本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 8~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/25 22:00
- 完成予定
- 2016/04/03 22:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/03/25 10:25:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/21 19:44:50 -
質問卓
最終発言2016/03/24 23:04:12
オープニング
●希望の船
香港での戦闘に伴い、横浜港より数隻の船が出港した。
軍艦、武器を積んだ輸送船、そして多数のリンカー乗組員からなるH.O.P.E.の船団である。
香港支部への援軍派遣を主眼としたそれは、言うまでもなく大規模作戦にて最大限機能するべきものだ。
然るに到着は前提にして必須、事前に危ぶまれる事などあってはならない。
幸いにして出港時は天候に恵まれ、予報上も時化などの気配はなく、順調な航海が期待された。
だが、忘れるなかれ。
全てを得んとする者は、全て失う覚悟をしなければならない事を――。
●司令室
「ハール(海霧)ですって? 聞いてないわ!」
テレサ・バートレット(az0030)は苛立たしげに天気図が表示された気象予報のモニターにかぶりついた。
H.O.P.E.の船団が小笠原諸島沖に差し掛かった途端、この海域に濃霧が立ち込めたのだ。
仕事を奪われたスタッフがおろおろと見守る中、何度確かめてみても現時刻に霧が発生する見込みは、ない。
「待ってテレサさん」
ミュシャ・ラインハルト(az0004)がそれを制する。
船窓を見遣り、あたかも異界へ紛れ込んだかの如く薄ら寒い光景に、眉をひそめ。
「……タイミングが良すぎると思わないか?」
「同感だ。恐らく――」
「小笠原諸島周辺のライヴス濃度急激に上昇中!」
「――ね?」
頷く圓 冥人(az0039)の示唆を、ほぼ同時にレーダー技士が補完した。
「前方より所属不明船舶数隻、及び二十――五十――夥しい数のライヴス反応が接近中! 従魔です! ミーレス級からデクリオ級相当! 更に高ライヴスの個体が二点。うち一方の波形は生駒山近郊、並びに明石海峡大橋のデータと酷似!」
即ち――ヴォジャッグ!
「最悪の船出ね」
「まだ生きてたのか……!」
「で、もう片方は? そっちもモヒカンなのか?」
「データありません、ただしケントゥリオ級と推定――」
●海の絶望
「――ククク、これで奴らは死んだも同然」
そのケントゥリオ級の愚神ことキャプテン・リーチは、船の甲板に立ち、邪に口元を歪めていた。
自らが展開した霧のドロップゾーン、その首尾に満足して。
今から襲い、奪い、踏みしだける事に満悦して。
やがて、彼は右手代わりの巨大なフックを掲げる。
「よォし野郎ども! 何から何まで奪ってこォい! 皮も、爪も、髪の毛の最後の一本まで余さずむしり取ってきやがれぇぇ!」
リーチの威勢の良い号令に伴い、ボロボロに傷んだ胡乱な船が、大砲を積んだボートが、無数の大きな魚影が、首なしライダーの集団が、そして――
「へっへっへへへ見てやがれあのエージェントのクソ虫のクソ以下のクソにも劣る最悪のクソから生まれたクソオブクソどもぉお――クジラの餌はやめだ、どいつもこいつも片っ端からぶっ潰してぎっちぎちに丸めてクジラに玉芸仕込んで見せびらかしてやるずぇぁああ――!!!」
そして、ヴォジャッグが。
耳障りな声で罵詈雑言を並べ立てながら、暴虐的なカスタムを施した水上バイクを悪辣に唸らせ――進撃を開始した。
「ヒィイイイヤッハアアアアアーーーー!!!」
●そよ風に告ぐ
ヴォジャッグに率いられ――るまでもなく、水上バイクの首なしライダ-が、大砲を積んだ小船を漕ぐ髑髏が、鮫と思しき魚影が、群れを成して、あるいはばらばらに、いずれ指差し確認では全く追いつかぬほどの大挙を以ってH.O.P.E.の船団へと迫る、迫る、迫る。
「総員第一種戦闘配備!」
出航間もなくの危急にある者は慌てて、ある者は努めて平静を保ち、出撃に備える最中―ー
≪みんな聞いて≫
おもむろに、艦内放送で若い女性からの呼びかけがあった。
≪あたし達の任務は援軍を無事香港に送り届ける事。それは船や武装、物資だけじゃない、むしろ艦長をはじめ航海士、機関士、通信士、部員、整備士、調理師、船医、エージェント――乗組員ひとりひとりこそが、大切な援軍なの。だから――“特務エージェント”テレサ・バートレットの名において命令……いいえ。厳命するわ≫
言葉が区切られる頃、俄かに忙しない空気が止み、誰もが耳を傾けている。
≪生き残りなさい≫
やがて言い放たれたのは、厳命と前置いたにしては青臭い、だが戦場において誰もが理想とする切なる願い――希望だった。
