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絶零 第1フェーズ:リプレイ

PCイラスト
シエロ レミプリク
aa0575
PCイラスト
逢見仙也
aa4472
PCイラスト
フィー
aa4205
PCイラスト
楪 アルト
aa4349
PCイラスト
ニウェウス・アーラ
aa1428
PCイラスト
村主 剱
aa4896
PCイラスト
フレイミィ・アリオス
aa4690
PCイラスト
志山 玲希
aa0328
PCイラスト
コロンビア
aa0748
PCイラスト
楠元 千里
aa1042
PCイラスト
三ッ也 槻右
aa1163
PCイラスト
稲田藍
aa3140
PCイラスト
イリス・レイバルド
aa0124
PCイラスト
ガラナ=スネイク
aa3292
PCイラスト
柳 黒斗
aa3866
PCイラスト
世良 杏奈
aa3447
PCイラスト
日暮仙寿
aa4519
PCイラスト
桐花 朱音
aa4026
PCイラスト
橘 由香里
aa1855
PCイラスト
GーYA
aa2289
PCイラスト
Гарсия-К-Вампир
aa4706
PCイラスト
世良 霧人
aa3803
PCイラスト
火乃元 篝
aa0437
PCイラスト
Erie Schwagerin
aa4748
PCイラスト
氷鏡 六花
aa4969
PCイラスト
百目木 亮
aa1195
PCイラスト
黒金 蛍丸
aa2951
●氷雪のイクサカバネ
 市街地中央から少し離れた位置に氷雪のイクサカバネの群れがおり、さらに後方の市街にも居るのは確認出来るが瓦礫によって確かな数は分からない。
「亀甲縛りにしてでもあの二人(レミア夫妻)を連れ戻してこい!」
 シエロ レミプリク(aa0575)はバンカーメイスを肩に担ぎながら、邪英レミア(aa3678hero001)の元へ行く仲間たちに大きな声で言った。
「知合いの知合いの支援……という名の運動に行きますか」
 迎撃に参加している小隊【結】のリーダー逢見仙也(aa4472)がレーヴァテインを手にし、氷雪のイクサカバネの群れに向かって駆け出す。
「さーてさて、戦況はどーなってんでしょーね……っと」
 後方から敵を見据えるフィー(aa4205)は目を細めた。
 氷雪のイクサカバネが市街から次々と露われ、エージェント達に向かって進軍してくる。
 空には仲間が放ったと思われる鷹の羽ばたく音が微かにした。
「ヴォオオォアアア!!」
 シエロが跳躍し、バンカーメイスを氷雪のイクサカバネに向かって振り下ろす。
「アルト、私達も向かおう!」
「ん、あたし達なら迎え撃つ位らくしょーだな!」
 楪 アルト(aa4349)はフィーの手を取り、頭上に武器を召喚する。
「一発、挨拶代わりに撃ち込め」
 と、言ってアルトの隣でフィーが手を握り締めた。
「フィーに近付く敵は……蹴散らす!」
 アルトが声を上げるのと同時にウェポンズレインで召喚された武装が、氷雪のイクサカバネの群れに雨が降るかの様に攻撃する。
「仲間を取り戻す為の、道……絶対に、作ってみせる。そして、届かせる……!」
 ニウェウス・アーラ(aa1428)は市街地のレミアが居るであろう方向を見据えた。
 ウェポンズレインの攻撃が止むのと同時に、小隊【労組】の仲間と共に氷雪のイクサカバネの群れへと駆け出した。
「増えている? いえ、復活しているようだね」
 村主 剱(aa4896)が鷹の瞳から見える氷雪のイクサカバネの群れを観察しながら呟く。
「どう動く? 誰を狙う? 捉えるんです、客観的な事実をね」
 と、フレイミィ・アリオス(aa4690)は呟きながら後方から氷雪のイクサカバネを見据える。

