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戦闘

ラノベ作家達と冬の同人誌即売会の招かざる客達

せあら

形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
能力者
5人 / 4~6人
英雄
4人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2015/12/21 19:00
完成予定
2015/12/30 19:00

掲示板

オープニング

「完璧ですね。これならば絶対にあの担当にバレませんね!! さすが元コスプレレイヤーの愛川先生ならではの発想です!?」
 イラストレーターの如月祐希は自分達のサークルの長机の上に同人誌を並べながら女性のラノベ作家……愛川昴へと言った。
「でしょう。この格好ならば絶対にいけます。計画どおりです!」
 昴はピンク色の肩まで掛かるツインテールの髪を揺らし祐希へと振り向きながら自信満々にドヤ顔で答える。
 二人は普段の姿とは異なりコスプレ姿をしていた。昴は今人気アニメのバトル系魔法少女のコスプレをしており、祐希はそのマスコットのムスッとした顔の可愛くも何ともないペンギンの着ぐるみ姿をしていた。その姿は何処からどう見ても二人だと気づかない程そっくりだった。
 12月28日。
 二人の作家達は冬の同人誌即売会に参加していた。現在、大量の原稿と締め切りに追われていたが、それでも二人は担当にバレないように息抜きと称しサークル参加していたのだ。
 その時、ドンと後ろから祐希に一人のメイド姿の少女がぶつかり、謝りもせず何事も無かったかのように素早くその場を駆けて行った。祐希は何処か違和感を感じ、着ぐるみのポケットに手を突っ込んだ。
「ない……無い……」
 何度もポケットの中を探す。そこに入れていた筈の財布が無くなっていた。
 そしてハッと気づく。……まさかさっきのメイドからスラれた! あれには今月の食費が全て入っているのに!?
 そう思い、祐希は慌ててメイド姿の少女の後ろ姿の後を追った。
 その時、会場全体にアナウンスが流れ、先程とは違う緊迫した空気へと一瞬で変わった。
『サークル参加のお客様、並びにスタッフへとお伝え致します! 今会場内で従魔が発見されました。お客様達はすみやかにスタッフの指示に従い、避難して下さい。なお黒いメイド姿の少女のを見掛けたら絶対に逃げて下さい。それは従魔になります。繰り返しますサークル参加お客様並びにスタッフへ……』
 昴はその放送を聞き、すぐにその場から駆け出した。祐希がさっき追い掛けた相手は従魔だったのだ。
 このままでは祐希の身が危ない。
 本来ならば直ぐに避難をしなければならないが祐希一人を置いて避難なんって出来ない。それに彼は自分のパートナーだ。この世界でデビューする前、同人時代の頃から二人でやって来た。辛い事も二人で乗り越え、嬉しさも二人で分かち合ってきた。そんな大切な相棒を一人残してなんか行けない。そんな想いを抱きながら昴は会場内の通路を走りながら祐希を探し回った。

●同人誌即売会に従魔がログインしました。
 愛川昴達の担当はビザックサイトの長蛇の列に一人並んでいた。
 理由は単純だ。
 同人誌即売会にサークル参加しているであろう自分のところの担当作家達を連れ戻す。もしくは原稿を然り気無く催促する為だった。
 彼女達は同人誌即売会の事を隠していた様だが、そんなのは初めから自分にはバレバレだ。
 それに彼女達の作品は既にアニメ化が決定しており、それは来年から始まる。何としても書いて貰わないとこちら側としても困るのだ。彼は口の端を吊り上げ、三日月の形へと変えながら悪党染みた表情を浮かべた。
 ……絶対に見つけてやる……逃がしはせんぞ……
 彼の仕事への必要以上の情熱は作家達へと向けられていたのだった。

 暫くして彼は周りが必要以上にざわめくのを感じ、周囲を見渡した。そこにはスタッフが慌ただしく走り回る姿が見え、周囲には緊張した空気に包まれているのを感じた。そして近くの人間達の会話が彼の耳へと届いた。
「会場内に従魔が出たんだってよ」
「マジかよ! ふざけんなよ! 俺この日の為にバイト必死に頑張って嫁を向かえに来たってのにッッ!」
 会場に従魔が出ただと! 何って事だ! うちの作家達は無事なのか!
 彼の中で心配と焦りが生まれる。その時、一人のスタッフがリンカー達の元へと駆け寄る姿が見えた。おそらく同人誌即売会に参加しょうとしていた、もしくはスタッフがホープへと依頼したのだろう。それを見て担当は人混みを掻き分けながらスタッフ達の会話へと慌てた様子で割り込んだ。
「お話し中、申し訳ありません。うちの作家達を助けて頂けませんか! おそらく中にいるかもしれないんです! 俺にとって大切な作家達なんです。お願いします!」
 担当はそう頭を下げた。それを見てスタッフは付け足す様にリンカー達へと告げた。
「リンカーさん達、従魔の討伐と会場内に取り残された作家さん達二人の保護をお願いします。先程他のスタッフから連絡がありまして会場内の参加者とスタッフ全員の避難は完了致しました。出来れば速やかに速球に退治して下さい! お客様達はこの日を楽しみにして来たんです。お願いします!」

