本部
幸福を探し始めた日
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/03/01 09:00
- 完成予定
- 2017/03/10 09:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/26 19:48:16 -
相談卓
最終発言2017/03/01 03:21:58
オープニング
●
悩み事とは距離を置けない相棒のような存在だ。人間は何かを満たすために悩み、それが原動力となる。像だって。水飲み場を探すために当てのない道を歩いている。宇宙が存在すれば、誰もが悩みを持つ。
ロボットだって。
犬型四足歩行ロボットのスチャースは深夜スリープ状態に入る際に、自動的に記憶の整理をしていた。今戦っている対テロ組織の情報を纏めたり、無駄な記憶の削除をしたり。
何ヶ月も前からだ。彼の記憶には見たことのない景色が浮かんでいた。
十歳もない女の子と、それを抱きしめる三十歳くらいの女性の映像だった。二人が綺麗な部屋の中で笑いあっていた。
部屋の中には三人目もいた。それはスチャースが見ている映像自身なのだ。誰かの視点で記録されているこの情報は、無駄な記憶として処理されなかった。いい加減スチャースは、映像が何なのかを確かめる時期に差し掛かっている。
「坂山、すまないがしばらく席を空ける」
休暇申請は突然で、坂山は目を丸くした。通信士の座る椅子の上で。
「どうしたの?」
「しばらく自分がいた研究所へと戻る。やりたい事があるのだ」
「そう。別にいいわよ。やりたい事があるなら、やらなくちゃね。何なのかはわからないけど」
「私も説明しづらくて困る。ノボルが外食から帰ってきたら、伝えておいてほしい」
坂山の英雄、ノボルは今朝寝坊したことが災いとなって朝食を食べられなかった。非常にお腹が空いて、昼休憩前の食事が仕方がないものとなった。
「気をつけてね、スチャース。まあ、改良されたあなたなら大丈夫でしょうけれど」
「分かっている。それではな」
元気に尻尾を振ってスチャースは通信室から外に出た。坂山は扉が閉まるまで手を振っていた。
通信室には大体、スチャースかノボルかどちらかがいた。
ちょっとした孤独感を得た。懐かしさを感じさせる。
●
スチャースが休暇をしてから二日経った。人探し、事業の手伝い等の簡単な任務を対応していた坂山は、いつになったら戻ってくるのかと想像していた。
用事の理由も分からない。帰ってきたら問い詰めてやろうと考えていた矢先、坂山の端末機器に一通のメッセージが届いた。スチャースからだった。
画像が二通添付されている。廃れた研究所の一室の画像。それから、こちらも廃れた三階建て一軒家の外観を撮影した画像だった。
その下にS.O.Sと書かれていた。
「坂山、これは……」
「嫌な胸騒ぎはしたのよ。的中してほしくない嫌なのが。……すぐにエージェントを集めなくちゃ」
「でも、危ないよ。もし危険な任務だったら!」
「何のためにエージェントは存在するのよ。困ってる人たちを助けるためでしょ」
何が起きているのかは分からない。坂山も、得体の知れない場所にエージェントを送る不安はあった。スチャースは、何が起きているのかを説明する余裕がなかったのだろう。ただ不気味だった。この廃れた、明かりのない研究所には机があって――
その上に誕生日ケーキが乗っていた。
「皆には何があったのか調査してもらわないと……。この不気味な研究所と一軒家で、何が起きたのか」
画像だけでも伝わった。ここは、一般人が訪れてはいけない場所なのだと。
●
この真実をどう受け止めればいい?
私はスチャース、四足歩行のロボットだ。人工知能を持っている。
幸福を探し続けてもう何年も経っているが、この任務について今議論する暇はない。私は常日頃、自分の生誕は気にならなかった。
どうして生まれたのか、幸福を探すために生まれたのだ。
研究所を調べて見て、その事実は揺るがなかった。幸福を探すために生まれた。ではどのようにして生まれたのか? この研究所とはなんなのか? 私を作った主人とは。
疑問は数を知らなかった。私という宇宙が作られた日、何が起きた?
なぜ幸福を探すのか、なぜ主人……博士はその感情を得たのか。答えがあまりにも、研究所に残されすぎていた。私は動揺した。
博士は幸福探しの旅を知っていたのだ。
そして私自身が、博士だったのだ。
解説
●目的
犬型ロボット、スチャースの救助。
●スチャースの現在
エージェントが到着した際、スチャースは研究所に逃げ込んでいる。声を出したら奴らに知られるために、スチャースは跡を残して、見つけてもらうための準備はしている。
無事に発見できれば、何が起きたのかを全て説明してくれるだろう。
●廃れた研究所
スチャース生誕の場所。坂山の所に来る前は、ここで暮らしていた。
個人の研究所で、生活空間も併設されている。研究所の入り口はマンホールのような蓋であり、発見には多少の時間を要するかも。(以前この研究所を舞台にしたシナリオに参加したプレイヤーがいれば、案内してくれるだろう)
階層の形は同じで、正四角形が重なっている構造だ。地下にいくほど面積が小さくなっている。
一階はパーソナルスペースで、研究する場所はなく、一般家庭を思わせる階層。ワンルームである。
一階中央の階段を下に下り、二階から研究施設になる。二階は三つの部屋が連なっている。
三階は二つの部屋があり、片方の部屋が病室に、片方の部屋が助手の個人室となっている。
●廃れた一軒家
二階の研究施設にある隠れた通路を通って到着する場所。
この一軒家も個人の研究施設だったが、今は愚神に汚染されて中にいる人型のロボット達は従魔となっており、住人は死亡している。
スチャースはこの一軒家に用事があった。記憶に残っている映像と場所が一致していたからだ。
●汚染されたロボット
広い一軒家にはライヴスの弾丸を放つ銃を持ったロボットが徘徊する。ロボットに一度見つかると警笛が鳴らされ、あらゆる所から侵入者を排除すべく戦闘が始まる。彼らを開放するには愚神を倒すしかない。
元々は、善良なロボットだった。
●愚神
支配者は三階の書斎に座っている。エージェントに見つかると、彼は部屋の中にある戦闘装置(固定砲台等)を全て起動して、エージェントを襲う。彼自身に戦闘力は無い。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
スチャースの生誕は今まで全く語られませんでした。彼は過去を見つめるというよりも、今を生きるロボットだったからです。過去から幸福は学べない。幸福を見つけるには今を見るしかない、そう思っていたからです。
ですが削除できない記憶に残されていた映像は、スチャースの過去への好奇心を呼びました。
http://www.wtrpg0.com/scenario/replay/1703 こちらがスチャースが初登場した本舞台のシナリオです。本シナリオ攻略の参考にはなりませんが、スチャースについて知れます。
それでは皆さん、任務をよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2017/03/06 20:51
参加者
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最終発言2017/02/26 19:48:16 -
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最終発言2017/03/01 03:21:58