「これはゲームじゃないんだけど……アンデッド倒すゲーム思い出しちゃった」
 志山 玲希(aa0328)は、雷書「グロム」を手にしブルームフレアで氷雪のイクサカバネ達を焼き払いながら言う。
「あたしのフィーに……近づくんじゃねえェえええ!!」
 アルトが怒りに満ちた怒声を上げながら、ブレイジングソウルのトリガーを交互に引き氷雪のイクサカバネの体に弾丸を撃ち込む。
「これで反応するかどうか……ですねえ」
 フィーは持ってきた花火に火を点けた。
 殺伐とした戦場の空に鮮やかな花火が一瞬だけ花開くも、強い風によって氷雪のイクサカバネ達の目には届かなかった。
 武器を振るって戦う者、後方から射撃で攻撃をする者、迎撃するエージェント達の体力をヴァルリアのドロップゾーンは容赦無く奪う。
 どんなに寒冷対策をしても、暖を取る方法を用意してもライヴスが通ってない物は全て効果は無かった。
 そして、倒しても、倒しても時間が経てば復活する氷雪のイクサカバネ。
「何処か、何処か、敵が少ないルートがあるはずです」
 コロンビア(aa0748)は【蝶】達の情報を聞きながら後方から戦場を見据えた。
「潰してみろやぁ!」
 派手に暴れるシエロは次々と氷雪のイクサカバネを力任せに薙ぎ払う。
 守るべき誓いで惹きつけているエージェント達よりも、氷雪のイクサカバネが吸い寄せられるように集まっていた。
「どういう事? 一番狙われやすくしたエージェント達よりも集まっている?」
 フレイミィは、スナイパーライフルのスコープで戦場にいる氷雪のイクサカバネの動向を伺いながら口にする。
「それよりも、レミアの姿を探さないとね」
 剱がフレイミィの言葉を遮り、やや視界の悪い吹雪の中で必死にレミアの姿を捉えようとする。
「次から、次へと……相性が悪いかもしれないがそれでも!」
 腕を取っても、脚を破壊しても、向かってくる氷雪のイクサカバネに向かって吠えながら玲希はゴーストウィンドの不浄の風でアンデットの体を包む。
 氷雪のイクサカバネが復活するので、エージェント達が溝を作ったりしてソコに落とすという作戦をするのだが。
 数が多く、しかし落ちても氷雪のイクサカバネは登ろうとしたり、魔法で攻撃し始めたりと一筋罠ではいかない事を感じながらエージェント達は攻撃する手を止めない。
『弱点はっ!? 有効な攻撃はっ!?』
 各小隊に居る【蝶】達が情報のやりとりをする。
『弱点不明!』
 と、通信機からは情報のやりとりが激しくされていた。
「合わせていきましょう。確実に、正確に、ですよ」
 小隊【雫】の仲間に声を掛けながら前線で楠元 千里(aa1042)はライヴスフィールドを生成する。

「厳しい、な……」
 肩で息をしながらもアルトは、ライヴスキャスターでLpC PSRM-01を多数召喚しキッと氷雪のイクサカバネの群れを睨む。
「倒れないでね……アルト」
 その隣でフィーが20mmガトリング砲「ヘパイストス」を手にしたままアルトに声を掛ける。
「フィーが居るんだもの、倒れている場合じゃないっ!」
 と、吹雪く中で声を上げながらアルトは銃弾を風のように放って、直線上にいる氷雪のイクサカバネ達を撃ち抜く。
「あぁ、私はアルトの剣なんだからね!」
 フィーはアルトより一歩前へ出て、ガトリング砲の銃口を氷雪のイクサカバネへ向けて激しい駆動音と共に銃口から弾が発射された。
 撃ち終えた20mmガトリング砲「ヘパイストス」は、機関車から出される煙の様に複数の銃口から蒸気が上がるも、直ぐに風に吹き飛ばされ鉛色の空へと飛ばされた。
「……ダメ、なの?」
 ニウェウスはレーダーユニット「モスケール」で氷雪のイクサカバネの群れの範囲をライヴス量で確認しようとするが、ドロップゾーンの影響なのか確かな位置が分からない。
『【蝶】より、ライヴスフィールド内で氷雪のイクサカバネの再生速度が落ちる事を確認したそうです!』
 通信機からコロンビアの声が響く。
 小さな希望がエージェント達の胸に宿り、傷だらけのラン・イェスオ(aa3375)は武器を使って震える手足で立ち上がった。
 しかし、もう武器を振るえる様な力は残ってはない彼を仲間が氷雪のイクサカバネの群れを退けながら救出した。
「こっちへ! 早く!」
 千里はライオットシールドを片手に、負傷した仲間を回収しているエージェント達にライヴスフィールドへ入るよう手を招く。
 無限に現れると錯覚する程に、氷雪のイクサカバネの数は多く、そして再びその身を修復しエージェント達の前に立ちはだかる。
「ただ、潰して、潰して、再生が追い付かない位に叩くッ!」
 寒さで手の痛覚を奪われたシエロは、その瞳に映る氷雪のイクサカバネを次々と叩き潰す。
 そして、後方から支援しているエージェント達の鷹の目が捉えた。

