本部
ゴミ屋敷へようこそ!
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/06/24 15:00
- 完成予定
- 2016/07/03 15:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/06/24 13:00:48 -
相談卓
最終発言2016/06/24 01:53:04
オープニング
「よくまあ、ここまでにしたよなぁ」
近隣住民の訴えで屋敷前まで来た、役所の職員である水杉高正(みずすぎ たかまさ)は、呆然と呟いた。無理もない。
そのゴミ屋敷は、規模が半端ではなかった。
何しろ、その屋敷は正しく『屋敷』なのだ。普通の民間人レベルの家がゴミだらけになっているのとは桁が違う。敷地面積が250坪、つまり約825平方メートルあるという話だが、あまりの広さにピンと来ないというのが、正直なところだ。
しかも、ゴミは既に庭も埋め尽くしている。何のゴミだか分からないものが積み上げられ、異臭を放っていた。
近くに民家はないから迷惑も掛けていない筈だ、というのが家主の言い分らしい。確かに、正門の位置に立って見回せば家はないように見えるし、一番近いお隣さんは敷地の端から計って500メートルは先だ。
しかし、その気になれば家は見える距離にある。風向きによってはひどい臭いが民家のある場所まで吹き寄せてくるそうだ。
そう説明するのに聞いてくれない、と近隣住民は、『頑固爺』こと、柿山寛典(かきやま ひろのり)翁にほとほと手を焼いているという。
そこで、住民達の間で、やはりここは行政の出番だろう、という事になったらしい。
はあ、と溜息を吐きながら、水杉は門扉の横にある呼び鈴を押した。だが、返事がない。もう一度押すが、やはり反応はなかった。いつもの近隣住民の嫌みだと、敢えて無視しているのだろうか。
こうなれば、直接家の玄関まで行くしかない。
せめてマスクを――いや、最早防護服が必要だ。いやいや、そこまでの贅沢は言わないから、せめて割烹着を着てくれば良かった。
ブツブツと脳内で零しながら、意を決して門扉に手を掛ける。
スーツの腕で申し訳程度に口と鼻を覆いながら、腰丈になったゴミの海へ足を踏み入れた。本当に海かプールのようで、一歩を進むのに数秒は掛かる。
苦労して、玄関と門扉のちょうど中間地点まで来た時だった。
「わ!」
いきなり何かに足を取られて、水杉は無惨にも異臭の海――基、ゴミの海(どちらでもあまり変わらないが)の中に背中から引っ繰り返る。
皮肉にも、ゴミがクッションの役割をして、身体そのものにダメージらしいダメージはないが、とにかく臭い。下が柔らかい所為か、どこへ力を入れればいいかよく分からないまま、とにかく起き上がろうともがいた。だが、中々起き上がれない。それ所か、ゴミが纏い付いてきて身動きが取れなくなる。
「え、ちょっ、だっ、誰か……!」
助けてくれ、という水杉の叫びは、止めのように覆い被さって来たゴミ袋の中に消えた。
●
「――という次第で、現在まだ水杉氏は、職場は勿論、自宅にも戻っていないそうです」
ミーティングルームに集まったエージェントを前に、オペレーターが話を続ける。
「ちなみに水杉氏は一人暮らしだったそうですが、役場からの連絡で、今はお母様が水杉氏の自宅に待機しているとか」
ゴミ屋敷に様子を見に行った日も、その翌日も水杉が帰らなかったのを受けて、職場の同僚二人がゴミ屋敷――柿山邸を訪ねたが、その二人もそれからふっつり消息を絶ってしまったらしい。
「警察も調べに行ったという話ですが、柿山邸に向かった人だけが悉く姿を消しているようです」
最初の訪問者である水杉が姿を消してから、早一週間が経過している。
「ちなみに、警官からの最後の通信がこれです」
オペレーターは、ICレコーダーをテーブルに置いて、スイッチを入れた。
『たっ、助けてくれ! ゴミ袋が勝手にっ……!』
その後、ガサガサッという不穏な音を最後に通信は途切れ、後はノイズの音が響くばかりだ。
詳しい事は何も分からないが、普通のゴミ袋が勝手に何かをする事はまずない。
「従魔愚神の仕業と見るのも早計かも知れませんが、まるで屋敷に吸い込まれるように人が消えているのも事実です。至急、調査と事態の解決をお願いします」
頷いて立ち上がり掛けたエージェント達に、「あ、それから」と思い出したようにオペレーターが付け加える。
「準備は万全にしていく事をお勧めします」
準備?
何の、と首を傾げるエージェント達に、オペレーターは至極真面目に言った。
「清掃の準備です。当該ゴミ屋敷の散らかりようは、最早防護服が必要なレベルのようですから」
取り敢えず、マスクを忘れると臭いで死に兼ねないらしいですよ。
そう続けられたオペレーターの台詞に、エージェント達は一様に微妙な顔つきになった。
解説
※印…PL情報です。
▼目標
・ゴミ屋敷の清掃(※従魔憑きにつき、一般人ではちょっと無理)
・行方不明者の捜索(※行方不明になってからの期間と従魔の数を考えると恐らくは全員手遅れと思われますが、家族に報せる為の調査をお願いします)
▼登場
水杉高正…二十三歳。役場の職員。ゴミ屋敷と称される柿山邸に、住民の申請を受けて話をしに行った先で、行方不明に。
柿山寛典…九十五歳。親から受け継いだ豪邸に一人で住んでいる。独身。人嫌いで、ハウスキーパーも雇っておらず、邸宅から庭まで散らかり放題。
近所の苦情はスルーし続けていた。現在やはり行方不明。
従魔…イマーゴ・ミーレス級が入り乱れ多数。柿山邸のゴミの山、及びその中にいるだろう害虫(稀に蜘蛛等の益虫)&害獣に憑依中。人間が入ってくると、ライヴスを奪いに掛かる。
攻撃方法は単純で、数に任せて襲い掛かって来る。無抵抗でいると、身体を覆われて遠慮なくライヴスを吸われるので要注意。
撃退方法としては、憑依している対象が破壊、または駆逐されれば消滅する。
警官二名+役場の同僚二名…現在消息不明。調査に向かったのは、警官が三日前、同僚が六日前。
※備考
・敷地面積については、OP参照。
・建物…200平方メートル、三階立て。玄関はホールになっており、二階の通路まで吹き抜け。
正面に階段あり。右手が大広間。左手に行くとリビング、食堂。奥に台所。
二階は主にプライベートルーム一室と客室が二つと浴室・洗面所。三階は展望台一室のみで、使っていなかった為、物置状態。
柿山氏は、従魔達の巣窟になる前には主に大広間で生活していたらしいので、他の部屋よりはマシですが、どこもゴミで埋まってると思って下さい。
マスターより
主体は、ゴミ屋敷のお掃除依頼です。
今年も、例の名前を言ってはいけないあの虫(笑)の季節が近付いていますね。
夏場は私も自室の掃除には一所懸命です。尤も、掃除したその日の夜に出た時は流石に心が折れましたが……。
そんな虫も鼠も蜘蛛も襲い掛かって来るかも知れない従魔退治、ある意味ホラーでコメディみたいな感じですが、放置するとドロップゾーンになり兼ねない状況ですので、一つ宜しくお願いします。
尚、プレイング提出の際には、お手数ですが、マスター自己紹介欄にもお目通し頂ければ幸いです。
皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。
リプレイ公開中 納品日時 2016/06/29 20:42
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/06/24 13:00:48 -
相談卓
最終発言2016/06/24 01:53:04