本部
コンコン稲荷は油揚げを盗む
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 5人 / 4~8人
- 英雄
- 5人 / 0~8人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/01/13 07:30
- 完成予定
- 2016/01/22 07:30
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/01/13 00:36:39 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/12 22:45:16
オープニング
●消えた油揚げ
「……あら? 油揚げの数が減ってる……?」
一番初めに異変に気付いたのは、早朝に商品の仕込みをしている店主の女性だった。
この店は田舎道に面した小さな個人商店で、そこを通る旅人や近所の住人むけに軽食を提供している店であった。
「さっきまでは30枚はあったはずなのに……。どうしてかしら?」
改めて数えてみると、鍋に入っている稲荷寿司用に味がつけられた油揚げは20枚程に減っている。
女性は首を傾げた。鍋から目を離している隙に何かあったのか。
と言うのも、女性が目を離していたのは注文の電話に応対するほんの5、6分の事であったからだ。
「……誰か入ったのかしらねぇ? それとも、ネズミか猫か……」
疑問を浮かべながら、女性は深く考えずに油揚げの補充を始めたのだった。
●現れた狐面
初めに女性が油揚げの失踪に気付いてから、1週間が経った。
この1週間、仕込みの途中で油揚げだけが消える謎の減少はとどまるどころか、酷くなる一方であった。
初めは少量が無くなるだけだったのだが、最近では油揚げがほとんど全滅する事態に陥っていた。
(これは……、やっぱり誰かの仕業よね)
女性は犯人を突き止めるべく、店を臨時休業にして見張りをする事にした。
もちろん、犯人をおびき寄せるための囮である油揚げは通常通り煮込んでいる。
女性が仕込みを始め、そして油揚げが上手く煮込みあがった頃。
少し休憩をとるために近くの椅子に深く腰掛け、女性が目を閉じたときだった。
かたん。
どこからか微かに物音がした。
(――来た)
女性は直感して、その音に気付かなかったフリをして薄く目を開けて油揚げの入っている鍋に注目した。
刹那、かたかたと物音を立てながら勝手知ったる様子で見慣れない人物が厨房に入って来た。その手にはタッパーがしっかりと握られている。
その人物は女性が眠っている事を確認した後、悠々と油揚げの入っている鍋の蓋を開けて中の油揚げを持ってきたタッパーに移し始めた。
(こういう事だったのね……)
目の前で繰り広げられる犯行に、女性は納得がいった。
大量の油揚げをその場で食して居たらとてもではないが満腹で動けないだろう。油揚げがすべて消えていたのは犯人がタッパーに詰めていたからだったのだ。
鍋の底を掬う様にして、犯人がすべての油揚げをタッパーに移したのを確認し、女性は目を開けた。
「こらっ!」
「!?」
大事そうに抱えていた油揚げの入ったタッパーを床に落とし、犯人は一目散に厨房を後にした。
犯人の顔は、白い狐面が顔を覆っていてわからなかった。
去っていく背中をよくよく思い出してみると、その尻辺りには狐の尻尾が覗いていたような気もする。
「……泥棒狐、ね」
女性は少し考え、警察ではなくHOPEに通報するために備え付けの電話に向かったのだった。
●逃げる狐と油揚げ
(やばい……、ばれた!)
がさがさと足元の草木を掻き分けながら、狐面の人物が走る。
パニックに陥っているようで、狐面の人物はただひたすら当てもなく草木の生い茂る道を駆け抜ける。
(今回限りで、この店に入るのはもう終わりだな……)
息を切らし、狐面の人物は脳裏にとある人物を描く。
(あいつ……、あそこの油揚げ好きだったのにな……)
足に細かい傷を負いながら、狐面の人物はひたすら駆ける。
行き場を無くし、ヴィランのボスに拾われて幼い頃から今まで世話になっていた自分が、エージェントになってヴィランを捕まえるという恩を仇で返す行為はとてもじゃないが出来ない。狐面の人物には盗みを働いて生計を立てていくしかなかった。
(それなのに……。俺はとんだ無能野郎だな……)
持って帰るはずのタッパーを置いて来てしまったので、今回の収穫はゼロである。狐面の人物は足を止め、深くため息を吐いた。
家で待つあいつのため、狐面の人物は肩を落としながら手ぶらで歩きなれた道へと方向転換をしたのであった。
●狐の忘れ物
尻尾を巻いて塒へ帰った次の日、狐面の人物は再びあの店の裏口へと足を向けていた。
別に再び盗みに入ろうと思ったからではない。
捕まる危険を冒しながらも再びこの場所へやって来たのは理由がある。あのタッパーだ。
狐面の人物が使っていたあのタッパーは、今は亡き狐面の人物の両親が残した唯一の物品だからである。
(せめてあれだけでも取り返せないだろうか)
狐面の人物は、人の気配のする店の裏口の近くの草むらに身を潜めた。
解説
油揚げ泥棒の狐を捕まえてください。(『●逃げる狐と油揚げ』『●狐の忘れ物』はPL情報になります)
●個人商店
・女性が1人で切り盛りしています。
・イートインスペースが少しあり、4人掛けの机が2つ置ける程の広さです。
・広さ3畳ほどの厨房が一番奥にあり、厨房には裏口もあります。
・犯行当時、裏口には鍵はかかっていませんでした。
●時間帯
・女性が料理の仕込みをしていたのは早朝で、同時に犯行があったのも早朝になります。なので、今回の任務時間帯は早朝現場入りとなります。
●治安について
・物取りヴィランズが最近摘発されました。今回の犯人もこのヴィランズの残党の可能性があります。
・殺人や殺傷沙汰が起こったことはありません。
●店の周囲について
近隣に民間がありますが、一番近い民家は1km先にあります。なので、巻き添え等の心配は要らないでしょう。
●犯人の容姿について
・顔に白い狐面をつけています。
・背は低め、体つきからして男性だと予想されます。
・服装は紺のジャージです。
・尻尾は偽物ではなく、本物の様に自由に動いていた、と目撃情報があります。
●犯人の残したものについて
・使い古した大型のタッパーです。蓋に油性マジックで狐の顔が書いてあります。
・タッパーの大きさから、ほかにも仲間が居て、その仲間へ振る舞っていた可能性があります。
●犯人について
・逃げ足の速さからして、英雄と共鳴状態であると推測されます。
・女性が目を離した隙・席を外した隙に犯行を行っていたことから、用心深い人物だと推測されます。
・周辺住民への配慮として、犯人を殺害したり、大規模な攻撃をして危害を加えることは避けてください。(捕縛の範囲におさめてください)
●犯人の狙い
今回の犯行の目的を解き明かすため、犯人を捕まえた後に目的を問い質してください。
マスターより
生のタヌキを見たことがありますが、生のキツネを見た事はありません、水藍です。
先日、稲荷神社へお参りに行ったのですが、きちんと油揚げがお供えしてありました。……因みに、味付けはされていませんでした。生のまま齧るのでしょうか?
リプレイ公開中 納品日時 2016/01/17 10:16
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相談卓
最終発言2016/01/13 00:36:39 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/12 22:45:16