本部
この青で、塗りつぶされるように溶けて消ゆ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2016/01/27 15:00
- 完成予定
- 2016/02/05 15:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/01/27 09:53:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/24 16:02:31
オープニング
私は空を見上げる、抜けるような青空。濃い青が傘のように広がって、やがて薄く灰色がかっていく、そんな天井を私はずっと、見上げて生きてきた。
「もう、やめよう。こんな無駄なこと」
針の音が響く。腕時計の電池を捨て。私は私の時間を止める決心をした。
世界が遠ざかっていく。私を置き去りにそこかへ行ってしまう。
地球が私を抱きにくる、重力という手足で私をからめ捕り、加速度的にその中心へ中心へ。
わたしは名残惜しそうに伸ばされた手を引っ込めた。
胸の前で小さく抱いて、まるで胎児のように体を丸める。
「私、死ぬんだね」
そんな風に思ってみても実感が全くわかなかった。
そして三秒後、私の体はミンチのようになるだろう。
そして五秒後、私の魂は天に上り。
そして八秒後、私をみつけた誰かが悲鳴を上げ。
そして、十秒後。世界はまた、何事もなかったように動き始めるのだろう。
ああ、なんで、なんでこんなことになってしまったのだろう。
私は何か間違ったことをしただろうか、ただ他の人と同じように生きていただけなのに。私は、私は……
「ああ、神様……」
どうか、まだ、声が届くなら。
最後に恨み言を言わせてください。
「どうせなら、もっと、行きやすい世界がよかったな」
私はそう、目をつむる、三秒後が迫っていた。
私は最後、自分を襲うだろう体がはじけ飛ぶその感覚を待っていた。
しかし、その瞬間はいくら待っても襲ってはこなかった。
「その願い、聞き届けよう」
「だれ!」
私は周囲を見渡した。轟轟と耳元でなる風の音以外何もないその空間で、ただ目の前に蒼が広がっていた。
そして私は、自分が異変に巻き込まれていることをしる。
「ああ、なんで、どうしてこんなことに」
世界一面が青だった。上も下も右も左も、飲まれそうな青の世界に私はただ自由落下を続けている。
地面が無かった、それどころか、私が飛び降りたはずの学校も。
「ああ、そうか、私、死ねないんだ」
「なら、せめて、この青に解けて消えたい」
* *
「今回の保護対象は『止処 梓(とめど あずさ)』だ」
そう、司令官であるアンドレイは言った。
「現状彼女が囚われているドロップゾーンには愚神『アーネア』が住み着いている、その眷属も一緒にな」
デクリオ級の愚神と、眷属従魔も極めて下級のミーレス級。戦闘自体は簡単だろう。
「あまり強くはないんだが。問題はそのドロップゾーンにある」
現在アーネアが展開中のドロップゾーンは半径300メートル程度の円状のゾーンだが、足場がない。一面空だ。
「あるとすれば雲程度。触ると冷たいぞ、気をつけろ」
そのゾーン内では下に重力で引っ張られることになるが。そのゾーンの端に到達すると、反対方向のゾーンの端から出てくることになる。つまり。
「一度入ると出れないし、一度堕ちると落ち続けることになる」
そんな人類にとって不利と言える地形での戦闘に頭を悩ませていたH.O.P.E.だったが、そうも言っていられないことが発覚した。
「このゾーンを管理している愚神が、女子高生を気に行ったらしく、このゾーンの中に囚われているようなんだ」
かれこれ三十時間程度は落ち続けているのだという。
「この少女を愚神の間の手から救いだし、アーネアを倒してくれ。対抗策はこちらで用意したから、戦闘も問題ない」
そうアンドレイは、目の前に『翼』を並べて見せた。
「グロリア社の提供だ。今回限りの特別な品ってあつかいだからな。大事に使うんだぞ」
