本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/04 22:00
- 完成予定
- 2016/03/13 22:00
掲示板
-
短き暇、現を抜かして…
最終発言2016/03/04 18:11:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/01 21:21:20
オープニング
●録音記録
――これはこれは、いの一番にバートレットの秘蔵っ子とまみえるとはな。
「小泉……孝蔵!?」
――落ち着きなさい、お嬢さん。丸腰だよ。
「……古龍幇の重鎮が一体なんのご用かしら。観光ならよそへ行ったら?」
――ナイトのご息女ともあろう者が年寄りを邪険にするのは感心せんな。
「茶化さないで」
――……やれやれ、では単刀直入に言わせて貰う。今日は君のお父上――否、H.O.P.E.会長ジャスティン・バートレットに我々の意思を伝えに来た。
「まさか休戦の申し出なんて言わないわよね」
――そのまさかだ。
「……? どういう風の吹き回し?」
――古龍幇は総体こそ巨大だが一枚岩ではない。近頃は――わしもその一人だが――愚神どもとの付き合い方を見直そうとする、謂わば穏健派も少なくないのだ。あの日、生駒山の虚空より出でし巨大な腕を見て以来……な。
「……“滅びの腕”」
――あんなものを目の当たりにしてなお愚神と折り合い、あまつさえその力を利用しようなどと考えるのは如何なものかと思うがな。それで、ついてはジャスティン・バートレット宛に手紙をしたためて来たのだが……。
「届ければいいのね?」
――ほう、信じるか。
「ミスター小泉、あなたがフェアな人なのは今の会話で充分判ったわ。あたしだってできる事なら血を流したくないし、流さずに済む可能性を潰すわけにはいかない。そして信じるかどうか判断するのは、パ――……会長の仕事よ。さあ、手紙をこちらに」
――待ちなさい、物事には順序がある。
「……まだ何かあるの?」
――テレサくん、君の――“正義のヒロイン”の高名は耳にしている。
「何の話かと思えば。悪名の間違いじゃない?」
――まあ、わしらのような日陰者にとってはそうなるな。だが、いずれにせよそれは君個人、あるいは君の血統に対する評価だ。
「仕事でパパを頼った事は一度もないし、あたし一人の手柄でもないわ」
――知りたいのはそれよ。わしはな、H.O.P.E.という枠組の実態を自分の目で確かめたい。もちろん、信頼に値するかどうかもな。この限りにおいて、バートレット家の介在は色眼鏡にしかならん。
「何もするなって事?」
――そうは言わない。むしろ協力して欲しいぐらいだ。ふむ……まずは、そこの洋服店で外套でも…………――。
●退屈な午前十時
国際会議護衛の為に要塞機構が切り離され、香港目指して出航した。
とは言うものの、当然ながらH.O.P.E.一支部としての機能――有り体に言えば“世界平和の為の何でも屋”の窓口は依然残されたままであり、然るに少なくない人数のエージェントもまた、いつ舞い込むとも知れない依頼に備えて、また不測の事態に備えた予備戦力として、この東京海上支部と共に留守を預かる事となった。
だが、閑古鳥というのは、こうした時ほど鳴きたがるもので。
つまり、暇だ。
暇は潰さねばならず、潰すには一時凌ぎであれ目標が必要となる。
ジムで汗を流すか、はたまた博物館で創造の二十年の事を勉強し直すか、WNL支局を見学してみるのもいいかも知れない、そういえば海上国際展示場では今どんな催しがあっただろう――。
などと、とりとめもない思考を並べながら、混雑のわりにどこか間延びした空気のショッピングモールをぶらついていると。
ふと、往来を掻き分ける人込みが目に付いた。
近づいてみると、長着に中羽織、下駄とパナマ帽を合わせた、ややもすると厳つい印象を与える気難しげな面立ちの老紳士が、フードコートの店員と何やら込み入った話をしており、通行人の一部がそれを囲んでいる。
何か揉め事だろうか。
程なく老紳士が「君達はリンカーかな」と、周囲の野次馬に呼びかけた。
「実は置き引きに遭ってな、鞄を盗られたのだ」
名乗り出た暇人達に向け、開口一番、彼はそう言った。
