本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/21 19:00
- 完成予定
- 2016/12/30 19:00
掲示板
-
質問卓
最終発言2016/12/19 22:30:43 -
hide-and-seek S
最終発言2016/12/21 18:49:33 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/12/19 09:41:20
オープニング
●回答
ひとりのヴィランに「部下を見捨てる」ことを経験させる。
ただそれだけのためにトリブヌス級愚神が実施したライヴス発電所襲撃の真相は、ノリリスク側からの要請を受けたマスコミの「自主規制」によって伏せられた。
施設構造の脆弱性の指摘や、わずか数百キログラムの発電炉の耐久性への疑問――愚神の脅威を知られることよりも早すぎた設備投資を責められることを、新体制への移行を急ぐノリリスクは選んだのだ。
「作戦が失敗したと仮定する。その原因にはなにが考えられる?」
ノリリスク市内の片隅にあるカフェ、そのテラス席――現在の外気温はマイナス30度である!――に座し、これらの新聞記事を読んでいた壮年の男が目も上げずに言った。
丸テーブルを挟んで座るアルビノの少女は、白の防寒具をまとった体をまっすぐ伸ばして答えた。
「敵が従魔の掃討に捕らわれず、最大数で小官を挟撃することであります」
「戦況によっていくつかの想定は増やせるが、まずはそうだろうな。跳弾にこだわるあまり、貴様は一本道に陣取った。敵が発電炉室制圧を放棄し、貴様の後ろを塞げば脱出は困難だった。……では、貴様がとるべきだった作戦行動は?」
「作戦を考えれば、中央部で他の従魔と協働して十字砲火を形成するべきでした。作戦を考えなければ、小官が発電炉室内で待ち受けることが効率的であったものかと」
「脱出だけを考えればそれもいいだろうが、発電炉室前に陣取るほうが行動の選択肢は拡がった。ともあれ、中央部で多くの敵を足止めし、誘導できたのは幸いだったな」
男はよれた軍用コートの襟を指先で引き伸ばし、立ち上がった。
「発電所には新たな発電炉が据えつけられ、すでに稼働を開始している。楽に取り外せるものは楽に据え付けられるというわけだ。この状況でこちらがすべきこともできることも少ないが――」
少女は立ち上がり。
「撃ちます」
「許可できるのは一射だけだ。成否に関わらず、次の作戦行動に合流しろ。そちらに群れの一部を動員する」
男が新聞を放り出すと、衝撃で凍りついた紙が砕け、白い圧雪の上に散り。男の姿は消え失せていた。
少女――リュミドラ・パヴリヴィチは椅子の背にもたれ、静かに息を吐いた。
すべてを鎮めるのだ。自分と、そして標的を。それらの挙動と鼓動が、彼女のスナイプを狂わせる。
引き金を引くのは、標的が鎮まり、動きを止めたそのときに。
●問題
12時。リュミドラは凍土のただ中で伏射姿勢を定める。
ライヴス発電所のまわりには、破壊された壁の修復にあたる作業員、そしてその警備を担当するHOPEサンクトペテルブルグ支部のエージェントたちが見えた。
サブマシンガンやアサルトライフル、ロケットランチャーで武装した彼らは、互いに互いをカバーできるよう位置取りしている。チーム戦に熟練したムダのない動き。おかげで各人のポジションがよくわかる。指揮官が誰なのかも。
指揮官は警備に参加する10チームの中央で状況を見渡していた。その傍らで作業員ともよく言葉を交わし、広い意味での連携を成している。
護衛は3人。指揮官になにかあれば即カバーリングに入るつもりだろう。
が、リュミドラの愛銃、ライヴス式アンチマテリアルライフル“ラスコヴィーチェ”は、彼女の契約者のライヴスを糧に、火薬点火式ライフルの5倍以上の速度で12・7mm弾を弾き出す。撃つ前に気づいていなければ、絶対に止められない。
と。作業員たちが小休止に入った。
食事担当の女性から、エージェントたちにもあたたかなコーヒーが勧められた。
指揮官はこの好意を受け、2チームずつ休憩をとらせることに。
このあたりの土地ではもはや必需品と言える、ライヴス式保温装置付きカップに淹れられたコーヒーの湯気を顎先にあてて温まるエージェントたち。もちろん1秒後には湯気が凍りつき、酷い目にあうのだが。
わめきちらすお調子者に苦笑しながら、指揮官はコーヒーへ口をつけた。これを見た休憩組も安心して胃をあたためる作業へかかった。
