本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/02/12 22:00
- 完成予定
- 2016/02/21 22:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/02/12 19:59:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/12 19:44:08
オープニング
●ファーストコンタクト
可愛くラッピングされたチョコレートの入ったこれまた可愛い紙袋を持っているのに、餡は元気がない。
餡には好きな人がいる。
『あんこ』とからかわれて、好きにはなれなかった自分の名前を好きにさせてくれた人。
『あんこって、甘くて、人を幸せにするよね』
その言葉は、今でも餡を幸せにしてくれる。
そんな大好きな彼に、餡は感謝の思いを込めてチョコレートをプレゼントしたかった。
本当は手作りしたものを渡したかったけれど、そんなことをすれば、自分の気持ちが透けて見えそうで、餡は市販のヴァレンタインチョコを買った。
何時間もかけて、店内にあるチョコレートをじっくり見て決めたから、絶対に美味しいチョコを選んだという自信はある……けれど、同時に不安もあった。
「……」
土手に座り、餡はチョコレートが入った紙袋を見つめた。
「俊介くんに、ちゃんと届くかな……?」
心からのありがとうの気持ちが伝わるのか、不安があった。
膝を抱えて、紙袋を見つめていると、近くで声がした。
「それ、ボクへのプレゼント?」
餡が声のほうへ視線を向けると、見知らぬ少年がいた。
「……あなた、誰?」
もう二月も半ばになろうかというのに、少年はサンタのような服装をしていた。
サンタの衣装とはいえど、その色は黄色で、帽子にはポンポンではなく、星がついていた。
餡と同じくらいの年齢に見える少年は、餡の質問に答えることもせず、また聞いた。
「それ、ボクへのプレゼントだよね?」
彼は金色の髪を風に揺らして、にこりと笑った。
「違うわ」
そう餡は答えたのに、サンタ姿の彼は餡の言葉を聞かずに紙袋を奪った。
そして、餡が驚いている間に、少年は紙袋からラッピングされたチョコレートを取り出し、ラッピングを解くと、光沢のあるチョコレートをじっくり眺めることもせずに口に運んだ。
それからすぐに眉をしかめた。
「なにこれ? 美味しくない」
「え? 嘘!?」
少年の言葉に驚いて、餡もチョコレートを食べてみた。
「……美味しいわよ?」
チョコレートは餡の想像通り、すこし苦くて、甘くて、でも甘すぎなくて、すごく美味しかった。
しかし、少年は眉をしかめたまま頬を膨らませて言った。
「美味しくないよ。だって、全然、君の香りがしないじゃないか」
少年の言う香りというのは、ライヴスのことだ。少年はとても可愛い顔をしているが、実は愚神で、彼はライヴスを香りで感知していた。
つまり、少年愚神が欲しかったのはただのお菓子ではなく、ライヴスが含まれたお菓子だったのだが、そんなことを知るよしもない餡は勘違いをした。
「やっぱり、手作りのほうがいいかな?」
「ボクは君の香りがするものが食べたい」
「俊介くんもそう思ってくれるかな……」
「誰だって、そうだろう? (愚神なら)」
「そっか……それなら、やっぱり作ってみることにするわ!」
「たくさん込めてくれると嬉しいよ(ライヴスを)」
「うん! 心を込めて作るね!」
餡はすっくと立ち上がると、今日初めて会った少年に「ありがとう!」と笑顔を見せた。
「……」
無垢な笑顔を向けられて、少年は自分の体の芯が震えたような気がした。
餡は「じゃあね」と少年に手を振って、家路を急いだ。
離れていく餡の後ろ姿を見つめ、少年の口角は自然に持ち上がる。
「こんな気持ちになったのは、はじめてだ……あの子を食べることができたなら……きっと、すごく、美味しいんだろうな……」
●H.O.P,E.会議室にて
「え〜……」
言葉を探しながら、H.O.P.E.職員の沼津は言った。
「最近、ヴァレンタインのチョコレートを持った少女達の前に、黄色いサンタの衣装を着た少年が現れるという噂をよく聞く。その少年は少女達のチョコレートを買ってに食べてしまうらしいのだが……誰からも被害届は出されず、この少年が愚神だという情報も特にない」
それなら、なぜ自分達はここに召集されたのかと、その場の誰もが不思議に思った。
沼津の歯切れの悪い話はまだ続く。
「クリスマスシーズンにヨーロッパで現れた愚神と特徴がよく似てはいるものの、特に被害が出ていないため、倒してくれという依頼も出しにくいのだが……あるご婦人から孫娘を守ってほしいという依頼が来た」
「そのご婦人というのは?」
「老舗和菓子屋 観月堂(かんげつどう)の大女将だ。孫娘の観月 餡(みづき あん)の護衛をしてくれるエージェントには、厨房内の材料を好きに使ってもらってもいいそうだ」
解説
●目標
・餡と餡が作ったチョコレートを守ってください。
●登場
・イエロー・サンタ(愚神)
・十代の女の子が持っているチョコレートを奪っています。
・優しい年上のお姉ちゃんが特に大好きだったはずですが……
・身軽さを活かし、屋根の上くらいまでだったら簡単に上がれます。
・逃げ足は速いですが、戦闘能力は驚くほど低いです。
・自分は美少年であると誇示し、自分にプレゼントをねだられて嫌がる者など誰もいないと本気で信じています。
●場所と時間
・観月堂の厨房
・十七時(餡がチョコレート作りをはじめます)
●状況
・イエロー・サンタは餡の動向を毎日確認しに来ています。
・大女将(餡の祖母)は、そんなイエロー・サンタに気がつき、不審に思っています。
・厨房内には、和菓子の材料はもちろんのこと、ヴァレンタイン用のお菓子を作るためにチョコレートも沢山あります。
●PL情報
・イエロー・サンタに芽生えた餡への想いは、ある種の興味や執着ですが、恋心ではありません。
マスターより
こんにちは。gene(ジーン)です。
日々の忙しさにかまけている間に、ヴァレンタインが訪れようとしていますね。
近年は友チョコ、感謝チョコ、自分チョコなど贈る相手や気持ちによって様々な呼び方に変わるチョコですが、皆さんは誰にどんなチョコを贈るのでしょう?
私は迷いなく自分へのご褒美に自分チョコを贈ります♪
プレイングには、心情・行動・戦闘・戦闘後などをPC口調で書いていただけると、多少のアドリブを書かせていただく際に、PCの思考の特徴や口調などが想像しやすくなり、大変参考になります。
リプレイ公開中 納品日時 2016/02/19 21:04
参加者
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相談卓
最終発言2016/02/12 19:59:45 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/12 19:44:08