本部
【黒聖夜】サンタ・シアンの憂鬱
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/12/23 15:00
- 完成予定
- 2016/01/01 15:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/12/21 23:52:09 -
相談卓
最終発言2015/12/23 13:03:55
オープニング
●騒動の予感
聖夜が近づく、12月。
各国の街がクリスマスムード一色に包まれる中、多くの愚神が不穏な動きを見せていた。
あるモノは西、あるモノは東で。怪しき愚神たちは密かな企みを抱いて待っていたのだ。
人類世界にとって大切な、不可欠のイベント――クリスマスウィークを。
ほどなくして、H.O.P.E.所属のエージェントらにオペレーターからの連絡が入る。
「サンタが現れました」
エージェントらは首をかしげる。
「失礼、何のことかわかりませんね。各地でサンタ姿の愚神が目撃されています。何が起きているのかは把握できておりませんが、エージェントの皆さんは心しておいて下さい。なお、悪事を働くと思われるこれらのサンタをH.O.P.E.では以後『黒サンタ』と呼称することになりました」
●クリスマスを楽しむ少女
ら、ら、ら、ら~…。
午前九時、六階建てのビルの上、フェンスを乗り越えた危険な場所で、足を小さく揺らしながら歌を歌う少女が居た。年は十五、六くらいだろうか……やや緑がかった鮮やかな水色のツインテールが揺れる。
「ジングルベル、ジングルベル……」
ふわふわのフェイクファーの付いた赤いポンチョ、同じく赤のベルベットのワンピース、コートと同じ白いファー付きの真っ赤なブーツ。白いタイツには髪と同じ色のクロッカスの刺繍があった。彼女は……そのシアン色を除けばサンタクロースの仮装のようであった。
──……チッ。
小さなクリスマスソングの流れる街の上で彼女は小さく舌打ちをすると、愛らしい顔つきを醜く歪めた。
そのショッピングモールの広場に建つ巨大クリスマスツリーにはいくつものカラフルな包みがぶら下がっていた。
半透明のその中にはドイツのケーキである『シュトレン』やクリスマスに似合いのデコレーションされた『レープクーヘン』といったクッキー、オーストラリアのクリスマスのお菓子『グーゲルフップフ』、ドライフルーツのぎっしり詰まった蒸しケーキ『クリスマスプディング』、ふかふかと柔らかいパンにカラフルなドライフルーツが練りこまれた『パネトーネ』、黄金色のパン『パンドーロ』。ソフトキャンディーの一種であるヌガー菓子、ナッツややはりドライフルーツの入った『トゥロン』、フランスのクッキー『プレデル』、『ベトメンヒェン』、サクサクとした『バニラキッフェル』、洋梨パン『ベラベッカ』、フィンランドのパイ『ヨウルトルットゥ』、ギリシャの焼き菓子『メロマカロナ』……それらの間に、ステッキや星、サンタクロースの帽子の形をしたキャンディーも吊り下げて。そのツリーは甘く幸福な香りをその場に充満させていた。
クリスマス菓子で飾られたこの巨大なツリーはショッピングモールと一流製菓メーカーのコラボ企画である。今日からクリスマスを含めた年末までの間、このツリー前でゲームが行われる。ゲームの勝者にはこれらのお菓子を少しずつプレゼントするというもので、ゲーム自体は幼児も参加できるような運が勝敗を左右する簡単なものだ。
今日はそのお菓子だらけのクリスマスツリーのお披露目式。いつもより遅い十一時の開店前に、抽選で当たった客、企業などからの招待客のみがその広場に特別に集まっていた。
──慰労と警備を兼ねたH.O.P.E.からの特別招待枠のリンカーもその中に含まれる。
「あれ、お姉さんは参加しないんですか?」
スタッフらしい青年の言葉にミュシャ・ラインハルト(az0004)は顔を強張らせた。
「──あたしは警備で来たんだ」
彼女のぶっきらぼうな返答に青年は残念そうに去って行った。