コーヒーを受け取るときも飲む間も、指揮官は辺りに目を配り続ける。愚神どもがノリリスクへ攻撃を加えたいなら、もう一度この発電所を襲う可能性は高い。
小休憩を終えたチームに指揮官が指示を出し、周辺の偵察行動へ向かわせた。
施設の半径50メートル圏内を、2チームが互いにバックアップしつつ探る。彼らの任務は施設の、それ以上に作業員の警備だ。警備対象からあまり離れるわけにいかない。
――エージェント6チームが東の一点に向けて動き出した。
従魔の一群が現われたのだ。種別は人狼。数は50。
1チーム6人×6チームのエージェントは数こそ負けているが、練度は高い。一気に押し込んでいくが――新たな人狼10体の奇襲を北から受け、揺さぶられる。
指揮官は作業員の避難が終了したことを確認し、残る4チーム中2チームを戦場へ向かわせた。そして自らは残る2チームと、施設に空いた穴の守りへ就く。
敵は従魔のみ。現状の戦力で対処はできる。しかし、先の襲撃事件でも、敵は思わぬ手を使ってきたという。
支部へ増援の要請を入れながら、彼は防寒マスク越しに深い息をついた。これほど寒いのに、息が詰まって暑苦しい。
そして、細めた目で見た。さらに東から襲い来る、200の灰色狼の群れを。
●結果
なにかが鎮まった。
その瞬間にリュミドラは引き金を引き。
指揮官の心臓を撃ち抜いた。
●
「たった今、プリセンサーが視た予知図はこんな感じだよ」
ノリリスク警備の支援要員として現地に詰めている礼元堂深澪(az0016)が、同じ東京海上支部より派遣されているエージェントたちに説明する。
「ただ、『問題』のどこに『結果』が差し込まれるのかがわかんないんだよね……」
深澪はいつにない切迫した表情でイライラと問題文を読み返した。
「リュミドラは指揮官を撃つ。指揮官が撃たれたら警備してるエージェントはみんな死んで、発電所は今度こそ再起不能にされちゃう」
もう指揮官は10チームのエージェントと現場にいるのだ。彼らの行動を止めることはできない。
「今動けるのはここにいるみんなだけだから。現地へ着くまでにリュミドラがいつ撃つのか予想して。それが当てられれば指揮官は助かる。現場のエージェントはみんなと力を合わせて従魔と戦える」
リュミドラの狙撃タイミングを読んで指揮官を守り、サンクトペテルブルグ支部の連中と連携し、従魔を掃討する。
約束された未来を覆すため、エージェントたちが動き出す。
解説
●依頼
1.リュミドラが『●問題』の中でいつ撃つのかを予想し、当ててください。
2.サンクトペテルブルグ支部のエージェントと共に従魔群へ当たってください。
※注:どちらかが果たされれば「普通」以上の結果となります。
●状況
・作業車が点々と置かれている以外は拓けた雪原です。
・みなさんは12時ちょうどに現地へ到着、その瞬間から行動を開始することになります。
・描写は輸送車の中(予想/相談パート)から始まり、行動パートへ移行します。
・このシナリオでは、指揮官をカバーリングやハイカバーリンクで救うことはできません。
・リュミドラは狙撃の成否に関わらず、一射の後に戦場を離脱します。
●人狼の動き
・みなさんの相手は前半に登場する60体の人狼です。さらに指揮官の生死に関わらずサンクトペテルブルグ支部のエージェントと連携できるので、10体ほどが相手になるものと考えてください。
・連携を取ってきますが、指揮役がいないので目の前の敵を追いがちです。
・武装はアサルトライフルと手榴弾です(プラス爪牙)。
●備考
・『●問題』に書かれたプリセンサーの予知図は、リュミドラの狙撃が最後まで行われなかった場合の内容となります。
・200体の従魔が出現すると同時に増援が到着するため、みなさんが攻略を考える必要はありません。
・今回、ネウロイの干渉はありません。
マスターより
電気石八生と申します。
本シナリオは「狙撃タイミングの予想」と「対従魔」の二本柱な内容となっております。
リュミドラさんがいつ撃つのかはオープニングに記載したとおりです。
戦闘よりも頭脳戦を楽しみたい方は輸送車内で他のメンバーとなにを語り合うか、戦闘メインの方は従魔とどのように戦うか、それをプレイングしていただければと思います。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/12/27 13:29
参加者
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