本部
【屍国】対面禁止の脱出
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 7人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/06 19:00
- 完成予定
- 2016/11/15 19:00
掲示板
-
対面厳禁!
最終発言2016/11/06 18:40:14 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/06 17:00:58
オープニング
●売り言葉に買い言葉
曇天の下、若者の集団がぶつかり合っていた。スカジャンの背に紅の獅子を背負った集団に黒ジャージで背に青い不死鳥を背負った集団。
「じゃあ、度胸試しといこうじゃねぇか」
「いいぜ。ビビってしょん便垂らすんじゃねぇぞ」
「はっ、テメェには言われたくねぇなぁ」
中心で言い合っていたのはそれぞれの集団のリーダー。赤髪に白メッシュが入ったでスカジャンを纏うがたいがいい男は権堂龍士(ごんどうりゅうじ)。金髪に青メッシュを入れた黒ジャージのチャラい男は宇鷹康(うたかしず)。
この二人、目があった瞬間、これである。今日も今日とていつもと変わらなかった。ただ一点、心霊スポットを舞台としたこと以外。
「ルールは簡単だ。このホテルの中にあるって言う霊が書いたっていう落書きを見つけるだけだ。なんでも、カメラを通してじゃねぇと見えねぇらしい」
「なかったら?」
「なけりゃ、引き分けだな。ねぇんだから」
「まぁ、ありゃいい話ってことか。ま、どうせ、俺らアズラルアンカーが先に見つけるだろうがな」
「バカ言うんじゃねぇ。紅獅子が見つけるに決まってるだろうが」
エポック都志。最初はハイランドホテルとしてオープンしたが、突然閉鎖。その後、エポック都志と改め、開業するもすぐさま閉鎖されたホテル。噂が噂を呼び、いつしか全国でも有名な心霊スポットとなっていた。曇天の雲が怪しく色づく黄昏時、そこにアズラルアンカーと紅獅子の2グループが度胸試しに訪れていた。
彼らのように訪れた人間は多いのだろう、その場は荒らされ、色々なものが散乱していた。しかし、不思議なことにそれだけ荒らされているのに片付けてしまえば、普通にホテルとして使用できてしまう綺麗さを保っている。廃墟ともなれば、下品な落書きなんかされていてもおかしくないというのにそれが見当たらない。ある落書きと言えば、小さく目立たないものばかりだ。ただ、そんなホテル内部とは違い、外に放置されている車は時代を感じさせる如く、ボロボロに朽ち果てた末、緑に覆われ、不気味な存在感をアピールする。
そんな廃墟の異様な雰囲気にびくつきながら、男たちの度胸試しが始まった。
●襲い掛かる恐怖
何も起こることなく、彼らはホテル内部を一巡した。屋上まで調べたが、どちらも見つけられない。ただ、引き分けは面白くないということもあり、再び1階から隈なく調べることとなった。
「きゃぁあああああ!!!!」
甲高い悲鳴が上がる。それに紅獅子はニヤニヤと笑みを浮かべる。
「おいおい、向こうは女でも連れてきてたか?」
ゲラゲラと笑う彼らに対し、奥からはがたがたと物音がしたかと思うと、次に逃げるように階段を駆け上がる音が響く。その慌てように龍士は笑いを引っ込め、眉を顰める。
「……龍士さんどうしたんすか?」
「いや、なんか、やたら冷えねぇか?」
「まぁ、もう冬っすからねぇ」
殆どの窓が板で塞がれているとはいえ、暖房器具の働いていない廃墟だ。冷えるのは当然だろというが、龍士の感じた寒気はそれではない。だから、それを否定しようと口を開いた瞬間、仲間から叫び声が上がった。
「なんだ!」
「龍士さん、あ、あ、アレ!!」
「――なんだよ、ありゃ」
腰を抜かした仲間に龍士が駆け寄り、彼が指さす方を見て、目を見開く。そこにはとても生きた人間に見えない青白い肌をした人間たちがゆらゆらと体を揺らしながら、こちらに向かってきていた。
「……突破、は無理だな。仕方ねぇ」
龍士は冷静にどうするか考える。そして、その結果、近くにあったカウンターを仲間と共に動かし、入り口を封鎖する。また、乗り越えてこられないようにと近くにあった金庫なども使い、完全に封鎖した。
「龍士さん、これからどうするんすか」
「一先ずは上に上がるぞ」
「は、はい」
一通り見たとは言っても、窓が開いているだとかまでは確認していない。だからこそ、一先ず、上ってこれないことを想定し、上の階へと移動する。
