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日常

【映画出演依頼】 シンクロ・ラブ

玲瓏

形態
ショートEX
難易度
不明
オプション
参加費
1,500
参加人数
能力者
4人 / 10~15人
英雄
2人 / 0~15人
報酬
多め
相談期間
7日
締切
2016/02/24 15:00
完成予定
2016/03/04 15:00

掲示板

オープニング


 数々の映画を作成し名を轟かせたマクニースは、人生の頂点と言える時期に入っていた。
「私は幸せものだよ」
 朝食の食卓を囲みながら彼は言った。正面には妻の姿がある。
「今まではどう視聴者を楽しませ、感動させられるかしか考えていなかった。だけどエージェントの人々を映画に出すという試みをしてから、出演者をどう楽しませるか考えるようになった。そこで分かったんだ」
「何が分かったの?」
「出演者が楽しまなければ、映画も楽しくならないってね。もうさんざん話したから言わないが、二十代の頃の私は何も上手くいかなかったんだ。それは私も、誰も楽しんでなかったから」
 今でこそ映画が売れるマクニースの二十代は凄惨だった。彼自身の体験を映画にしたところで三部作で収まりきらないだろう、それくらいに。
「私はこれからも映画を通じて全員の幸せを追求し続けるよ」
「登場人物の幸せも?」
「僕が好きなのはハッピーエンドだからね、できる限り追及してみせよう」
 無邪気な朝は過ぎ、彼は仕事場に出向いた。今日は次の作品の構想を脚本家と一緒に練る会議があるのだ。
「いやいや監督、ちょっと待ちましょうよ」
 会議が始まって早々、早口になりながら脚本家は言った。
「ホラー要素を含み、且つ戦闘があって、出演者同士の葛藤がある。戦闘と葛藤、もしくはホラーと葛藤なら分かりますよ。ただねぇ……。能力者同士の戦闘とホラーを交えたら、それはもうホラーじゃありませんよ。だって能力者でしょう? 一般人よりも強い能力者が危機に犯された所で、ビクビクします?」
「ああ脚本家のニベリル君。ホラーといってもジャパニーズホラーだから注意してくれよ」
「もっと難しくなりましたよ! ジャパニーズホラーってご存知ですよね? あれこそ主演者が一般人だからこそ恐怖心があるんじゃないですか」
「困難かね?」
「そりゃそうですよ。困難です」
 マクニースはにんまりと笑った。
「じゃあやろう」
 思った通りだと、だがしかしどうすれば良いのかとニベリルは複雑な面持ちだ。
「ジャパニーズホラーにアメリカンテイストを混ぜる、といった仕上がりになりそうですよ」
「要するに雰囲気なんだ。我々の作る映画は怪物が出てきて、一般人が無残にも殺されるというホラー。ビックリドッキリだ。しかし彼ら日本人のホラーは沈鬱とした、映画全体が闇に包まれたかのようなホラーだ」
「その沈鬱とした雰囲気というのは能力者の登場で壊れるというのは大体分かりますよね」
「無論だ。だから能力者が出てもホラーという雰囲気を壊さないよう作らねばならない。困難ではあるが、それに挑戦してこそ我々の必要性が高まっていくのではないかね。自分でいうのも癪な話だが、我々はプロだ」
「そういいますけどねぇ……」
 この時映画の全体像というのは全く出来上がっていなかった。この時の二人の心境こそホラー的な物であっただろう。
 
 さてさて、最初に会議から二ヶ月後、一体どのように進展したのだろうか。
「監督。いや、毎度の事ながら吃驚しますよ。本当にできてしまった。ただ、結構これイロモノですよ。人を選ぶ作品ですね」
 会議室の机の上には完成した映画の脚本が乗っかっていた。
「まあ、たまにはそんな作品があっても良いだろう。それに、出演者のほとんどが本物のリンカーという時点で人目はひくものだ。内容は若干人を選んでも、たとえば演技力とかで補える」
「そんな簡単にいきますかねぇ」
「難しい事は百も承知のつもりだよ。でもだからといって、やらない訳にはいかんだろう?」
 そんな二人の手元にある脚本のストーリーは、こうなっていた。
 
