リンクブレイブ

平々凡々。以上でも以下でもなく、真っ平。どこにでもいそうな、どこにでもいるような、ただの少年。彼は昔、ヒーローになりそこねたのだ■元の世界は荒れ果てていた。弱者は虐げられ、甚振られ、嬲り殺される。強者の慰み者でしかなかった。しかしそれを一度だけ『反せる』機会があった。弱者は強者に、強者は弱者に成り変わる。たった一度の人生でたった一度だけ与えられた機会。彼はそれをあと一歩のところで掴み損ねた。僅か、指先さえ届いていれば弱者全てが救われた。彼はヒーローになれた。しかし現実は非情で、彼は何者にも成れないまま――世界へとやってきた■だから目立たない。だから表に立たない。平凡、普通、凡人、それでいい。ヒーローに憧れ、夢見た少年は望む者にはなれない英雄と成ったまま、日々を過ごしている。

●桂→忠：年の離れた弟のようだと思う。きっと素敵なことがたくさんできるのに、それをしようとしない。あぁでも、それでもいい。貴方の手を引くのは私だけではないから。 ●忠→桂：例えるなら姉のようである。包容力はあるが意思が強い。強引な所もあって抜け目がない。かと思えば変な所で抜けているから目が離せない。手は引けないけれど、せめて手の届く所にいなくては。

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