本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/05/06 22:00
- 完成予定
- 2016/05/15 22:00
掲示板
-
【相談卓】旅のしおり
最終発言2016/05/06 20:22:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/05/01 22:08:31
オープニング
●実は
「悩み事と言うものは尽きない」
劉士文の溜息が深い。
H.O.P.E.と古龍幇の交渉が大詰めを迎えている。
近々、エージェントとの場も設けられることになっており、そこで最終局面を迎えるだろう。
「……劉様」
秘書の1人が気遣い、彼の目の前にお茶を置く。
「……判っているさ。これは予想出来た。だが──」
士文は茶に口をつけ、一言。
親子程年齢が離れていると、流石に考えの全てを見通すことなど出来ないものだ、と。
彼の目にはスマートフォンが映っており、その脳裏には先程まで話していたある『少年』の顔が過ぎっていた。
毎日顔を合わせている訳ではなく、会話に関しても同じであるが、親である『あの方』から息子である『少年』の話をよく聞いていた。
厳つい顔もその時ばかりは綻んで──
●燻る少年
少年はスマートフォンを握り締めながら怒りに震えていた。
「納得出来ねぇ!!」
「落ち着け、晃」
少年、晃へ声を掛けるのは、傍にいた中年の男だ。
強面にスーツとあれば、それだけで子供が泣き出しそうであるが、男はその外見に見合わぬ穏やかな言葉を続けた。
「お前も理解はしているんだろう? どれだけ自分が立てて貰っているか」
「……」
晃は沈黙する。
「お前がどんなに小泉孝蔵の後継者たる息子であっても、小泉組をまともに動かす権利もない17歳の高校生に過ぎないのは事実だ。お前を無視して事を進めることも出来るのに、何故、劉士文がお前へ何度も納得するよう電話をしてきているかを考えろ」
「そうだけど、ヴェルナー、親父はH.O.P.E.の所為で死んだんだぞ、解ってるのか!?」
そう、彼、小泉晃は、小泉孝蔵の1人息子である。
孝蔵は若くに妻を病で喪って以後独り身であったが、長年自身を支えてくれていた女性を後妻に向かえ、老境に差し掛かってから生まれた、孫程も年齢差があるこの息子をとても可愛がっていた。
晃も孝蔵が誇りであり、いつか父親のようになりたいと思い、頭が悪いだけではダメ、腕っ節が弱くてはダメと自分を磨いていたのである。
孝蔵は将来が楽しみだとしながらも、多くを経験するよう言ってきたのだ、が。
「理解している。お前はH.O.P.E.に内通者がいたのが原因だと言うが、古龍幇内部にも手は伸びていた。極秘の話し合いの場が漏れたのがどちらかであるかを正確に確かめる術はない」
「話し合いをしなければ、親父は死ななかった! H.O.P.E.は謝ってないだろ!?」
「それだけで組織が動かないのは知っているな? 感情的な部分は差し置き、お前に声を掛けてくる連中とお前は同じ意見か?」
晃は、その言葉に詰まった。
和議へ反対する自分へ、大人達は声を掛けてくる。
何も協力的な姿勢を見せる必要はない。相互不干渉でいい。和議を結ぶ必要はない。
幇の利益はどこにある。信で繋がる我らは──
違う、違う、違う!
何で、誰も親父のこと言わないんだ!!
まず、そこからじゃないのか!?
行き場のない怒りに震える少年を見、ヴェルナーと呼ばれた男は溜息を吐いた。
●平和的にガス抜きと説得
「……ということですの」
霍凛雪(az0049)が、溜息混じりに事情を説明した。
エージェントを交えての交渉の場へ向けて士文と調整している彼女は、その士文から「ひとり若い幹部が反対しているから説得していただきたい」と言われたそうだ。
その若い幹部とは、小泉晃──小泉孝蔵の息子であり、いずれ小泉組を束ねることになる人物である、と。
「亡き小泉孝蔵氏が束ねていた小泉組も古龍幇へ参加していました。主に関東の勢力ですが、日本でも最大勢力のひとつであるとか。歌舞伎町を始めとする歓楽街には必ず1枚噛んでいますね。能力者も多数いるようですが、香港の戦いに派遣されていることより、関東が手薄である状態である為、何かの拍子に暴走する輩が出るやもしれませんね」
湖残(az0049hero001)が凛雪の説明を補足する。
H.O.P.E.としてはここで停戦だけではなく、古龍幇の合法化や対愚神関係での協力関係も引き出したい、と考えているが、殺された小泉孝蔵の息子が反対の声を上げていると、それも難しくなるやもしれない。
「話を聞いた限りですが、実権はなさそうですね。劉士文が組織全体で見ればまだ若造と侮られる少年へそう声を掛け、こちらへ協力を要請するということは、小泉孝蔵の願いであると判断しているからですか」
「恐らくそうですわね」
蒼 星狼(az0052)が問うと、凛雪は自身も同じ見解と伝えた。