 白く染まった大地に現れたレミア。

 金糸の様な髪を冷たい風に靡かせ、血の様に赤い瞳には狂気を宿し、黒いドレスに黒いマントを身に纏ったその姿は正に『吸血鬼』だ。
 レミアは口元を吊り上げ、赤い瞳に仲間であったエージェント達を映した。


●レミア
「道を切り開くとする、か!」
 と、声を上げながら仙也は刀剣系の武器を多数召喚し、氷雪のイクサカバネの群れに向かってストームエッジを放つ。
「取り戻したい人。力を貸してくれる人。心強い。絶対に取り戻そうっ!」
 と、小隊【遺跡】の仲間に言うのは三ッ也 槻右(aa1163)だ。
「ノロケ聞かせろつってたのによー」
 稲田藍(aa3140)はそう言うと軽く肩を竦ませ、レミアに気付かれぬよう接近する為に潜伏を使用し盾役の仲間の後を付いて行く。
「助けるよ……全力でぶっ飛ばしてでも。だから!」
『ああ、後は任せたまえ』
 イリス・レイバルド(aa0124)の言葉にアイリス(aa0124hero001)は力強く答えた。
 黄金の髪、翼、そして鎧を身に纏い、手にはパラディオンシールドを握り締めレミアへと向かって戦場を駆けだした。
「引き摺ってでも連れ戻す!」
 イリスと並走しながらレミアに向かって叫ぶのはガラナ=スネイク(aa3292)だ。
「レミアさんと戦闘中の皆さん、イクサカバネにも注意してください」
 小隊【古書】の一人である柳 黒斗(aa3866)は、後方からアイリスにリジェネーションを掛けながら仲間に注意喚起する。
「邪英までの道を作り、仲間が通り過ぎるまで保持するぞ!」
 迎撃小隊【結】の仲間に指示を出しながら仙也は、範囲攻撃しながら派手な攻撃で氷雪のイクサカバネを惹きつける。
(レミアさん、必ず元に戻しますからね)
 小隊【理想郷】のリーダー世良 杏奈(aa3447)はイメージプロジェクターを身に纏い、拒絶の風でライヴスの風を身体や脚に纏わせた。
「友達になったばっかりなのに……」
 と、呟きながら別の小隊【結】のリーダー日暮仙寿(aa4519)は悲し気な瞳でレミアを見据える。
 仙寿は小さく首を振ると、直ぐに小隊へ指示を出し攻撃部隊の援護へと向かった。
「気合だぁっ!」
 桐花 朱音(aa4026)が自分の頬を叩き気合を入れ、攻撃部隊の後を追う。
「ッ……! 例え力が段違いだとしても! 攻撃を叩き込む隙さえ作れればッ!!」
 橘 由香里(aa1855)はレミアの圧力を体全体で感じながらも前へと進む。
 邪英化前から縁のある仲間、知らないが見過ごせない者、それぞれの想いを胸に氷雪のイクサカバネ達の間を駆け抜ける。

