本部
ミュシャからの依頼
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/03 09:00
- 完成予定
- 2016/03/12 09:00
掲示板
-
【相談】ミュシャさんの力に…
最終発言2016/03/02 12:40:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/29 12:37:49
オープニング
●ヴィランズ『アスカラポス』の男
子供が明るい声を上げて走り去った陽光満ちた道沿いの、厚いコンクリートの壁を挟んだ闇。ひとりの男が一本の剣を煤けた豆電球の光にかざした。精工で意匠を凝らして彫られた柄、冷たく冴える刃がはじく光。
「最近、個性的な武器が増えてうれしいし、いそがしい」
薄汚れたグレーのバンの前で嬉しそうに話すのはオレンジ色の髪と緑の目をしたそばかす面の男だった。二メートル近い身体に色鮮やかな服を着ていた。
「僕はね、いろんな武器をあつめるのがすきなんだ。キミのこれもなかなかいいからほしくて」
そう言った男が掲げた剣の柄には、まだ血を垂らした右手があった。
●ミュシャ・ラインハルト
H.O.P.E.の訓練室で長い間剣を振るっていたミュシャは、汗を拭うとその剣を鞘に収めた。硬い金属音と共に剣の柄に彫られた美しい花が煌めく。
──デーメーテールの剣。
美しい花を飾ったそれはデザインの割にやや大振りで、小柄なミュシャには大きくエルナーの手にぴったりの大きさだったが、共鳴して背の伸びた彼女になら充分に扱えた。その美しさのせいか普段は武器に拘らない彼女が好んで使用する武器。
「もうそろそろお昼ですよね」
そう言った瞬間、小さくお腹が鳴ってミュシャは頬を染めた。
「そうだね、そろそろ行こうか」
共鳴を解いたエルナーが笑う。
ロビーの柱に身体を預けたミュシャは編んだリボンを下げた携帯端末を取り出すと微かに目を細めた。それはバレンタインに友人から贈って貰ったチョコレートの包装についていたもので、そこからはまだ甘い香りが漂っているような気がした。
「うわあ、きれいな剣だね!」
突然、背後からかけられた声に驚いて振り向くと、鮮やかなオレンジ色の髪が目に飛び込んで来た。
「すごい! この剣、なんていうの? あ、僕はキファ!」
「……デーメーテールの剣だ」
ミュシャの冷たい眼差しなどお構いなしにキファは顔をくしゃくしゃにして笑いかけた。
「へえ、で、キミはなんて言うの? 僕と友達にならない?」
「……友達?」
端末が震える。はっとしてミュシャはその画面に目を走らせた。
「ほんとうにきれいだねえ。すごいなあ! ねえ、もうちょっと見せてよ」
「──わかった」
「えっ、いいの!?」
一瞬、後ろを振り向いてから、ミュシャは男の後を着いて歩く。
薄汚れたバンの前で金髪の女性が座っていた。
「キファ、その子は?」
「トモダチ! いまそこで会ったんだ」
「また……サルガスが早く来いって言ってたよ」
「だいじょうぶ、すぐだから」
ミュシャは二人の間に置かれた椅子に座ると、キファを見上げた。
「キファはエージェントなのか?」
「そうだよ、彼女はラリス。最近副業が忙しくてH.O.P.E.に行ってなかったけどね。たまには行ってみるもんだね!」
「そうか」
頷くミュシャの隣で、ラリスが椅子から立ち、バンのドアを開けた。
「ねえ、それより剣を見せてよ」
手を伸ばすキファの手をミュシャが払う。その瞬間、ナイフが撃ち込まれた。即座にそれを避けたラリスはバンの陰へと逃げ込む。ナイフを構えたエルナーが走る。
「馬鹿、キファ! だからさっさと帰ろうって言ったんだ」
ラリスの怒声。キファはきょとんとミュシャを見る。いつの間にか剣を抜いた彼女は憎悪を込めた視線を目の前のヴィランに向けていた。
「……H.O.P.E.の友人からの依頼の誘いのメールだ。オレンジ頭のバンに乗るゴミクズ退治だそうだ」
チラリ、とバンのナンバーに目線を走らせる。
「へえ……!」
キファは素早くミュシャの腹に蹴りを入れると、怯んだ彼女をバンの荷台に投げ込み、その後に続く。動き出すバンの扉を慌てて掴むエルナー。それを一瞥し、キファは二メートル近い長身でミュシャの腹に膝を当て、片腕で彼女の首元を押さえる。潰れた蛙のような声を出した彼女に、もう片手で掴んだ剣を見せた。。
