離れ、西征へ乗り出したヴァルリアの後を追っていた。
「ヴァルリア様をあの外殻から引き出したのですか、人間が」
驚愕するジェーニャの背を、なにかが叩いた。
彼女は振り返らずに言う。
「1分で招集を完了します」
アラムと共に室を出て行ったジェーニャの後方で、ネウロイはひとり、沸き立つライヴスのただ中で拳を握り締めた。
●二分
「我が群れの任務は、ヴァルリア様へ向かう敵ライヴスリンカーの殲滅です」
ジェーニャがブリーフィングルームの壁にマップを映写し、示した。
「群れをふたつに分け、ウーニジェへ入ろうとするライヴスリンカーの鼻先を南北より挟撃。北の隊はネウロイ隊長が率い、レオン中尉には副官としてついてもらいます。南の隊の指揮は私が。リュミドラ嬢を副官として伴います」
レオンがかるく手を挙げ、一同の注目を集めた。
「北と南、どちらに行きたいかの希望を出して。安心なさい。どちらに行ってもこき使われるのは同じだから」
「オレは、南の、先陣を」
アラムが言い。
「あーしとミーリャはアヒルちゃんの護衛かな?」
「お嬢がうちらの護衛だけどね」
双子の准尉、ミーシャとミーリャがうなずき。
「僕は隊長と行きます。スナイパーを守る壁は少しでも厚いほうがいいでしょう」
ニキータ軍曹が拳を掌に叩きつけた。
復讐に燃える彼の眼は
「隊長、軍曹は――」
ジェーニャの言葉をネウロイが手で制し。
「かまわん。どちらに回ろうと命を賭けることになる。今さら各員の噛み合わせを語ったところで意味はない」
腰掛けていた椅子から立ち上がり、ネウロイは告げた。
「ヒョルドを失った今、死ぬなとは言えん。敵と我らの命を積み上げ、せいぜい派手に火をあげる。送るのではなく、迎えるための標をだ」
●弔い
人狼たちがブリーフィングを行っている中、リュミドラは独り廃墟の片隅にいた。
ライヴス式アンチマテリアルライフル“ラスコヴィーチェ”を構え、凍土を撃つ。
この弾痕は墓だ。
墓を掘ることを自らに禁じた彼女が、二度と戻ることはないだろう自分のために穿つ、墓。
彼女は白面に薄笑みを刻み、その穴に白い花を刺す。
すでに凍りついた生花は、彼女が死ぬまでここに在り続けるだろう。そして彼女が死んだ後には、遠からず風雪に壊され、残された穴も塞がれて消えるのだ。
それでいい。
それがいい。
戦地で拾われ、狼の群れにその孤独なる魂を救われたアヒルは、狼のふりをしたまま死んでいく。
残る問題は、後か先か。それだけだ。
●選択
ヴァルリア討伐の先遣隊がウーニジェの西より町へ踏み込んだ。
『みんなおつかれさま! ちょっと気になる報告があって先に来てもらったんだけど――』
礼元堂深澪(az0016)がウーニジェの愚神対策本部から一同に語る。
ヴァルリアとの決戦の時が迫るウーニジェの西方で、灰色狼らしき影を見た。その報が同時に多数寄せられてきたのだという。それが見間違いでないのなら、HOPEはヴァルリアと同時に大量の人狼を相手どらなければならなくなる。
『みんなには報告の多かった北と南のどっちかに行ってほしいんだ。もし人狼を発見したら速やかに殲滅。バックアップにサンクトペテルブルグ支部のエージェントがついてくれるから、今までみたいにやられっぱなしにはならない』
深澪は一度弾ませた声を落とし、静かに継いだ。
『もうすぐレガトゥス級の本体と決戦だし、それに――ううん、まずは人狼がいるなら人狼だよね。でもみんな、気をつけて。絶対無理とか無茶とか禁止だよ!』
解説
●依頼
1.南北のいずれかに赴き、そこに潜む人狼群と対してください。
2.北に向かう場合はネウロイに、南に向かう場合はリュミドラに、一定以上のダメージを与えてください。
●状況と地形
・戦場は南北とも、路地が入り組み、倒壊したビルや瓦礫がところどころに小山やくぼみを成す廃墟になります(無事に残っているビルもあります)。
・時刻は深夜ですが、みなさんが到着すると同時に廃墟のあちらこちらで火の手があがりますので、視界は充分に確保されます。
・足場の不安はないものとしますが、意図的に滑ったりすることは自由です。
・北の最前線では、ニキータ軍曹が20人の人質を捕らえて待ち受けています。
・人狼(デクリオ級従魔)は南北それぞれに50程度。
・サンクトペテルブルグ支部のエージェントは総勢16名(ドレッドノート4、ブレイブナイト4、ジャックポット2、シャドウルーカー2、ソフィスビショップ2、バトルメディック2)。行動指定がなければ独自に従魔と戦いますが、みなさんの内で希望者がいれば、彼らを編成・分割して指揮官として動くこともできます。
●愚神
・ネウロイについては【絶零】特設ページを参照。
・ジェーニャは元バトルメディックで、強力な治癒能力を備えています。
・レオン、アラム、ミーシャ、ミーリャ、ニキータの能力は不明。各自なんらかの英雄の能力を持っています。
・上記5体の撃破は無用ですが、最低でも足止めの策が必要です。
●リュミドラ
・改造型アンチマテリアルライフル装備。
・確定している能力はテレポートショット×5、跳弾(テレポートショットとの組み合わせもあり)、格闘術、ダメージ軽減(パッシブ)。
●備考
・このシナリオは前後編の前編となります。
・ネウロイとリュミドラ、みなさんが戦わなかった方が後編の相手となります。
・愚神も人狼もすべての力を使用します。
マスターより
電気石八生と申します。
気がつけば長ったらしいシリーズになっておりましたhide-and-seekもいよいよクライマックス。無謀にも前後編でお届けするこの前編、小細工は(ちょっとしか)なし。(ほぼ)純粋な戦闘シナリオです。
灰色狼とアヒルを巡る物語のフィナーレを、ぜひみなさまの手で選んでくださいますようお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/03/24 13:24
参加者
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最終発言2017/03/12 21:19:49 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/03/09 07:38:45