本部
月下に佇む白猫は
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/30 12:00
- 完成予定
- 2015/10/09 12:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/28 22:35:03 -
白猫退治
最終発言2015/09/29 22:16:23
オープニング
●黄金に浮かぶ黒い月
なーおん。
暗闇の公園で声がする。
なーおん。
楽しそうな、寂しそうな、誘っているような、拒んでいるような。そんな不思議な声がする。
なーおん。
「……猫の声?」
ふと耳に届いた声に、足早に道を進んでいた女は歩みを止めた。もうすっかり夜も更けた時刻である。周りに人影はなく、まばらな街灯が夜の街にポツンと佇んでいるのみだ。
そんな夜更けに、猫の声がした。聞き間違いかと巡らせた視界に、真っ白い何かが横切る。同時に聞こえた、言葉通りの猫なで声。
なーおん。
「あら。ふふっ、こんばんは。夜のお散歩かしら?」
「なぁーん」
真っ白い塊の正体は、真っ白い毛皮を持った猫であった。その姿を認めた女の表情がふっとやわらかいものとなる。女は無類の猫好きなのだ。日々の仕事に疲弊していた精神が、ふわふわとした小動物を見ることで、ゆるゆると癒されるのを感じる。
猫は女の姿を見ても逃げることはなかった。それどころか、誘うような目を向けているような気すらする。女は迷わず、夜の公園へと足を踏み入れた。白猫が、黄金色をした眼をすっと細める。
「おまえ、人懐っこいねぇ。綺麗な首輪もつけてるし、どこかの飼い猫さんかな? ふふふっ、白い毛と金色の眼に、赤い首輪が映えてるね」
逃げる気配のない白猫を前にして、女が視線を合わせるようにしゃがみ込む。白猫は、ただ静かに佇んで女の行動を見守っていた。
「ねぇ、ちょっとだけ撫でてもいい?」
あまりにおとなしい白猫の様子に、女が思わずといった様子で声をかける。その言葉を理解したのかしていないのか、白猫は徐に立ち上がって女の下へと近付いてきた。長い尻尾がゆらゆらとたのしげに揺れている。
なーおん。
夜更けに猫の声がする。誘うように、媚びるように、たのしげに、愉しげに。
なーおん。
黄金の瞳に浮かんだ黒い月が、きゅうっと細く鋭くなった気がした。
月明かりの下で、白猫が、わらう。嗤う。
女の意識はそこで途切れた。
●白い猫の正体は
「以上が、被害者女性の証言です」
そう締めくくって資料から顔を上げた青年は、険しい表情のまま会議室の面々を見渡した。
「この女性は5日前事件に遭遇し、2日前意識を取り戻しました。被害が比較的軽度だったためか回復も早かったようで、意識レベルも安定しているようです」
幸運なことです、と零れ落ちた言葉は、きっと無意識のうちに発せられたものなのだろう。それは被害者女性に向けての言葉なのか、報告が早かったことに対することなのか。青年の表情からは読み取ることができない。
「この証言のおかげで事件の早期解決に至りました。こちらの資料をご覧ください」
青年が視線と手振りで示したのは、会議室に備え付けられたホワイトボード。すでに幾つか貼り付けられている資料の一つを示して、手元の資料にも視線を落とす。
「事件現場はこちらの公園ですね。見ての通り、この事件以外にも幾つか被害が出ているのがお分かりかと思います。霊力を全て食われた上で死亡している方もいることから、愚神、もしくは従魔の犯行と見て捜査していましたが、被害者女性の証言でホシが割れました」
そこで一旦言葉を切って、ぺらりと資料をめくる。
「証言から、相手は猫を依代にしたミーレス級、またはデクリオ級の従魔であると想定しています。先ほどの被害者女性は、夜間の公園で猫の声を聞き、それに引き寄せられたと語っていますが、他の事案でも同様の手口で被害者を引き寄せたと考えてよいでしょう。また、事件が全て公園で起こっていることから、この従魔は公園をドロップゾーン化しようと目論んでいると思われます。幸い、まだドロップゾーン化はしていないようですので、そちらの対応は考慮しなくても結構です。尚、依代の猫は第一被害者と思われる女性が飼っていたものと考えられていますが、依代がまだ生きてるかどうかはわかりません。我々としてはすでに手遅れであるとして行動していただきたいと思っています」
淡々と言葉を口にしていた青年は、説明を終えると手にしていた資料を台に置いて、もう一度会議室を見渡した。
「エージェントの皆様には、この従魔を撃退していただきたい。今回の相手はかなり強かであると思われます。相手の姿に惑わされないよう、これ以上被害者が出ないよう、心して任務遂行にあたってください。それでは、H.O.P.E.の能力者である誇りをお忘れなきよう。皆様の成功を、陰ながら祈っております」
解説
●目的
白猫を依代とした従魔を倒す。
●公園について
全体の広さは30スクエア程度。駐車場は無い。芝生ではなく土の地面で、雑草類は適度に刈られている。
公園には滑り台、ジャングルジム、砂場、スイング遊具×2のある広場スペースと、ちょっとした林のようになっているスペースがある。内訳は広場が12スクエア、遊具が3スクエア、林が15スクエア。
●敵について
敵は白猫の姿をしている。
特徴は、真っ白い体毛と金色の眼、革でできた赤い首輪。
住宅街の傍にある公園に出没。出没する時間帯は、被害者の死亡推定時刻や目撃情報により、午後10時から午前3時の間である。昼間はどこに潜んでいるのかわからず、また、通常の猫との見分けもつきにくいので、昼間に目標を発見し撃破することは困難であると思われる。
尚、敵は普通の猫と見分けがつかないことを熟知しているので、接敵しても普通の猫を装う可能性がある。対応策を講じること。なんの策も持たず敵意を持って近付いた場合、逃亡する可能性もある。注意されたし。
また、依代となっている白猫に関しては、すでに手遅れであるとして挑むこと。
マスターより
どうもでっす。
猫かわいいですよね、猫。抱き上げると液体みたいにでろんとなるところが好きです。虹彩をよく見ると複雑な色合いをしているのも好きです。え? それにしては扱いがひどい? ソンナコトナイヨ!
そう言えば、黒猫って何かと不吉な象徴にされてますけど、とある国では幸運の象徴なんですってね。私は好きですよ、黒猫。暗いところで眼だけが光ってるのとかはびっくりしますけど。
今回の敵は白猫なので、暗がりから奇襲・急襲されることは避けられそうですね。白い毛って、月の光の下でもかなり目立ちますし。
それでは、宜しくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2015/10/04 15:33
参加者
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最終発言2015/09/28 22:35:03 -
白猫退治
最終発言2015/09/29 22:16:23