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戦闘

黒猫の怨念、逆さ猫祭り

時鳥

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/05/06 19:00
完成予定
2016/05/15 19:00

掲示板

オープニング

●猫祭りとは
 フランスとの国境付近にあるベルギーのとある町。そこでは3年に一度、5月に猫祭りと称される催しが行われる。
 その町へ、タオ・レーレ (az0020)とその英雄ゼファー・ローデン(az0020hero001)はやってきていた。と、言うのもH.O.P.E.にこの町近辺に怪しげな黒い大きな影を見かけるという噂が舞い込み、近くを通った者に状況確認のお願いがなされていたからだ。
 もしかしたら何か強い愚神や従魔が潜伏している可能性もある。より強さを求めるのであれば実践に身を投じて行くのが一番。少しでも動きがある場所に足を向けるべきだ、とタオは考えていた。
 時刻は夕方、これから徐々に赤い空を闇が侵食していく時間。二人は並んで町の中に怪しい影がないか、と見回っていた。
「なんか祭があるって聞いたけど、全然そんな雰囲気ないね」
「猫祭りのことか? それなら今年は開催されないぞ」
「えっ!」
 ぽつり、と呟いたタオの言葉にベルギーで有名なポテトを口に運びながらゼファーがさらっと答える。予想していなかった言葉に驚きの顔で振り返るタオ。
「猫祭りは3年に一度しか開催されない。そしてそれは昨年開催された、つまり……」
「そっかぁ……あ、で、でも遊びに来たわけじゃないから! 修行しにきたんだし!」
 意味ありげに額に手を当てて言葉を途中で切るゼファー。その様子に慣れているタオは残念そうな表情を浮かべた後すぐ首を横に揺らして本来の目的を自分に言い聞かせる。
「そもそもタオが想像している猫祭りとここの猫祭りは違うものだぞ。ここの猫祭りの発祥は魔女裁判があった時代まで遡る。その時に魔女の象徴の黒猫を飼って可愛がっていた人たちが魔女裁判を受けないために高いところから猫を落として殺した。それを弔うための祭りを毎回開催しているわけだ。猫の仮装やその由来の話をモチーフにしたパレード、最後には猫のぬいぐるみを高いところから落とす、という一連の流れがある」
「ゼファー君、なんでそんなこと分かるの? っていうか、随分詳しいね」
「フッ、この俺にかかればタオの考えていることも、祭のことも分からないことなど――俺のポテト!」
 得意げに長々と話し続けるゼファーの持っているポテトに手を伸ばし勝手に食べるタオ。そういう話は聞く気がない。いつものことだ。そしてゼファーの後ろポケットにはこの町のパンフレットがはみ出ていることにタオは気が付いていた。二人は今のところ不穏な空気など何一つ感じていない。そう、今、は。

●黒き怨念
「なに? 赤ん坊?」
 ゼファーのポテトを食べ終わった頃、そろそろ宿にでも戻ろうとしていたタオの耳が甲高い泣き声を捉える。それは赤ん坊が癇癪を起して泣いているような、けれど、複数の猫の鳴き声のような。
 それは徐々に二人に近づいてきていた。声が大きくなるに従って、それが泣き声と鳴き声が混じっているものであるとタオは理解する。その声が唐突に止まった。音がする方へ目を凝らすと殆ど日が落ちた暗闇の中、金色の小さな双眼が6つもタオ達に向けられる。
「――っ! なんだ、猫か。このくらいで驚く俺ではない。だが、タオを驚かせた罪、俺が償わせてやろう」
「あ、待って、ゼファー君!」
 一瞬息を飲むがすぐにそれが猫であると判断したゼファーは安易に猫へと突撃していく。猫なら勝てる、そう判断したのだが――タオは赤ん坊の声がしていたこと、そして言い知れぬ不安を覚えてゼファーを止めようとした。
 けれど、それは遅かった。目の前の闇が濃くなりゼファーの姿が掻き消える。いや、違う。暗闇と見えたのは漆黒の艶やかな獣毛。そして大きな金色の瞳が二つ、タオの眼前に現れた。ほんの少し隙間から白く鋭い犬歯も覗く。つまりゼファーは呑み込まれたのだ。この大きな黒い獣に。
「ゼファー君を返して!」
 タオの声に大きい獣は身を起こしその全容を星の出始めた夜空の元に晒す。二本の尾、三角のピンと尖った獣耳、金色の双眼、丸く大きな腹。月の光を反射する黒く艶やかな毛を纏った巨大な猫。
 その姿に町のあちこちから悲鳴が聞こえる。その混乱を見下ろして黒猫は喉を鳴らした。
「怯え叫ぶがいい、人間どもよ。今宵蘇りしは遠い昔の恨み。塔の上から落とされた何匹もの怨念。その恐怖を存分に味わうがいい」
 地に響くような楽し気な声。悲鳴が上がる度に心地よさそうに耳を揺らす。その足元には赤ん坊を咥えた3匹の黒猫。普通の猫より二回りは大きい。
「まずは弱き幼子を同じ目に合わせ、最後には全て食らい尽くしてやろう」
 その巨体な黒猫の一言に三匹の黒猫は四散した。
 タオはその様子に歯を食いしばる。ゼファーが居なければ共鳴することもできない。他のエージェントが居れば……。しかし、目の前の敵から逃げることなどタオは出来ないのだ。彼女は金色の瞳で大きな獣を見据え、たとえ敵わないと分かっていても拳を構えた。