 吹雪くドロップゾーン内部は、非戦闘にも関わらず内部にいるエージェント達の体力を、体温を奪う。

「渡さない。あぁ! あの愚神……ヴァルヴァラへの想いが流れてくるっ! 緋十郎はわたしのモノ、よ」
 レミアは目を見開き、自分自身を抱き締め愛すべき者が心残りしている小さな想いを忌々しく思いながら呪文のように言葉を紡ぐ。
「友になったばかりで寂しいじゃないか。さっさと戻ってこい」
 と、レミアの背後から仙寿が奇襲の合図をする。
「吸血鬼の一番の弱点はコレでしょ? レミアさん♪」
 笑顔で言う杏奈の手にはライヴスで形成した雷の槍、サンダーランス。
 仲間がデスソニックの音を響かせると、モーゼが海を割る様にエージェント達は素早く直線状から退避する。
「射線空けて下さい!」
 雷の轟く音と共にサンダーランスが真っすぐにレミアに向かって走る。
「たたでは、受けぬ」
 レミアは地面に設置しておいた対愚神用長距離砲『血虎』Blut-tigerの銃口を杏奈に向け、放った。
「カハッ!」
「くっ!」
 互いに攻撃が直撃し、杏奈の体が宙に舞い地面に倒れしてまう。
「仲間を殺す剣になっちゃだめだ、しちゃだめだレミアさん!」
 GーYA(aa2289)はヴァルキュリアを手にし、レミアへと素早く間合いを詰める。
 レミアは力強く足を大地を踏み込み耐えると、魔剣「カラミティエンド」を取り出し柄を握りしめた。
「リーゼの主は愚神の下にいる器か? 違うだろ!」
「下等生物がわたしに牙を向けるとは……殺されたいようね!」
 レミアは魔剣「カラミティエンド」を盾にしGーYAの攻撃を防いだ。
「今こそ、Вампир(吸血鬼殺し)の名の下に……お助けいたしますね」
 Гарсия-К-Вампир(aa4706)はカオティックソウルで武器としての魂と本能を思い起こす。
「レミア、迎えに来た!」
 アイリスがパラディオンシールドで魔剣を弾き、手加減せずに盾で攻撃をする。
「覚悟しやがれ!」
 ガラナは肩に装着している爆導索の先端部分を射出し、レミアの武器を持っている手首にワイヤーをまとわりつかせ起爆する。
 ワイヤーそのものが圧縮ライヴスを放出して爆発した。
 しかし、魔剣「カラミティエンド」はレミアの手に握られたままだ。
「レミアも雪娘も守れ! お前が止めろ!」
 槻右がレミアの中に居る緋十郎の意識に言葉を投げる。
「雪娘……ヴァルヴァラ……緋十郎は、魂までわたしのよ!」
 ヴァルヴァラ、仲間たちが緋十郎に向けて言う言葉がレミアの中で黒いモノが湧き上がってくる。
 その言葉は能力者には届かず。
 英雄であったレミアの意識が強く、『ヴァルヴァラ』という名を聞くたびに独占欲が強くなっていく。
「夫婦は2人揃ってないと、意味が無いんです! 元の貴方達に戻って下さい!」
 世良 霧人(aa3803)は傷付いた杏奈を回復しながら必死に語りかける。
「下等生物が偉そうな事を言うな!」
 レミアが武器を身構えてライヴスを充填し、魔剣「カラミティエンド」の柄を握る手をより一層強くする。
「狒村さん!」
 レミアに向かって再び槻右は叫ぶ。
 しかし、その言葉は風に吹き飛ばされ視界を奪うのは鮮やかな『赤』。
「ッ! ……そ、んな……」
 クロスカウンターで攻撃しようとするも、レミアとの間に入って来た氷雪のイクサカバネが槻右の攻撃を受け止めた。
「主が仲間を殺したら悲しむのは誰だ! 家族を守れなくて何が英雄だよ戻ってこい!」
 GーYAは叫びながらヴァルキュリアのヘヴィアタックでレミアに攻撃をする、が。
『氷雪のイクサカバネの群れの一部が移動をしている注意を』
 通信機から剱の声が響く。

