本部
紫陽花の庭で、誓いのまねごと
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 7人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/07/30 15:00
- 完成予定
- 2016/08/10 15:00
このシナリオは2日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/29 00:33:01 -
【相談卓】紫陽花咲く季節に
最終発言2016/07/30 04:50:38
オープニング
●紫陽花の庭での乙女たちのたくらみ
輝くような緑の細かな蔓と葉のトンネルをくぐると、その庭はあった。
目の前で静かな水音を立てている噴水にはささやかな虹がかかっており、煉瓦を敷き詰めた歩道を挟んでこんもりとした青、青紫、ピンク、白…………ありとあらゆる色の見事な紫陽花が庭中咲き誇っている。それが、雨上がりの澄んだ日光に照らされて滴がきらきらと輝いていた。
「────凄いでしょう?」
老紳士の言葉に、その光景に目を奪われていた灰墨こころとミュシャ・ラインハルトははっと我に返った。
「こんな綺麗な庭見たことが無いわ」
「この花が、こんなに綺麗だとは思わなかった」
その言葉に老紳士は誇らしげに笑った。
「ええ、自慢のガーデンなんです。ここを残したくてこのゲストハウスを始めました…………けれど」
ここは古くからある少人数用貸し切りゲストハウス形式の結婚式場だった。昔からたくさんのカップルの区切りの日を彩って来た。けれども、老朽化が進み近くに建った新しいゲストハウスと競う力も無くなって、この紫陽花の季節を最後に式場として最後の日を迎えた。
「元々、この紫陽花の庭を気に入って始めた式場でしたが、紫陽花は土壌で色が変わりますからね。最近はそうでもありませんが、花言葉も『移ろいやすい心』なんて言うのもあり、あまり結婚式には向いていないと思ったのですが────たくさんの人たちがこの庭を気に入ってここで式を挙げてくださいました。いい思い出です」
「……素敵、ですから。建物も、この庭も」
彼女たちの言葉に、老紳士は嬉しそうに笑った。
「…………ここでいいのか?」
「え?」
「いや、移ろいやすいって……あんなタイプだし」
言い辛そうに自分を見るミュシャに、信義の妹、こころは一笑に付した。
「ああ、色々最低な魔術ギークの兄貴だけど、頑固さなら折り紙付きだから問題ないわ。それより」
ぱんっ、と、こころはミュシャの掌に自分の掌を軽く打ち付けた。
「義姉さんを喜ばせて、あのくそ兄貴に痛い目を見せるために。────ヒーローは力強さだけじゃなくて、精神も善でなくてはいけないのだときっちり自覚させてあげましょう」
「そうだな。『平和的に』、少しは一般的な大人の自覚と反省を促したい」
●撮影会の片隅で
紫陽花咲き誇ろるガーデンにはたくさんの人々が楽し気にしている。ある者はスイーツを、ある者はダンスを、ある者は楽器演奏を、それぞれ楽しんでいた。ただ、違うのはそれらの人々が皆一様にH.O.P.E.のエージェントであること、そして、女性はウェディングドレスを、男性はスーツを着ていることだった。
紫陽花咲くこの式場では、建物を壊すその前に写真集を作ることにしたのだ。そして、最終日にモデルに選ばれたのは慰労を兼ねたH.O.P.E.のエージェントたちである。
「目線こっちお願いします!」
カメラマンに声をかけられた金髪の美人エージェントは口元に人差し指をあてて「可愛くお願いねん」と艶やかに微笑んだ。
「ミュシャちゃん」
周りと同じくドレスを身に纏ったこころが、美人エージェントの隣で困ったように立って居るミュシャに声をかけた。
「……来たか!」
ミュシャが思わず幻想蝶から剣を引き出そうとするのを慌てて止めて、こころは言った。
「午後の部からが本番よ?」
にこやかな笑顔を浮かべて現れた灰墨信義は、ミュシャの姿を見て一瞬、嫌そうな表情を浮かべた。
「…………おや、ミュシャちゃん、なんでこちらに居るのかな? ついにエルナー君と結婚でも?」
「灰墨さんこそ、新郎役なのにいつものスーツ姿じゃないですか」