そうアンドレイはニヤッと笑った。
* *
梓の半生を一言で表すなら、可もなく、不可もなくだった。
勉強はトップクラスにはなれないが優秀。素行もよく。運動部では結果は残せないなりに努力は認められ、後輩やチームメイトからも頼りにされる存在だった。
礼儀正しく生きていた彼女だったが。
しかし、この半年で状況が激変してしまった。
愚神の進行。白い刃を煌かせた愚神の姿を彼女はみた。
そして巨大な従魔が、母を丸呑みにしていくのも。
それだけではない。家庭を失った矢先に彼女は学校での居場所も失うことになる。
彼女に告白してきた同級生がいた、別のクラスのかなり人気のある男子生徒だったが。彼女はその告白を断った。
理由は「今はそんな気分になれないから」
彼女は両親の死から立ち直れずにいたのだ。
その生徒自体はすぐに彼女のことをあきらめた、だが周囲が彼女のそんな態度を許さなかったのだ。
その生徒をふったことが許せない。そう彼女は女子達から攻撃を受けることになる。
そして彼女は学校での居場所も失った
今、彼女を支配しているのは、喪失感です。
家族も友達もいない、そんな自分がこの先生きていけるはずがない。
そんな思いが彼女の中で大きくあるようです。
このミッション、目標は愚神の討伐ですが。どうか彼女のことも気にかけていただけないでしょうか。
解説
目標 愚神の排除
デクリオ級愚神『アーネア』
アーネアは鷹のような翼をもつ女性型の愚神です。かぎづめによる近接攻撃と。暴風による遠距離攻撃を行います。
暴風を受けると強制的に遠くまで移動させられてしまうので気を付けてください。
眷属従魔
巨大なコンドルです。くちばしと爪による攻撃が協力で、機動力が高く、回避力がべらぼうに高いです。
むしろこっちのほうが苦戦すると思います。
合計三体います。
今回は足場がない永遠に落ち続ける空での戦闘です。
リンカーたちにはいずれかの翼が支給されます。どれもこの特殊な空間でしか使用できず、長時間の使用には耐えきれない。
また共鳴したことによって翼の見た目が変わるのは日常茶飯事です。見た目を変更する場合はプレイイングにそう書いて頂ければそう対応します。性能は変わりません。
また翼は攻撃を受けると破壊される可能性がある。
*ヴァイシュ・シュバルツ
霊力を黒と白の粒子に変換し空を飛ぶ翼、鳥や天使の羽に近い見た目
《性能》 左右の動きに強く、上下の動きに弱い。移動力、イニシアチブに影響します。耐久力が低い。
*聖天六式開法翼・ウリエル
機械の翼。またシールドを展開する機能があります。
《性能》 縦の動きに強く、また回避能力と防御力に影響。ただし耐久力が低い。
*エネルギーウイング・メギド
肩に装着したデバイスから霊力を常に掃出し続けるエネルギーで空を飛ぶ。
《性能》機動力は一番低い。ただし翼自体に攻撃力があり、使用者の攻撃力に影響。耐久力も高く、一番壊れにくい。
*ウイニングダッシュシューズ
羽の生えた靴。小回りがきき、なにより可愛いです。
《性能》上下左右の移動に強い、特殊な効果なし。また耐久力も高め。
『止処 梓』
絶望して落ち続ける少女、彼女と対話し彼女が前向きに生きる気力を取り戻させて上げてください。
マスターより
なんか、空を翼でかける爽快感のあるシナリオを作ろうと思ってたのに、どろどろしてる。えー。
どうも、鳴海です。今回のテーマは空中戦。翼のある戦いを皆さんに楽しんでいただきたいと思います。
あとはこの不幸少女をどうするかも楽しみにしてますね。
ぶっちゃけ助けなくてもシナリオをクリアすることはできるので目標には入っていないのですが。
リプレイ公開中 納品日時 2016/01/31 00:02
参加者
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相談卓
最終発言2016/01/27 09:53:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/24 16:02:31