 最初は勢いがあった迎撃するエージェント達は、1人、また1人と雪原に膝を着き徐々に後退していく。
 火乃元 篝(aa0437)は己の力を出し切り、氷雪のイクサカバネ達に囲まれてしまい動けない処を小隊【労組】の仲間が抱えて直ぐに後方へと運ばれた。
「掃除するよ」
 まだ戦える玲希は再びブルームフレアの炎で氷雪のイクサカバネを焼き払う。
「まだ、なのですか? これでは、迎撃する仲間が傷付いて撤退しているのに……」
 コロンビアは後方からアンチマテリアルライフルで氷雪のイクサカバネを狙撃する。
「さ、ガンガン行くわよぉ♪」
 と、明るく言いながらErie Schwagerin(aa4748)はリフリジレイトを手にし、氷雪のイクサカバネの群れの中心にライヴスの火炎を炸裂させた。
 支援に参加してるエージェント達の出入りが激しくなっているのは通信機の情報で分かるが、レミアへ向かったエージェント達からの報告が未だに入ってこない。
「これ以上は……しかし、離れるとライヴスフィールドが消えてしまいます」
 千里は傷付いた小隊【雫】の仲間に視線を向けた。
 攻撃に専念する仲間を癒しながら、守りながら奮闘しライヴスフィールドのお陰でドロップゾーンの影響を少しだけ抑えられてはいるが、倒しても再生してしまう氷雪のイクサカバネとの消耗戦は厳しい。
 回復する手段にも限りがあり、回復薬にも数が限られている中では長期戦は不利にも関わらず戦う。
 その手が武器を握れなくなっても、その足が動けなくなっても、ただ仲間を信じて吉報を聞くために戦う。
『氷雪のイクサカバネの数が減ってるね。どうやら、修復速度が間に合わない様子だよ』
 と、剱が通信機を通して仲間に伝える。
「なら、希望は」
「見えたねえ!」
 アルトとフィーは互いに顔を見合わせた。