●脚本
『君たちには"アヅキ"という男を手に入れるべき使命を授かった。しかし、彼を手に入れられるのは君たちのうちの一人だけ』
 今では普通に町中で見かけて、人間との関係性が徐々に深まってきている能力者がそこかしこに見受けられる世界。ある日、選ばれた女性能力者達にそのような文面のメールが届いた。
 最初こそ、誰もそのメールに相手する物はいなかった。しかし、二週間後に送られたメールが彼女たちを揺れ動かす事になった。
『与えられたチャンスは十四日以内。もしその間にアヅキを手中に収める者がいなかった場合、選ばれた君たちは我々に殺されてしまう。その証拠に画像を用意した』
 画像の中には、メールを受け取った人物の一人と思われる女性の姿が。画像から伝わってくる。その女性は明らかに生命を失っている。
『もう一度言う。二週間以内。しかし、ここで一つルールを設ける事にする。二週間以内に、選ばれた君たちの中で死者が出たとすれば、制限は巻き戻り死者が出た日からまた二週間以内とする。死ぬ気で、男を手中に収めよ』
 まるでゲームのような、理不尽な世界の物語がこうして幕を開く。

解説

                偉大なるエージェントへ

●登場人物
アヅキ
選ばれた女性 五~十人 (主人公はこの中の一人になります)
その他

●あなた達の役割
 この物語はわが身を守るためにアヅキという男を手に入れる女性たちが主軸の物語です。
 皆さんには「アヅキ役」と「選ばれた女性役」を演じていただきます。
 また、二役以外でも、たとえばアヅキの友達役や、選ばれた女性の友達役として登場しても構いません。

●記入していただきたい内容
 役名。(演技する登場人物の名前を決めてください)
 主人公を演じるか、アヅキ、脇役を演じるか。
 起承転結のどの部分に登場するか。
 どう退場するか。
 選ばれた女性役を演じる場合、その人物の簡単な説明。(年齢、役職、性格、使用する能力等)

●脚本補足
 選ばれた女性たちは完全にランダムなので、女性同士関係性を持っていたりいなかったり、アヅキと接点が全くない人物にもメールが送られています。簡易に例えると、一対多数のお見合いパーティです。
 また、本作はホラーを演出するために人間関係が崩れていく過程を描くつもりでいます。一人の女性が他の女性を殺める、アヅキを手中に収めそうになった女性を殺めるといった演技が出てきます。

●リンクに関して
 本作では撮影中、共鳴をしていてもしていなくても問題ありません。個人の自由とさせていただきます。

●エージェントの皆様へお願い。
 もしも次回作、演じてみたい映画等ありましたら教えてください。なるべく皆さんの意見を取り入れた映画を作り、演じたいと思えるような映画を作れるよう努力します。

●その他補足
 今回から坂山氏が私(マクニース)とエージェントの皆さんとの間を繋ぐ斡旋係となってくださいました。脚本の事や演技の事、その他なんでも受付ますので、坂山氏を介して私がお答えします。
 また脚本が脚本なので、女性リンカーの参加を多く求めます。

マスターより

 満を持してやってきました、映画出演シナリオ三回目です。
 満を持して、というのも、昨年あたりからずっと考えてきたシナリオでした。二回目の映画を作り終えて、十二月にでも公開できればなと思っていたのですが、戦闘とホラー、そして葛藤をテーマとした映画の発想が全くなく、いろいろ他の作品を参考にしていましたら、けっこう月日がたってしまいました。

 構想二ヵ月ですので、ボリュームを楽しめる作品に仕上げようと思っています。どうぞ皆様、よろしくお願いします。

シナリオ攻略の参考となると思いますので、前作の映画も是非ご参照ください。
http://www.wtrpg0.com/scenario/replay/703

関連NPC

  • エージェント
    坂山 純子az0031
    人間|31才|女性|回避適性

参加受付中 プレイング締切日時 2016/02/24 15:00


参加にはSC1,500が必要です。

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