●予想とは違う現実
 メイドの姿の従魔を追うのを諦めた祐希と無事に合流した昴の二人は従魔達に見つからないように一階の通路側にある自販機の隅へと慌てて身を潜めた。参加者、スタッフ達は既に避難しており、入口付近には従魔達がさ迷っている為二人は身動きが出来ない状態だった。
「ごめなさい……」
 そうポツリと昴は言葉を溢した。祐希は彼女の方を見る。そこには俯き、今にも泣き出しそうな彼女の顔があった。
「私が同人誌即売会に参加しょうって言ったばかりにこんな事に祐希先生を巻き込んでしまって……本当に……ごめんなさい」
 ポタ、ポタと小さな水滴が床を濡らした。
 それを見て祐希はペンギンの着ぐるみの頭を脱ぎ、自分より年下の彼女へと励ますかのように笑いながら言った。
「先生の為では無いですよ。俺も同人誌即売会参加したかったし。それに先生は息抜きしたかっただけなんですよね」
 彼の言葉に彼女は小さくコクリと頷く。
「大丈夫だって! きっとスタッフか誰かがホープへと連絡をしている筈です。だからホープを信じて待ちましょう。そして無事に事件が解決して同人誌即売会が開催されたら一緒に同人誌売りまくりましょう!」
 ニカッとした笑みを向けて言う彼に彼女は涙を拭い、泣き笑いのような顔をして言った。
「それ死亡フラグですよ。祐希先生」

解説

同人誌即売会会場に浸入した従魔を退治、会場の中にいる作家達を保護、同時に担当との仲を取り持つ依頼になります。
ホープの依頼でやって来た、また当日同人誌即売会参加者として居合わせたと言う状況でも可能です

相川昴(19歳)女性ラノベ作家&如月祐希(23歳)イラストレーター……同人誌即売会に参加している時に従魔に遭遇し、逃げ遅れて身動きが取れない状態

担当……相川昴達の編集担当。仕事に向ける情熱が熱く、その情熱を昴達へと注ぎ仕事の量を増やしている。

場所……同人誌即売会会場(40万人が入場出来るくらいの規模の広さになる)会場は2階建ての作りになっておりA、Bが一階、2階がC、Dになる

従魔……ミレース級×6、イマーゴ級×4体
会場の入り口のAブロックにミレース級2体がいる。 Bブロックの通路にイマーゴ級3体と作家達がいる
2階C、Dブロックに2体ずつ(合計4体)ミレース級がいる。

攻撃……悪魔の姿をした従魔。(ミレース級)大きな鎌を持って攻撃をして来る、又風を操り段ボール箱に入った同人誌(大体の重さ5キロ)投げつけ、キャリーケースなどを加速させ突進させて攻撃して来る
 スリメイド(ミレース級)参加者の金銭を奪う。攻撃は抱き枕型ミサイルを発射して攻撃して来る。

イマーゴ級……ポルターガイストを引き起こす。

PL情報……同人誌即売会は10時に開催されます。10時までに従魔の討伐の完了、同時に作家達と担当の仲を取り持たないと失敗する
同人誌などが入った段ボール、グッズ類は出来るだけ傷つけないで下さい。

スリメイドはPCの金銭は奪わない変わりに二階に上がるエスカレーターを止めている。Aブロック(入り口)に二体いる。
スリメイドを倒したらエスカレーターは動き出します。またエスカレーター以外に階段がありますが、そこにはイマーゴ級1体がいます

時間……午前中の9時になります。戦闘開始(リプレイ)は入り口のAブロックから始まります。

マスターより

せあらです。
今回のシナリオは同人誌即売会的なシナリオになります。
同人誌即売会に参加するのに会場に従魔が出たらそれはもう嫌ですよね。嫁を迎えに行くはずなのに(同人誌)従魔を迎えに行くのではないッ!って感じになりますよね。
なので、皆の希望と夢が詰まった同人誌即売会を開催する為にも従魔を倒してあげて下さい。
また担当は仕事に対して熱すぎるぐらい熱血です。リンカーの皆様のお力でラノベ作家、イラストレーターコンビの二人に息抜きをさせてあげて下さい。

リプレイ公開中 納品日時 2016/01/02 12:20

参加者

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 愚神を追う者
    石井 菊次郎aa0866
    人間|25才|男性|命中
  • パスファインダー
    テミスaa0866hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
  • 楽天家
    片桐・良咲aa1000
    人間|21才|女性|回避



  • 悲劇のヒロイン
    シャンタル レスキュールaa1493
    人間|16才|女性|防御
  • 八面六臂
    スケジローaa1493hero001
    英雄|59才|?|ブレ

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