「写真撮影の手伝いなら、このスーツ姿で十分じゃないかな────おい、こころ」
ドレス姿の灰墨こころはにっこりと笑って兄を見た。
「ふふふ、お兄ちゃん。ライラさんに聞いたけど、お兄ちゃんたちって結婚式を挙げてないんですって? そんなの酷すぎるじゃない!」
「────待て。お前が写真撮影に参加したいから新郎代わりに出ろって言うから来たんだぞ? そんなつまらない理由なら俺は帰るからな」
引き返そうとした信義の前に、笑顔でデーメーテールの剣を抜いたウェディングドレス姿のミュシャが立った。
「ちゃんと、信義さんとライラさんの晴れ姿、撮影しますから。大丈夫です、ちゃんとおふたりの幸せを祈ってますし、夏島のことは少ししか根に持っていません」
ミュシャの後ろでエルナーが困ったように肩を竦めた。
「お兄ちゃん、わたしも、いつも色々口出して来てウザい兄貴だって思っているけど、ライラさんとの式はちゃんと挙げてあげたいの────愛(まな)ちゃんのためにも」
妹の言葉に信義の顔が強張った。腕を組んだこころの後ろから、同じようにウェディングドレス姿のライラと三歳くらいの愛らしい少女が「パパ―!」と現れた。
「ごめんなさいね、こころちゃんがどうしてもって言うから」
ライラがドレスを着た娘を抱いて苦笑する。
「誓いのキスが楽しみですね」
ミュシャがにっこり微笑んだ。
解説
・目的
写真集のモデルをお願いします。
基本的にはカメラマンを意識せず、ドレスを着てスイーツを食べて結婚式の真似事で楽しんでください。
本当に結婚式をしてもいいですが、神式の場合、チャペルの中か庭での人前式の形になります。
希望があれば音楽演奏・歌・司祭等頼めます。
・ステージ(ゲストハウス、午後の部)
紫陽花がたくさん咲いたガーデン(噴水有り)&屋外テラス、少しレトロで重厚なゲストハウス、煉瓦造りの白い小さなチャペル(丸窓・ステンドグラス)
ゲストハウスは庭に向けて壁一面分の大きな窓が開いたバンケット、バーカウンターのあるコンサバトリーテラス、上品な調度品に囲まれた一休みするためのラウンジ等。
NPCについて
灰墨信義は英雄との誓約が結婚式の誓約に近いので、人前で言うことを拒んで式場内を逃げます。
ミュシャとこころは信義とライラの結婚式を撮影しようと画策しています。
ライラは別にどちらでもいいけど、面白く傍観している感じです。
こちらに関しては勝手に片隅でやっていますが、協力したい方はプレイングにその旨お書きください。
プレイングが無い場合は描写はほとんどありません。
灰墨 こころ:信義の妹。兄は可愛がってくるがそれがすべてウザったい。
灰墨 愛(まな):三歳の信義の娘。可愛くて素直で笑い上戸。
※ご注意
ドレス・スーツ・和装・民族衣装、子供向け、何でも揃っています。
ただし、女装用の衣装はありません。(違和感無い方、普段から女装している方などは可)
際どい服装やあまりにも粗暴な行為は式場最後の写真集という趣旨に合いませんのでご遠慮ください。
ウェディングケーキも各種ご用意しており、丸かじりはOK。
シャンパンタワー一気飲みも許されておりますが、体調が悪くなった場合即座に医務室に連れ込まれます。
NPCはミュシャ、エルナー、灰墨信義、ライラ、灰墨こころ、愛のみです。
(他のエージェントたちは午前の部で帰りました)
マスターより
ジュンブラシナリオを出そうと思ったら七夕の季節になっていた……。
ひと月遅れのジュンブラっぽいシナリオです。
よかったらどうぞ。
灰墨こころは『学生リンカーたちは雪合戦におおはしゃぎ』『【甘想】恋想う樹の下で』に登場していますが、見なくても問題はありません。
AGWは共鳴しないと使えないので、ミュシャが剣を抜いているのは脅しです。
信義が結婚式を嫌がっているのは本人のプライド的な問題です。人前で誓約を述べても別に何の問題もありません。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/08/10 19:36
参加者
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最終発言2016/07/29 00:33:01 -
【相談卓】紫陽花咲く季節に
最終発言2016/07/30 04:50:38