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【甘想】連動シナリオ

日常

【甘想】この日何の日、覚えてる?

布川

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
2人 / 4~8人
英雄
2人 / 0~8人
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2016/02/12 19:00
完成予定
2016/02/21 19:00

掲示板

オープニング

●ふくらむ期待
 ケーキ。ケーキ。立派なケーキ。
(むふふ……)
 シフタ(az0034hero001)は冷蔵庫を何度も開け閉めしながら、中にあるケーキを覗き見る。
 ちょっとした有名店である『アウラ・スイーツ&ショコラティエ』の箱が見える。
 質素な冷蔵庫の中に、ぽつんと佇むチョコレートケーキ。ケーキには、厳重に箱で放送されて、布がかかっている。
 シフタ自身は、たまに能力者のまねをしてちょっと食事する程度ではあるし、食事の楽しみはまだまだわからないが。
 でも、見た目にもきれいなことはわかる。
 
 以前、パトロールをしていて、店の前を通りがかったときのこと。
『これ、食べられるんでありますか。茶色いけどー』
「ムム。チョコレートか。ぜいたく品じゃぞ。まあ、見た目にも美味しいってのはスイーツの基本じゃな。今度食べてみるか?」
 アーヴィンはひげを撫でつけながらのんびり言ったのだった。

 ひょっとして、このブッソウな時期にわざわざ買ってきて来てくれたのだろうか。
 そこへ、契約者たるアーヴィン(az0034)がひょっこり現れた。
「何しとる、シフタ」
『あ、あ、おじいちゃん。えーと。冷蔵庫の電球が切れかかってるかな? なーんて。えへへ』
「まだ十分明るいじゃないか。ものは大事にせんといかんよ」
『はーい』
 シフタは、にやけを抑えきれない。
 いち、にい、さん、しい。シフタは指折り数える。2月のこの時期は、シフタとアーヴィンが初めて出会った日なのである。
 元の世界でアンドロイドであったシフタには、そういったものはなかったけれど。
 すなわち『誕生日』と言い換えてもいい。
 たまの好物のドーナッツぐらいしか買わないアーヴィンがわざわざ用意してくれたということは……。
 つまりは、そういうことなのだろう。
(奥にそーっとかくしてあるってことは、サプライズってところでしょうかね。えへへへへ)
「なんというか、妙にご機嫌じゃのう……」
「とぼけちゃってえ……」
「?」

●裏切り
 深夜。
 ガサ、ゴソ。と音がした。
 シフタはぱちりと目を覚ます。
(こんな時間にいったい誰でしょうか?)
 まさか、泥棒かもしれない。
 小心ゆえにがくがく震えながら、アーヴィンの部屋に行ったシフタであるが、そこにアーヴィンの姿はない。
(ひょっとして、泥棒!? ……ま、まさか、おじいちゃん、泥棒と戦ってやられてたりして! いや、ひょっとして、ヴィランの逆恨み!?)
 シフタがおそるおそるリビングに出てみると、そこには。

 わずかな明かりで幸せそうにケーキをほおばるアーヴィンがいたのであった。

「おじい、……ちゃん……!?」
「シ、シフタ! いや、これは、その……あの。たしかに、医者に甘いものは控えるように言われておったが……その、たまには……シフタ?」
「う、うわあああああああん!!!」
 次の瞬間、シフタは泣きながら部屋を出て行ってしまった。

●HOPE本部
「H.O.P.Eのエージェントから、英雄の様子がおかしいので、原因を探ってほしいという依頼が来ています」
 担当官は依頼書を読み上げる。その横には老年の能力者と英雄の姿、アーヴィンとシフタがいた。
「うむ、依頼主はワシじゃ。このシフタ、5日前くらいから様子がおかしいんじゃ。なにか病気かもしれないといろいろ医者も回ったが、英雄であるし。原因がよくわからないでの……シフタ、おぬし、本当にどうしたんじゃ」
『別に』
 シフタはぷいっとそっぽを向く。
「ううむ、病気なわけじゃないんじゃよな」
『別に……』
「……この調子じゃ。事件があれば、共鳴はするがの、どうにも前よりもリンクレートがふるわんのじゃなあ。ワシが気がつかんだけで、ひょっとすると、ワシじゃなければ、なにかわかるかもしれん。どうか、話し相手になってくれんかのう」
『病気じゃないですし。話し相手とか必要ないですし』
 シフタはぷいっと顔を背けた。
「うーむ。最近の若者のことばは、分からん……。年齢故、ベテランに思われることも多いが、エージェントになって日が浅いもんでな。ワシ以外から見たら、なにかわかるかもしれん。よろしく頼むぞい」
『……』
 シフタは恨みがましくアーヴィンを見ている。それがちょっと寂しそうで、エージェントたちはなんとなく、ほんのわずかに事態を察した。

解説

●目標
アーヴィンとシフタの関係改善。

●登場
アーヴィン(az0034)……元ニューヨーク警察官の現エージェント。御年67のおじいちゃん。豪放磊落。記念日とかそういうことには気が回らない。
シフタについて、初期は「くよくよしおって!」という態度だったようだが、あまりの落ち込みように「どこか悪いんかのう?」と、とんちんかんな心配をしている。
理由を知っても「なんじゃそりゃ」「分かった。要するにケーキ買って来ればいいんじゃの?」という反応が予想される。
上手く諭してあげよう。

シフタ(az0034hero001)……気の弱そうな青年の姿をした英雄。小心者。ビン底眼鏡が特徴的。お調子者だが割と繊細。めそめそしているがおじいちゃんには伝わらないのであった。しかし、今回はめんどくさい方向にダウナー気味。
英雄なので食事の必要はないが、最近ものを食べていない。たかがケーキぐらいで怒っている自分が情けない。でも、ものが問題ではない(シフタ談)。
アーヴィンの前ではなかなか理由を話さない。

●状況
シフタと出会った『記念日』から1日後。
HOPE本部、なんとなくギスギスした雰囲気のある二人。ちょっと歩けばケーキ屋。
本部でエージェントになってからの二人の情報を観覧することも可能(見ればそろそろ、記念日が近いことが予想できるだろう)。
また、アーヴィンは心当たりがないようであるが、聞けば何かしら思い出す。
なお、アーヴィンとシフタが契約したのは一年前。

●従魔ハンター×1
『アウラ・スイーツ&ショコラティエ』周辺でチョコレートを持っているものを無差別に襲う従魔。
素早いがぼうりょは低い。口裂け女のような容貌をしており、「置いてケ…置いてケ…」とぶつぶつ言って、鎌を振り回してくる。
・切り裂く
 鎌を振り回す。
・かまいたち
 遠距離に衝撃波。

※買ってくる場合、ケーキの状態に注意。
※「ふくらむ期待、裏切り」の章はPL情報になります。

マスターより

こんにちは、MSの布川です。
わりとしょうもないような、大事なような思いで、すれ違う能力者と英雄。
おじいちゃんと孫、アーヴィンとシフタは初の登場となります。よろしくお願いします。
大事なことはしっかり口に出すのが良いのかもしれませんね。
せっかくですから、この機会に、パートナーに言いたいことを言うのも良いのではないでしょうか。

関連NPC

  • エージェント
    アーヴィンaz0034
    人間|67才|男性|命中適性

参加受付中 プレイング締切日時 2016/02/12 19:00


参加にはSC1,000が必要です。

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