クリスマスソングがあふれる広場の外れ、クリスマスツリーが辛うじて見える位置でミュシャは小さなため息を零した。
「ミュシャはお菓子を貰わないのかな?」
呑気に笑いかける相棒のエルナー・ノヴァ(az0004hero001)に、ミュシャは軽く睨んでみせた。
「あたし、こういうの苦手なんです。まだ、剣を振るっている方がいいです」
最近、少し自分にも心を開いてくれたミュシャの可愛く物騒な言い分に、エルナーは思わず笑う。
「これも仕事だよ。そう割り切ってゲームに参加して来ようか」
彼がそう言った時だった。
「みずいろ、そらいろ、お花いろ! 花のように爽やかな冬の妖精、サンタ・シアン参上っ!」
可愛らしい声を張り上げて、ツリーの上に巨大な絵筆を持った少女が立っていた。
「な、なんだ!?」
「危ないわよ!」
「見えた!」
「イベント!?」
クリスマスツリーは十五メートルほどある。そのてっぺんで足のバランスだけで見栄を切る少女の姿に人々は騒めいた。
「うっふふ~、なぁにが、メリイクリスマスよお! 皆さんにアタクシ、サンタ・シアンからとっておきのクリスマスプレゼントよお!」
「ウオー!」
サンタ・シアンの掛け声でどこからともなく現れたトナカイの着ぐるみたちが連係プレイであっという間にクリスマスツリーのお菓子たち、更には在庫の段ボールの中身をそれぞれが持っていた巨大な白い背負い袋に詰めて逃走した。
「クリスマスは頂いたわよお! この愚神サンタ・シアンがねえ!」
甘いお菓子の香りの代わりに、招待客の悲鳴と子供たちの泣き声、そしてサンタ・シアンとトナカイたちの哄笑が広場に満ちた。
解説
あなたたちはH.O.P.E.からの警備を兼ねた招待者です。
少女のサンタ然とした格好からショッピングモールのイベントの一環だと思っていましたが、サンタ・シアンの自己紹介によって事態を悟りました。
目的は招待客を無事に逃がすことと、愚神と従魔の退治です。
NPCの装備・スキルはキャラクターシートの通りではありません。彼らはPCの行動を補助する形で動きます。
ショッピングモール広場:真ん中に巨大ツリーを配した中庭。植木や花壇、椅子・テーブルがある。周りを建物が囲み、搬入口が一か所あるがシャッターは閉じている。ロックキーを持っているスタッフはツリーの下で腰を抜かしている。建物のドアは三か所。それぞれ建物内に入る鍵は開いており、中から閉めるのも簡単である。だが、建物内から外に出る出入口の鍵は閉まっておりこの騒動の中開けることは非常に難しい。
ゲーム:1m程の巨大X'masオーナメントボール(下部を固定)。玩具のステッキを刺すと何回かに一回鐘が鳴る。五個設置。
観客:大人約三十人、小学生くらいの子供約十人ほど。
NPC:ミュシャ・ラインハルト、エルナー・ノヴァ
愚神サンタ・シアン:デクリオ級。巨大絵筆を持った素早く身の軽い少女。絵筆から粘着性のある絵具を1つ飛ばし、ヒットした相手の動きを1ラウンド行動不能。柄の部分は強力な鈍器となる。
従魔トナカイ:ミーレス級、10体。見た目は虚ろな目つきのトナカイの着ぐるみを着た人間。話せない。身体能力はリンカーに近く、シアン同様異様に素早い。トカゲのように自由に壁を移動。殴る・蹴る、道具・武器を使った攻撃。建物のドアや窓の破壊も試みる。最初数ラウンドは10体中5体は建物をよじ登り外にお菓子を運び出しているので居ない。※ステージ状況によって変化。戦闘開始時点でショッピングモールてっぺんに居り、基本7ラウンド後にステージに登場。
マスターより
Cdivからのクリスマス、受け取って頂ければ幸いです。
メリークリスマス!
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2015/12/31 15:33
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/12/21 23:52:09 -
相談卓
最終発言2015/12/23 13:03:55