≪敵の狙いはH.O.P.E.の戦力を削ぐ事。つまり、誰か一人でも欠けたならその時点で負けたも同じ。裏を返せば――生きてさえいればあたし達の勝利よ!≫
●ラストスタンド
「……そうよ。生きてさえいれば、どんな事だって取り返せるの、やり直せるの。いいわねみんな! 命令違反したら許さないんだから! 以上っ!」
テレサは放送系をジャックした通信機を一方的に切ると、ふーっと息を吐き、それから同じチームの皆に、また同じ任にあたる他のチームに、どこか申し訳なさそうな笑顔を向けた。
この場に会す者達の任務は、冥人達がヴォジャッグとの戦いに集中できるよう取り巻きの従魔を引き付け、手当たり次第倒す事。
平均八組からなる三つのチームに対し、敵従魔の数、およそ三百。
共鳴状態のリンカー二名につき、都合二十五体片付ければ良い。
一人が十三体の相手をすればおつりが来る計算だ。
たったそれだけの、ただ単に敵の数が多いだけの、シンプルな内容。
異界探索における修練と思えば、どうという事は。
だが、討ち漏らしたならヴォジャッグへの増援を許すばかりでなく、船団の被害も避けられまい。
そして――
「綺麗よね、小笠原諸島って。確か自然遺産だったかしら」
不意に、テレサが口を開いた。
「人も、住んでるんだっけ」
つまり、無辜の民がどうなっているのか心配なわけで。
「じゃあ、やっぱり勝たなくっちゃね」
一歩たりとも退いてやる必要はない。
土地も、海も、命も、愚神や従魔の蹂躙を許す物など何ひとつ存在しない。
海風が、霧を吹き付けて皆の髪を、肌を湿らせる。
見下ろせば、真新しいALブーツもすっかり結露していた。
霧の向こうからはエンジン音、下品な雄叫び、怒号、それに、やはり水音。
波紋が、広がる。
波が押し寄せる。
そうだ、前を、敵を見なくては。
「さ――征きましょ」
エージェント達は霧の海を駆ける。
人を助ける――やはりシンプルな、いつも通りの仕事をする為に。
最後まで立ち続ける、ヒーローである為に。
解説
【はじめに】
こちらは紅玉MSの『【東嵐】Qui Iniuria』と相互に影響し合いますが、独立したシナリオとしてプレイングを取り扱います。
他のシナリオ参加者との連携は無効となりますのでご注意ください。
【目的】
従魔300体の迎撃。
参加者が相手取るのは100体。他は無名NPC2チームが担当。
従魔殲滅、またはヴォジャッグ撃退ないし撃破に伴う従魔撤退までの戦線維持を想定。
戦死者発生、または船団の被害が一定以上で失敗。
【状況】
小笠原諸島沖、日中。
最初の交戦地点は大小の岩礁が点在する浅瀬。
前方は島々、後方にH.O.P.E.船団。
霧のドロップゾーンにより視界悪く遠距離攻撃にマイナス修正。
積極攻勢を怠ると従魔の一部はヴォジャッグの援軍に。
討ち漏らせば船団に被害発生。
【敵従魔戦力】
・朧族(水上バイクver):
改造バイク+首なし骸骨(合わせて一体)、デクリオ級相当。
メイスタイプ×15、ボウガンタイプ×5、アーマータイプ×5。
単独行動の者、徒党を組む者など様々。
スキル『ロードキラー』
→暴走移動。通過点の対象に攻撃判定発生、命中時1d4スクエア後退。
・飛ばし屋ども:
大砲を積んだ船+骸骨×5、ミーレス級。25体=5隻。
後衛、移動速度低。
射程に入り次第エージェント及び船団を砲撃。
大砲は射程50、効果範囲8、【衝撃】【気絶】付与。
接近時は曲刀で応戦。
・グラスプ:
腐乱した鮫型従魔、ミーレス級。50匹。体長3mほど。
海中より襲撃、負傷者の血臭を正確に察知。
攻撃手段は噛み付きのみ。射程1、【減退】付与。
【テレサ(&マイリン)】
後方より援護射撃。
状況次第で前進(目安として戦況悪化時ほど出番多し)
装備以外はマイページと異なるデータ使用。
【その他】
・海上戦につきALブーツ及びヘッドセット通信機貸与
・参加者の戦況が無名NPCの士気に影響
・重体・死亡の可能性あり
マスターより
藤たくみです。
あえて申し上げます。
たとえ重体中の出発になったとしても判定上手加減はできかねます。
場合によっては悲惨な結末となる可能性もありますが……できる事ならそんな描写はしたくありません。
ご自身の特性を踏まえ、どのように攻め、いかに守り、また生き延びるか。
本気でお考えいただけますと幸いです。
ご参加お待ちいたしております。ご武運を。
※今回の霧のドロップゾーンは人間に対する支配が不完全です。支配されないものとお考えください。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/04/11 18:54
参加者
掲示板
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相談卓
最終発言2016/03/25 10:25:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/21 19:44:50 -
質問卓
最終発言2016/03/24 23:04:12