解説

●目的
巨大な黒猫のデクリオ級愚神1体の討伐、もしくは撃退。ゼファーの救出。
黒猫のミーレス級従魔3体の討伐、赤ん坊の救出。

●黒猫愚神について
巨大な黒猫。大きさは6メートル前後。大きい膨らんだ腹をしている為移動はしません。
攻撃を仕掛けるまでは愚神から攻撃を仕掛けてくることはありません。が従魔が目的を達成すると近くの人間を呑み込もうとします。

ある程度ダメージを受けると巨大な体を維持できず呑み込んでいたすべてのものを吐き出して普通のサイズの猫になります。
普通のサイズになってしまうと戦闘能力がガタ落ちするので撤退を図ります。
・攻撃方法は牙、爪、二つの尻尾。
・呪いの鳴き声:魔力を込めた呪いの鳴き声。耳にすると脳内に直接響きダメージを食らう。

●従魔について
怨念から生まれし三体の従魔。咥えている赤ん坊をより高い建物の上から落とすことに専念しています。反撃はしてきませんが、素早い動きで逃げ回ります。
従魔が目指す場所は愚神から10メートル離れた鐘楼です。三匹とも同じ場所を目指していますが、ルートがバラバラとなりヨーロッパの街並み特有の狭い路地を駆け回っていきます。
また赤ん坊を奪還すると攻撃を仕掛けてきます。
・攻撃方法は牙、爪。攻撃力は低く単調な攻撃をしてきますが、素早さは高いです。

マスターより

こんにちは、時鳥です。
タオ・レーレとゼファー・ローデンをお預かりしましたので、彼女たちが関係するシナリオを、ということで今回は戦闘となります!
町に来ている理由は何でも構いません。タオと同じく噂の確認に寄っていた、偶々居た、など。
戦闘シナリオは初となりますが、タオとゼファーをどうぞよろしくお願いします。

関連NPC

  • 武道乙女
    タオ・レーレaz0020
    人間|19才|女性|命中適性

リプレイ公開中 納品日時 2016/05/14 20:20

参加者

  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • おうちかえる
    クー・ナンナaa0535hero001
    英雄|12才|男性|バト
  • もふもふの求道者
    來燈澄 真赭aa0646
    人間|16才|女性|攻撃
  • 罪深きモフモフ
    緋褪aa0646hero001
    英雄|24才|男性|シャド
  • 乱狼
    加賀谷 ゆらaa0651
    人間|24才|女性|命中
  • 切れ者
    シド aa0651hero001
    英雄|25才|男性|ソフィ

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
  • Twinkle-twinkle-littlegear
    唐沢 九繰aa1379
    機械|18才|女性|生命
  • かにコレクター
    エミナ・トライアルフォーaa1379hero001
    英雄|14才|女性|バト
  • 対ヴィラン兵器
    鬼灯 佐千子aa2526
    機械|21才|女性|防御
  • 危険物取扱責任者
    リタaa2526hero001
    英雄|22才|女性|ジャ
  • ひとひらの想い
    浅水 優乃aa3983
    人間|20才|女性|防御
  • つまみ食いツインズ
    ベルリオーズ・V・Raa3983hero001
    英雄|16才|女性|ジャ

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