「いいね、細い手首だ。共鳴状態のようにはいかないけど、さっとおしきってあげるよ」
しかし、ガツンと車が大きく揺れ、その手元が狂う。剣先は逸れてミュシャの肩口に深く刺さった。運転席へ怒声を上げたキファだが、殺気を感じ慌てて身を捻る。突き出したナイフはそのままに、エルナーはミュシャに片手を伸ばす。幻想蝶を介して二人の手が結ばれた。
「くそ!」
共鳴したミュシャがデーメーテルの剣を振るう。光の軌跡はキファの右手首を跳ね飛ばした。
「おぼえたぞ、デーメーテールの仔! てめえは必ずその剣でぐちゃぐちゃにしてやる!」
咆哮を上げてキファはバンに乗っていた荷物箱をミュシャに向かって蹴り倒した。
車から叩き落されたミュシャは共鳴を解くと、傷口を押さえながら荒い息でエルナーに声をかけた。
「端末を! エルナー」
「その身体じゃ無理だ!」
「違う……」
エルナーから端末を奪い取ると、脂汗を浮かべながらミュシャは笑った。
「あたしの端末を残した。H.O.P.E.なら……エージェントなら追跡できるはず」
●『アジトへ向かいヴィラン達を逮捕せよ』
ミュシャの情報を受けたH.O.P.E.より依頼されたエージェントたちは地下にある占いの館の前に辿り着いた。
ここが──今は一行の誰もがまだ名も知らぬヴィランズ、『アスカラポス』の隠れ家である。彼らはミュシャの復讐の相手ではないが、彼女が最も憎む快楽殺人を好むヴィランの集団である。
解説
PC情報
・状況
ミュシャがヴィランに襲われた。ヴィラン達はアジトへと逃走。
スマートフォンの電波によって、H.O.P.E.により隠れ家を発見。
・目的
ウィラン達の確保と情報収集
以下はPL情報です。
・舞台:ヴィランズ『アスカラポス』の隠れ家
地下にある占いの館で数ある隠れ家の一つ。厚ぼったいカーテンがいくつも垂れ下がり視界を遮り、その陰からヴィランが襲い掛かって来る。奥の重厚な扉の奥にはキファのコレクションの手首付き剣が壁に貼り付けられている。
また、建物内にはいくつもの監視カメラが隠してあり、ネット回線を使ってリアルタイムで情報を別な隠れ家へと送っている。この依頼時に全てのカメラを見つけ出す事は不可能。
キファ自身は治療のため居ないが、彼の武器集めに共感する二人の共鳴状態ヴィランが居る。
・敵情報
リック・ハッピー:スキル不明。太めのドレッドノート力押しが多いが狡猾。
ミザリー・ロウ:スキル不明。ワイルドブラッドのソフィスビショップ。占い師役を演じている金髪の残忍な美女。
・NPC情報
キファ&ラリス:他の快楽殺人を目的とする仲間とは違い、武器蒐集に固執するヴィラン。ただし、持ち主をその武器で殺すことが趣味。バンに残されたミュシャの携帯電話には気づいていない。
ミュシャ&エルナー:ヴィランを激しく憎むリンカー。しかし、最近、他のエージェントとの出会いにより僅かな変化があった。
今回は独断専行をせず、他のエージェントに任せて病院へ向かった為に調査は不参加。
プレイングで要望があればEDで出ます。スマホをバンに残した。
・その他
戦闘に勝利し探索すれば、リック達からの自白、または資料により『アスカラポス』という名前のヴィランズ組織について、そこは隠れ家の一つであるということと、他の隠れ家のヒントが見つかる。
マスターより
・注意事項
視界の悪い室内で戦闘となります。
ただし、変わった武器、愛用している武器、または改造した武器等をお持ちだと
監視カメラを見たキファに目を付けられる可能性もありますのでご注意を。
皆さんにはミュシャからの(間接的な)依頼を受けてヴィランズの隠れ家へ向かて頂きます。
その後、『逮捕』し組織の情報を吐かせる、または室内の情報を探索してください。
どうか、戦闘に勝ち、悪辣なヴィランズの情報を持ち帰ってください。
スマートフォンをミュシャに返すと喜ばれるかもしれません。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/03/11 19:48
参加者
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【相談】ミュシャさんの力に…
最終発言2016/03/02 12:40:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/29 12:37:49