「彼は大人と敬っていた小泉氏の息子にも納得して貰いたいのでしょう。小泉晃は能力者とのことで、その英雄ヴェルナー・デ・ジョルジ氏が劉士文へ内密に連絡してくださったことには、頭では理解している。本気で我々を憎んでいる訳ではない。政治的な思惑もなく、当初の誤解もあって、感情が納得していない。やり場を見出せない、とのことで」
文武両道の、はねっかえり成分ある熱血漢。
引っ込みがつかなくなっている部分もあるだろうが、その心中を洗いざらい吐き、スッキリさせる──所謂ガス抜きが必要。
それは、H.O.P.E.である方がいいというのが士文の判断だ。
「とは言え、私も年頃の男の子となりますと、扱いに困りますわね」
「平和に解決のぅ」
「ジジイ、てめぇ黙ってろ」
ショタジジイ枠のデイ・ブレイク(az0052hero001)がロリババア枠の凛雪と悩むのを見て、星狼が頬をひくつかせる。
「あちらには見極めるよう言っておるなら、一宿一飯はどうじゃろ。確かマクラナゲなる伝統の儀式が友好に良いと聞いた。ならば、わしらもその儀式を行えば良いのじゃ。ま、相手が子供と思うなら、万の言葉より、一の行動をさせて発散させた方が早いじゃろうしな。暴発前に思いっきり発散させるならこの位の方がいいじゃろ」
「あら、聞いたことない儀式ですが……マクラナゲ、何だか楽しそうですわね」
デイの一言に枕投げを知らない凛雪が乗った。
ガチバトルだと肝心の交渉に影響が出る事態に発展しないとも限らない為、平和的に吐き出させるにはピッタリだと判断されたのである。
変に探らず、小細工なしで晃と平和的にぶつかるのが正解の近道であるだろうから。
こうして、晃の接待旅行(?)が早急に決められたのだった。
解説
●状況整理
・小泉孝蔵の息子晃が和議に反対しており、劉士文より説得要請があった。
・凛雪は一泊二日の旅行をし、彼を説得をするようエージェントへ依頼した。
●NPC情報
・小泉晃
言葉よりも態度を感じたい17歳。はねっかえり成分ある熱血漢。文武両道の能力者。
小泉孝蔵のひとり息子であり、とても愛されていた。両親大好き。実権はなくヴィランではない。フリー能力者扱い。
頭で理解しているが感情で理解したくない現状。劉士文より自身の目で見極めるよう言われ旅行へ参加。
母も幼少に死別しており、それもあって父の死が堪えている。
箱根は家族で旅行したことがあり、枕投げも楽しんだとか。勿論覗き初心者。
エージェントへのスカウトは任意(成否はプレイング次第)
・ヴェルナー・デ・ジョルジ
外見年齢40代前半の男性。晃の英雄でブレイブナイト。強面の外見に反し性格は父性的。優しくも厳しい。
晃も彼の前では弱音を吐くらしく、父親の死の報の際には唯一涙を見せた模様。
晃と共に参加、基本的に静観。
・蒼 星狼、デイ・ブレイク
旅行に同行。特になければ描写最低限。
・霍凛雪、湖残
OP登場のみ。リプレイ登場なし。
●流れ
・夕方箱根のある宿へ到着
(日中の観光描写なし)
・温泉に入る
(男女別基本全員一緒)
・食事後枕投げ
(食事最中の描写はほぼなし。枕投げは20人程度の大部屋で布団と40個程度の枕で開催)
・就寝
●注意・補足事項
・エージェント、晃とヴェルナーのみの参加。他の方はいません。
・メインは枕投げですが、温泉時や就寝前に晃へ言葉を掛けるのもOKです。
・指定あればANO(「湯煙の向こうには」OP参照)が共通の敵(笑)として登場しますが、晃巻き込みが絶対条件となります。またメインではない為扱いは軽いです。
・宿に迷惑が掛からなければ枕投げのルールは任意。
・大事なのは晃のガス抜きです。趣旨逸脱厳禁(他に任せて個別でイチャイチャ過ごす等の行動は出来ません)
マスターより
こんにちは、真名木風由です。
今回は東嵐大規模連動後日談シナリオのひとつを担当します。
小泉孝蔵のひとり息子が燻っているようです。
今彼に必要なのは言葉ではなく、感情の持って行き場です。心にあるものを吐き出させてあげてください。
この為、メインとして枕投げとなります。枕投げの成功なくして晃の説得成功はありません。
変に小細工せず(実権がない為部下はなく、何か仕掛けてくることはありません。探り系は晃の心象が著しく悪くなります)楽しく平和的にガス抜きさせて、小泉孝蔵が本当に願っている方向へ彼を導いてあげてください。
皆さんにとっても晃にとってもいい一夜になりますよう。
それでは、お待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/05/14 06:48
参加者
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【相談卓】旅のしおり
最終発言2016/05/06 20:22:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/05/01 22:08:31