「中には――まだ捨てられていなければの話だが――財布と、ある“大切なもの”が入っている」
曰く、観光がてら友人を探しに東京を訪れたのだそうだ。
しかしながら、先方の正確な居場所を知らず連絡も取れないといった状況で、「会えれば良いか」ぐらいの気持ちで物見遊山を決め込むつもりでいた――というのが正直なところらしい。
その矢先の出来事である。
「鞄の事は……まあ百歩譲って諦められなくもない。だが、せっかくこうして来たからには観光を楽しんで帰りたい。そこで君らの出番というわけだ」
老紳士は思わせぶりに一拍置いて帽子のつばをつまみ上げると、顕わとなった気難しい眼差しで一同を見る。
「今日一日、わしのガイドを務めてくれんか?」
思いもよらぬ、暇潰しの提案だった。
「おお、忘れていた」
――かと思いきや、返事も待たずに彼は懐から葉書を一枚取り出すと、裏面を暇人達へ向けた。
「どうやら東京海上支部のどこかで撮影したものらしいが……ついでに、この景色が見える場所を探してくれるとありがたい」
それは東京を一望する黄昏の景色。
ビル群の背に太陽が隠れて赤い後光が射し、街が燃えているかのようだった。
●不愉快な午前十時
同じ頃。
「矛盾してるわよ」
(除け者にされたらそれはそれで今頃ぷりぷりしてるアル絶対そうアル)
「うるさいなあ!」
(はいはいアル)
「大体、なんであたしがヴィランの片棒なんか……」
双眸に絵葉書と同じ景色――ただし青空の――を映す“置き引き犯”が、鉄塔の傍であんパンと牛乳をがっついていた。
真っ赤なコートを羽織り、目深にかぶったフードの中で独り言(?)をぶつくさ言いながら。
あぐらをかいた膝の上に、牛革の鞄を乗せて。
解説
【はじめに】
OPの『録音記録』『不愉快な午前十時』はPL情報です。
PCさんは老紳士の正体が小泉孝蔵なる古龍幇の大物である事、その真の目的、本件にテレサ(とマイリン)が関与している事、一切知らない状況でのスタートとなります。
脈絡なく上記を前提としたプレイングは、良くてスルー、悪いと不利な判定に繋がる事もありますので、お気をつけください。
【状況】
皆様はひょんな事から不遇の老紳士と出会い、観光ガイドを依頼されました。
彼が満足して帰れるよう、ぜひ楽しませてあげてください。
ついでに絵葉書の写真の場所を探してあげると喜ばれる事でしょう。
頼まれてこそいませんが置き引き犯の捜査をしていただいても構いません。
ただし主な目的はあくまで観光である事をお忘れなく。
そういえばもうすぐお昼ですが、彼はお財布がないみたいですよ。
【観光】
場所はH.O.P.E.東京海上支部。
メガフロートの上にH.O.P.E.関係施設の他、民間施設が複合的に存在し、海上の街と言えるだけの機能があります。
主な観光資源は以下の通り。
・海上国際展示場:同人誌即売会会場として有名。今は『世界の刀剣博覧会』が催されているようです。
・WNL(ワールドネットリンク)支局:地球規模の超巨大放送局支局。中へ入るには相応の口実が必要となるでしょう。
・グロリアモール(現在地):AGW販売整備や幻想蝶調整など能力者向け店舗の他、日用品店や服飾店、飲食店など一般的なテナントも揃い踏みの総合ショッピングモールです。
・創造の二十年記念博物館:世界蝕以降の歴史を様々な展示物やデーターベースを通じて知る事ができる施設で、特に能力者やライヴス関連に力を入れています。
【テレサ&マイリン】
連絡が取れません。お口ちゃっくアル。
マスターより
悪だくみと藤たくみって似てるなあ字面が。
というわけで、困っているお年寄りを助けるだけの簡単なお仕事です。
ですが、結果として非常に重要度の高いミッションとなりますので、どうぞお気をつけて。
ご参加お待ちいたしております。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/03/14 20:09
参加者
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短き暇、現を抜かして…
最終発言2016/03/04 18:11:46 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/01 21:21:20