本部
広告塔の少女~その手を重ねて~
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 3日
- 締切
- 2016/03/29 19:00
- 完成予定
- 2016/04/07 19:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/28 00:35:41
オープニング
「みなさんこんにちわ、西大寺遙華です」
はるうらら。日本では桜も咲きつつあるこの季節。遙華はマイクを片手に歩道を歩いていた。
「みなさんを部屋に閉ざすような冬が終わりをつげ、徐々に活動しやすい季節になってきたわね。今まで外出を控えていた人も、思わず遊びたくなっていたりはしないかしら」
そう言うと遙華は立ち止まる、するとその背後に映りこむのは。大きな輪。それに等間隔でゴンドラが取り付けられている。
そう観覧車である。
「そんな人たちは、隣を見てみて。一緒にテレビを見ている人の手を取って外に飛び出してみましょう。きっと楽しいことがたくさんあるはずよ」
遙華は言葉を続ける、映像は切り替わり、各種アトラクションが稼働している映像になった。
BGMと一緒に遙華の声が響く。
「今日は私、都内の某遊園地に来ているわ。やっと雪もなくなって稼働再開したての遊園地」
アトラクションは、コーヒーカップやメリーゴーランド。ミラーハウスにジェットコースターなど、定番の物は一通りそろっている。
「遊園地って、基本大人数で来るわよね。一人で行く人はあまりいないと思う。それはきっと楽しい時間を楽しい人と共有したいからだと思うの」
そして共有した時間を重ねれば重ねるほど、その人はあなたの大切な人になっていくのよ。
そう遙華は自分に言い聞かせるように優しく言った。
「でも、大切な人って、身近にいる人じゃない? 私たちはほとんどの場合、身近にいる人たちを雑に扱いがち。
でもね、きいて……たまにはね。その人たちに自分の思いを伝えないと。きっとその関係は大変なことになってしまうと思うの」
親しくなると、なぜだろうか。最初のころは言えていた言葉が恥ずかしくなることがある。
それはきっとお互いを尊重し、分かり合おうとする努力を、徐々に徐々にやめていってしまうからだと遙華は言った。
つまり、ある程度関係が進み、現在、ある程度理解しあえているのだから、それ以上深くは知ろうとしなくなる、かかわろうとしなくなる状態になるということ。
けれど、世の中とは非情なもので、変わらないものなどなく、変わらないのは変わるものなどないというルールだけ。
関係性もまた同じ、変わらないと錯覚して何の努力もしなければ、あとは離れていくだけになってしまう。
そう、本来であれば、いついかなる時も、誰かと理解し合う努力を怠ってはいけないはずなのだ。
そんなような内容を遙華はカメラに向かって訴えかける。
「ねぇ、みんな。努力を怠っていない?」
「大切な人に大切だって言う。大好きな人に大好きだっていう。その行為を、忘れてしまってはいない?」
「もし忘れているのだとしたら。隣にある手を取って、一緒に外に出かけてみてそしてなんでもない特別な日を過ごすのよ。そしてそれが明日も続けばいいなって思うなら、言わなくちゃ、その言葉」
「でも私はわかるわ。その気持ち、照れくさかったり、いまさら真面目に言ったら、変に思われるかもしれないものね。
だったら。もしそれができないのだというなら。私たちがお手本になるわ」
そう言うと突如場面が変わり。遊園地の前に場面が映る。
そこにずらっと並ぶリンカーたち。
つまり君たちが並んでいる。
「私達リンカーは常に隣にその人がいるの。大切な人。関係性はさまざま。友人、恋人、憧れ、家族。いろいろある。けどその人たちはこの世界の住人ではないわ。
異世界から来た、文化も考え方も違う人たちなの。けどね。絆を結んで、苦難を何度も乗り越えて、今ここにいる。
けど、久しくありがとうを言っていないと思うの。言っていたとしてもそれは軽いありがとうだけ」
遙華はリンカーたちをみつめた、そしてリンカーたちに言った。
「ねぇ、みんなも本当は言いたいこと、あるんじゃない? というわけで今回は、ありがとうを言えるチャンスをあなた達にあげる、感謝しなさい!」
そう遙華はリンカーたちに『遊園地一日フリーパス』を手渡していく。カラフルな紐状で。バーコードが書かれており、乗る際にかざすと。乗ったアトラクションの履歴が最後にもらえる。
そんなちょっとしたサービスが付いているフリーパスだった。
「あなた達『ありがとう』を言うためにここに集まったのよね? だったら今日一日。閉園時間までに『ありがとう』を相棒に伝えなさい。
伝えた人から晩御飯を食べられます。