●帰還
 吹雪きの最中に、幼い“雪娘”の姿が浮かび上がる。
「貴様……」
 その姿を認めたレミアが、ぴたりと動きを止めた。
「ねぇ、マゾでロリコンの変態さん?」
 雪娘――ヴァルヴァラ。だがそれは、その衣装を身にまとった氷鏡 六花(aa4969)だった。
「“わたし”にもう一度会いたいのでしょ?」
「渡さない……わたしの……!」
 狒村に向けられた六花の言葉に、レミアはぎらりとした目を向ける。
 雪娘の僕にも似たフロストウルフが次々と襲い掛かる中を、その攻撃もものともせず、一気に距離を詰めるレミア。レミアは傷だらけの手で魔剣「カラミティエンド」をしっかりと握りしめ、雪娘の姿をした六花の腹部を貫いていた。
 エージェント達の猛攻を受けても、攻撃する力は衰えるどころか増すばかり。
 仲間を庇い続けた百目木 亮(aa1195)は地面に膝を着き、これ以上何もできない己に歯痒い思いでレミアを見上げた。
 だが、六花の挑発に乗ったレミアは、更に一歩エージェントたちの只中へと迫ってきている。
「気合で回復するべしっ!!」
 朱音が大声を上げると共にライヴスフィールドを生成し、バッと藤神ノ扇を畳むとその先をレミアに向けた。
「もうちっと、こっちの世界で遊んで暮らしてもいいんでねーの? ひとつじゃなく、二人で」
 と、微笑みながら藍はレミアに言葉を投げた。
 だが、今の彼女は愚神と英雄の間である邪英という存在だ。
 よく知った仲間として、邪英化しても変わらない姿のレミアを攻撃して戦闘不能にしなければ戻れない。
 言葉を投げるのは意味ないと分かっていても、仲間なのだから思っていた言葉をぶつけたくなる。
 『何故、邪英化までしてその身を危険に晒した馬鹿野郎!』と、そう能力者の頬を殴りたい気持ちが強いからかもしれない。
「後ろは任せて!」
 由香里は雷上動に矢を番え、ぐっと弦を掴み力強く引きながら矢尻を氷雪のイクサカバネへと向ける。
「叫べよ! 足掻けよ! 喚いてみろよ! それを醜い行為などと誰にも言わせない!」
 と、カイ アルブレヒツベルガー(aa0339hero001)が咆哮を上げる獅子の如く叫びながら、屠剣「神斬」の剣先をレミアへと向けた。
 1人、また1人、地面に膝を着いていた仲間達は、武器を地面に突き立て立ち上がる。
 終わりではない、邪英化したレミア達が戻って来たら言う事が沢山あり、そしてこれから友として今以上に仲良くしたい者だっている。
 始まり、だ。
「助けるって、決めたんだから!」
 イリスの言葉に頷きながらアイリスは、パラディオンシールドを握りしめたまま地面の力強く蹴った。
「だから、前に進むのみだ」
 アイリスはライヴスリッパーで攻撃しレミアのライヴスを乱す。
「ッ! くっ……なぜ、なぜよ」
 息を荒げ、激しく肩を動かしながらレミアは己の胸元をぐっと掴みながら呟く。
「決着をつける前に友人を返してもらいます!」
 黒金 蛍丸(aa2951)が鬼若子御槍をレミアの腹部を真っ直ぐに貫いた。
「な、によ……皆、して……わたしは、ただ……緋十郎を……」
 最後の力で蛍丸の鬼若子御槍を自力で引き抜き、レミアはゆっくりと言葉を紡ぎ終えた後に白い大地にその身を預けた。
 それは、白い大地に赤と黒の薔薇が咲いたかの様に見えた。
 魂だけになったレミア、その下には緋十郎が倒れていた。
「支援に着くまでが戦いだ! 動ける者は動けない者の回収もしくは氷雪のイクサカバネの群れを蹴散らせ!」
 朱音は緋十郎を肩に担ぎながら指示を出す。
「帰ろう、俺達の場所へ」
 と、言いながらカイはレミアの魂を幻想蝶に固定する。

「よっしゃー! もうひと暴れだよ!」
 レミア撃破と回収の知らせを聞いたシエロは、傷だらけの体を動かし氷雪のイクサカバネへの攻撃をより一層強く荒々しく大地を揺るがす程に戦う。
「あと、もうひと働きだ!」
 仙也は最後のインタラプトシールドを周囲の仲間に使った。
「……良かった」
 ニウェウスは撤退してくる仲間を眺めながらケリュケイオンを握り締めた。
「車両を用意したわよぉ♪怪我人を優先して、余力ある人はもうちょっと頑張ってね」
 Erieは雪上車に仲間を誘導しながらリフリジレイトを手にし、氷雪のイクサカバネの群れに冷気の風を巻き起こして攻撃をする。
 エージェント達は傷付いた体ではあるが、ほんの少しの力と大きな希望を手にして仲間が安全に撤退できるよう奮闘する。
「皆、撤退したのにまだ戦って……帰ろう」
 黒斗は機械の部分が破損し傷だらけのシエロを支えながら立たせる。
「ありがとう、ちょっと暴れすぎたね」
 ギィギィと、機械の脚が軋む音を鳴らしながらシエロは歩く。
「私たちも撤退しよう」
「そうだな……フィー、怪我してないか?」
 アルトはフィーを見上げた。
「大丈夫」
 フィーとアルトは氷雪のイクサカバネから視線を反らし、仲間が待っている後方へと帰還した。
 多くのエージェントが負傷した戦いであったが、しかし邪英化したレミアの魂と緋十郎を回収し、目的は果たせた結果となった。

担当:
紅玉MS
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社
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