本部
海亀と兄弟と
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/15 09:00
- 完成予定
- 2016/11/24 09:00
掲示板
-
BEAT The TURTLE
最終発言2016/11/15 00:10:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/11 00:06:32
オープニング
●平穏の終焉
空をゆっくりと白い雲が流れてゆく。
海も穏やかで大きな波も無い舟の上はゆりかごの様に平和だった。
「ダメだな、今日は」
引き上げた網に何も掛かっていない事を確認してため息交じりに兄のサリオ呟く。
「何なんだろうな、今日は」
兄弟でこうして漁に出るより前、父親も一緒だった頃から漁に出て一匹も網に魚がかからない事など今までには無かった。
「あきらめて帰ろうぜ」
弟のアレの言葉にサリオは「そうだな」と力なく応えて海を見渡す。
「何だ、あれ?」
何も変わったところ等無いように見えた海の上に何かが浮かび上がって来る。
「亀じゃないのか?」
確かに亀の甲羅の様に見えるが、浮かび上がってきたそれは亀よりもはるかに大きい。
「逃げるぞ!」
サリオが声を上げてオールを手に取る。
その言葉にアレも異存はなく大慌てで舟をこぎ出す。
背後に迫る気配に振り返った二人の目の前に巨大な甲羅が迫っていた。
そのままの勢いで衝突した亀により船をバラバラにされて二人は海に投げ出される。
バラバラになった船の破片にしがみついて亀の姿を探す。
「何だ、あの亀!」
亀は大きく旋回して再び二人の方に向かってきている。
「泳げ! 島に戻るんだ!」
サリオが叫ぶ。
泳ぎ出したサリオに亀が追いすがる。
必死に泳ぐサリオの体が突然沈んだ。
五メートルは有ろうかという巨大な亀がサリオの足を銜えて水中に引きずり込んでいく。
足から流れ出した血が海中を赤く染める。
亀が大きく口を開いた。
口から足が離れて浮かび上がろうともがくサリオの胴に亀が大きな口を開けて噛みついた。
噛みつく寸前、大きく開いた口にはまるで鮫のような鋭い牙が並んでいるのが見えた。
サリオの口から悲鳴が泡になって海中に広がる。
流れ出す血は見る間に視界を赤く染め上げていく。
サリオが助けを求めるように手を伸ばすのが見えた。
その向こう側に亀の黒い目が見える。
真っ直ぐにアレを見つめる目はまるで次はお前だと言っているようだった。
恐怖が体を支配する。
必死に泳ぎ、気が付くと浜にたどり着いていた。
海を振り返るが亀の姿はどこにも見えない。
そして、兄の姿もどこにも見当たらなかった。
●遺された者
船から小舟を降ろして島へと渡る。
浜には島民たちが集まり、先に舟で持ち込んだ食料をH.O.P.E.スタッフ達から受け取っている。
この辺りの島周辺に現れた海亀型従魔のせいで漁に出られなくなり村では食べる物が尽きかけていたという。
浜辺に降り立ったエージェント達は食料を受け取る村人たちに加わらず浜辺に一人で立ち尽くして海を見つめる青年に目を向ける。
彼はH.O.P.E.に事件を伝え、エージェント達をこの島に案内した人物だった。
移動中も彼はずっと沈んだ表情で海を見つめほとんど言葉を発することは無かった。
「アレは魔物に兄をとられたのです」
かけられた声に視線を向けると老人が立っていた。
「父親を海にとられて以来ずっと一緒に漁に出ていた兄のサリオを見捨てて自分だけ逃げてしまったと罪の意識を感じているのです」
だからこそ海亀型従魔の潜む危険な海を泳いで通信機のある大きな島まで助けを求めに向かったのだという。
もしかしたらその途中でアレは自分も死んでしまう事を望んでいたのかもしれない。
だが、海亀型従魔が姿を現すことは無かった。
「アレのおかげでこの島はサリオの他に犠牲者は出ておりません」
他の島では多くの働き盛りの若者が舟で漁に出て海亀型従魔の犠牲になったのだという。
「魔物はわたしらの使う大きさの舟だけしか狙わぬようなんです」
浜辺には木で作ったカヌーが一艘引き上げられている。
それよりも大きな、エージェント達が乗ってきたようなエンジン付きのクルーザー等には近寄ることもなく姿を見せることは無い。
この海域には時折そういった釣り船が来ることもあり、もしもそういった船が襲われていたならばH.O.P.E.はもっと早くに気付いていただろう。
「舟はその舟を使ってください」
島に残された唯一の舟だという。
壊されれば漁に出る手段は無くなるのだろうが、他の島と違いこの島には若い人手が残っている。
「我々も出来る限りの事は手伝わせていただきます。どうかサリオの仇を討ってやってください」
解説
●目標
・海亀型従魔の撃破
●海亀型従魔
・全長五メートルの大海亀。
・攻撃手段
1・体当たり:水中で真っ直ぐに突っ込んできます。
2・噛みつき:鋭い牙の生えた口で噛みつきます。口の大きさは人の胴よりも大きく、鋭い牙も有ります。
・甲羅部分は硬く、表面の丸みが攻撃を自然に受け流します。
●舟
・二人から三人のれるアウトリガーカヌー。
・島に生える木で作った木造の舟です。
・乗って来た高速艇から浜に上がるための小型のモーターボートも有りますが、こちらの舟には反応しない事は確認済みです。
・高速艇は全員降ろした後は海亀型従魔の出る海域の外で任務終了まで待機しています。
●海
・水深二十メートルほどのきれいな海で、見通しは良いです。
・一度亀を見つけてしまえばそう簡単には見失うことはありません。
●装備
・酸素ボンベとウェットスーツは移動に使った船に積んであるので使うことが出来ます。
・水中、水上での戦闘を想定した装備は自分達で準備する必要が有ります。
・島は漁で生活しています。島にある道具ならば貸してもらうことが出来ます。
●兄弟
・兄のサリオと弟のアレの二人兄弟。
・父は海での漁の時に事故にあい死亡。
・母と妹との四人家族でした。
※今回は他の島に海亀型従魔が出現する事はないものとしてください。
マスターより
こんにちは、皆さま。
今回は大海亀との水中戦です。
水中は敵の得意分野ですので十分ご注意ください。
細かく判定はしませんが、トップページにあるルール内の特殊ルール、
http://www.wtrpg0.com/rule/basic/9
下の方で申し訳ないのですが、水中戦闘ルールを参照いただくと必要な物のイメージは立てやすいかと思います。
海亀型従魔は[潜水]持ちですのでご注意ください。
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/22 09:11
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BEAT The TURTLE
最終発言2016/11/15 00:10:46 -
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