あと、ちょっとしたサプライズとして、お好みのハプニングをグロリア社の力で発動可能よ、事前に申告して、活用して。
じゃあ、すた……。え? お手本? 無理よ。私、台本をそれっぽく読むので手いっぱいなのにこれ以上恥ずかしい思いさせるつもり?」
遙華はカンペを凝視した。
「え? むり、ロクトに? 無理よ。私感謝してないし。むりむりむり」
一向に首を縦に振らない遙華に痺れを切らしたロクトはため息をついて。カメラの前に現れた。
「遙華」
「どうしたのよ、ロクト」
二人の間に微妙な空気が流れる。二人ともにらみ合ったまままったく動かない。
しかし、先に口を開いたのはロクトだった。
「遙華、私ね、思うのよ。私がいなかったらどうなっていただろうって」
「どうせ、友達も一人もできなかったって言うつもりでしょ?」
「いえ、違うわ。私がいなくてもあなたはうまくやれていたはずよ」
「え?」
遙華は言葉を失った。
「あなたはまじめすぎたのよ、世間知らずだし。肝心なところでミスをして不評を買うのも得意よね。けど最近はなくなってきてる。それはあなたの努力の結果」
「違うわ、全部、ロクトに言われて直そうとして、それでやっと……」
「違うわ、遙華、あなたの努力はあなたの物よ。そしてあなたはいずれ遅くなっていたかもしれないけど。同じ努力をしていたはずよ」
ロクトは言う、遅かれ早かれ同じ状況にはなっていたと。
「だから今、友達に囲まれているあなたを見ると、誇らしいわ。私の可愛い遙華がたくさんの人と仲良くできていることが」
遙華は六か月前までは、誰も友達がいなかった。
グロリア社のショップに立って声をかけるだけ、返ってくる声はない、そんな一日だった。
けれど今はたくさんの友人に囲まれている。
「だから、ありがとうを言いたいのよ。私の厳しい言葉に耐えて、一緒にここまで来てくれて『ありがとう』。あなたは魅力的よ、もっと輝けるはずだわ」
そうロクトは言うと、遙華に微笑みかけた。
「そしてこれからもよろしくね」
「ええ……、ロクト……。わたし、わたし頑張るから!」
そう遙華は目を輝かせてロクトをうっとりと見つめた。
『ありがとう』作戦大成功である。
「こんな風に、最悪英雄から能力者に向けての『ありがとう』でもいいわ。ではみんな、検討を祈ります」
そうロクトは注意事項を口にすると、番組開始の鐘の音がなった。
遊園地の扉が今開く。
解説
*番組主旨
最近くらいニュースでお茶の間が冷え込んでいるので、明るくするための番組です。
要は、見ている人の胸がほっこりすればいいのです。
*遊園地について
平日なので人はあまりいません。
一般的なアトラクションは大体ありますが。
ジェットコースターが三種類。グルグルと大回転させられる奴と。腰を固定して両手両足をぶら下げた状態で走る奴、そして高いところから水に落されるものがあります。
あと、名物はチョー怖いお化け屋敷です。
変わり種としては、花で作られた迷宮。コスプレ撮影スタジオ。遊園地内通貨を使用するカジノ。カラオケ。お土産屋さんは二十軒。レストランは和洋中の三種類。
*ハプニングについて。
ハプニングを演出できます。その後でならタイミングもいいので思いを打ち明けやすいのでは?
例えば黒づくめの男に相棒を攫わせたり。観覧車を天辺で止めたり、。手紙を渡したり、雑用を押し付けたり。意外と幅広く対応できます。
*カメラについて
超小型浮遊カメラを使っているので、カメラを意識せずに遊ぶことができる。
今回は番組形式ですが、それがやりづらいという方は、英雄や能力者には内緒でこの企画に参加することが可能です。
その場合は遊園地の中で待機していて、相手は何も知らない状態であるところからスタートです。
*遙華たちについて。
遙華とロクトは常にこの遊園地内を巡回してます、助けが欲しければ事情を話すと協力してくれるでしょう。
遙華は遊園地が初めてなので、アトラクションい誘うととても喜びます。
*グループ行動について。
リンカーたちは二人一組で行動する必要はありません。大人数で遊園地を楽しむのもありです。
*ありがとうについて。
基本的には能力者から英雄にありがとうですが。英雄から能力者にありがとう、でもいいですし。
変則的ですが。別のエージェントへのありがとうも認めます。
マスターより
今回のテーマは感謝。
ここで能力者と英雄。二人の絆を強めて、激化する戦いに臨んでください。
そして今回は、さまざまな方の要望に応え、相談日数を少なくしてみました。
三日です、注意してください。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/04/02 16:30
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最終発言2016/03/28 00:35:41