「このまま、アイツらに襲われて俺ら死ぬんすね」
そういって、めそめそし始める仲間に龍士は大きな溜息を吐く。そして、抑える力とはならないだろうが、少しでも仲間たちの心を弱らせないようにと思い、龍士はお守りとして持っている数珠を恐怖で震える手で取り出し、幼いころから家で聞いていた念仏を唱え始めた。
一方で、紅獅子よりも先にゾンビの存在に気づき、上の階へと逃げていたアズラルアンカーは頼るものもなく、頭を抱えていた。
「どうすんの? リーダー、気絶してっし」
「……待つしかないだろ」
「待つって何を? 周りにゃ家もねぇ、山の上だってノに気づくやついんのかよ」
康を背負った副リーダー蒼馬(そうま)に他の仲間が食って掛かる。その後ろでは恐怖からか小さく家族の名前を唱えているものもいる。
「闇雲に逃げ出すのだって同じだろ。だったらーー」
「蒼馬、話しぶち切るけど、H.O.P.Eに連絡しねぇか? あそこだったら、警察と若干違ぇし、こういうことに慣れてんじゃねぇか?」
その提案に蒼馬は頷き、連絡を頼む。「わかった」と頷いた青年も平静を装っているが恐怖からか手が震え、ダイアルが上手くできない。しかし、時間をかけ発信。
同時刻、念仏を唱えてくれている龍士の傍で服リーダーがアズラルアンカー同様にH.O.P.Eへと救援の連絡を入れていた。
そして、二通の電話がH.O.P.Eへ届き、君たちエージェントは心霊スポットとして有名なエポック都志の屋上へと降り立った。
解説
2チームが対面しないように脱出せよ。
【】はPL情報。
●エポック都志
高知のとある名所が一望できる小高い丘の上にある6階建ての廃ホテル。近くには三十八番札所である金剛福寺がある。基本的に窓には板が打ち付けられている。また、肝試しなどで荒らされてはいるため、色々なものが散乱している。1~5階までは螺旋階段でつながっており、5階~屋上までは別階段となる。
●やんちゃな人達
・紅獅子(べにしし)×12
権堂龍士率いるがたいのいい男衆。龍士は数珠を取り出し、念仏を唱え続けている。【なお、龍士は能力者。英雄が幻想蝶である数珠にいるが詳細不明。本人は自身が能力者であることすら知らない。また、覚醒時など一部記憶が抜け落ちている。ただ、場合により、共鳴できる】
・アズラルアンカー×13
宇鷹康率いる細マッチョな男衆。尚、康は気絶につき副リーダーである蒼馬に背負われている。
・共通事項
全員二十歳未満の若者。平気な顔だが、大のホラー嫌い。怪我は逃げる際に負ったもので、他の怪我はなし。【敵対チームと顔を合わせた瞬間、パニック状態に陥り、バラバラに逃げ出す。】
●状況(PL情報)
エージェント達が屋上に着地後、嵐が激しくなり、航空機による脱出は不可。また外に出た際、雨による視界不良と泥濘によって、移動力、イニシアチブが-2減。
裏口と正面入り口は封鎖中。壊すことは可。紅獅子は4階、アズラルアンカーは5階にいる。
ただし、外(半径60m)にはゾンビ型従魔(数など詳細不明)がうようよとさまよっており、時折、中に入ってこようとしている。尚、動物系ゾンビの姿は今のところ確認されていない。ゾンビはとっても弱いため、エージェントたちがダメージを喰らうことはほぼない。
食料などは持ち込んでいないため、時間経過により、2チームの体力、気力が減る。
マスターより
どうも、最近、やたらと季節外れながらホラーが見たくてしょうがない東川です。
今回は脱出系です。なお、対面した時点で結果は普通以下となりますので、ご注意を。
こまめに連絡を取り合うのがいいかもしれないですね。
あとPL情報として龍士のことを少し
1)従魔に母を殺され、現場にいた。恐怖から一部白髪化。その際に覚醒。父親は知っている。
2)仲間を失いそうになった時ないし、守りたい気持ちが強くなった際、共鳴。それに仲間たちは二重人格だと思っているため、龍士には伝えていない。
3)肌身離さず持っている数珠はとても大切なものだと認識。
どうぞ、よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/15 00:25
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対面厳禁!
最終発言2016/11/06 18:40:14 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/06 17:00:58