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絶零 第1フェーズ:リプレイ

PCイラスト
ハーメル
aa0958
PCイラスト
飛岡 豪
aa4056
PCイラスト
廿枝 詩
aa0299
PCイラスト
藍那 明斗
aa4534
PCイラスト
庄司 奈津
aa4679
PCイラスト
夜城 黒塚
aa4625
PCイラスト
薫 秦乎
aa4612
PCイラスト
高橋 直房
aa4286
PCイラスト
国塚 深散
aa4139
PCイラスト
神取 偉
aa4351
PCイラスト
シエロ レミプリク
aa0575
PCイラスト
アンジェリカ・カノーヴァ
aa0121
PCイラスト
無月
aa1531
PCイラスト
鈴木 雪音
aa4780
PCイラスト
鳥居 翼
aa0186
PCイラスト
斉加 理夢琉
aa0783
PCイラスト
ガラナ=スネイク
aa3292
PCイラスト
虎噛 千颯
aa0123
PCイラスト
黄昏ひりょ
aa0118
PCイラスト
雅歐 兵太
aa4333
PCイラスト
五十嵐 七海
aa3694
PCイラスト
皆月 若葉
aa0778
PCイラスト
海神 藍
aa2518
PCイラスト
ファリン
aa3137
PCイラスト
鬼灯 佐千子
aa2526
PCイラスト
麻生 遊夜
aa0452
PCイラスト
古賀 佐助
aa2087
PCイラスト
ソーニャ・デグチャレフ
aa4829
PCイラスト
レイラ クロスロード
aa4236
PCイラスト
加賀美 春花
aa1449
PCイラスト
ユーガ・アストレア
aa4363
PCイラスト
シールス ブリザード
aa0199
PCイラスト
泉 杏樹
aa0045
PCイラスト
アガサ
aa3950
PCイラスト
繰耶 一
aa2162
PCイラスト
荒木 拓海
aa1049
PCイラスト
防人 正護
aa2336
●作戦開始
 ヴァルリアが雪原を渡りこちらへ接近してくる。
 その存在感だけは数キロ先でも主張しており、膨大な冷気が町へと流れ込んでくる。
 君たちは理解した、ヴァルリアという存在が、何を意味して、どこへ向かおうとしているのか。
 全てを零へ帰さんという執念。妄念。
 それが、響く方向と共に、君たちの肌へ突き刺さる。
 その残響は肌で聞き。ハーメル(aa0958)は寒さに震えながら乾いた唇をこする。
 うっすら滲んだ血に、体中の水分全てが奪われていく気分になる。
「ここで終わらせる……。だから後に続く仲間の為に繋げる! それだけだ!!」
 そう熱を帯びた拳を打ち付け。敵の訪れを静かに静かに待つ。
 直後、空気が変わった、これ以上の寒さは無いと思っていたのに、指先から感覚がなくなっていくような寒さ。
 そしてインカムが震える。
「目標、市街地に到達」
 仁科 ルミ(aa1065)は鷹の視界から目算で距離を算出、接敵までの時間を荒く削り出す。
「町の中心までおびき寄せて」
 ルミの額に冷や汗が滲む。やがて背の高い建物が並び立つエリアに差し掛かった時、ついに作戦は開始された。
 その矢先、ヴァルリアの目の前に躍り出る影がある。
 白に支配されたこの世界において、あまりに異質な赤。
 自身の美しい世界を侵されたようでヴァルリアは唸りを上げる。
「俺は闇夜を照らす赤色巨星!」
 直後躍り出たのは飛岡 豪(aa4056)決めポーズを取り、最上級愚神とたった一人で、真っ向から相対した。
「爆炎竜装ゴーガイン!【命綱】、推して参る!」
 先端を切り開くのは情熱の炎を纏ったヒーローそれに続くは、命を繋ぐ戦団。
 皆彼の声に呼応するかのように小隊【命綱】は雄たけびをあげ敵に突っ込んだ。
 あまりにもあからさまな奇襲、真っ向からの戦闘。
 ヴァルリアが内心何を思ったかは解らない。
 この戦力では足止めにしかならない。
 ヴァルリアへ砲撃を浴びせるエージェントたち。
 飽和と呼ぶにふさわしい多数の砲撃がヴァルリアを襲った。だがヴァルリアはすべてを零に帰する。熱、速度、ライヴス。そう言ったエネルギー的なものは全て。
 結果的にそれは絶対的な防壁と化して、弾丸を受け止め、ミサイルの類は起爆しようと爆炎までも静止し。
 ラインを引くように大量の不発弾、弾丸が一部に降り積もった。
「無意味だと知るがいい……お前たちの力では、零への回帰は止められない……」
 そうヴァルリアが告げた矢先、放たれる冷気の束ブリザード・ロアー。
 それに巻き込まれ多数のエージェントが宙を舞った。
「行け……」
 ここが好機とばかりにナイン・デュオを差し向けるヴァルリア。
「そろそろあったかくなるかな?」
 廿枝 詩(aa0299)の呟きに、月(aa0299hero001)が呟く。彼女と共に【猟】が展開した。
『勿論。地獄は灼熱に決まっているーー』
 背面に出現したカチューシャが次々と火を噴く。轟音をかき鳴らしながら飛んでいくロケットランチャーの弾幕を潜り抜け、しかしナイン・デュオはフィールドでそれらを防ぎながら次々とビットを展開していく。
 詩へ向けられたビットを前に、東宮エリ(aa3982)はその攻撃を自らに引き付けていく。
 激しい攻撃に、一気にその身を凍てつかされていく。
 だが一方的にやられるばかりのエージェントではない。
「グッモーニン、微睡のお嬢ちゃん。そしてお休みの時間だぜ」
 そのナイン・デュオを側面から襲ったのは小隊【3M】の面々。
 藍那 明斗(aa4534)は指示を飛ばしながら、戦場を渡り【3M】全体に指示をとばす。
 焦らず、冷静にナイン・デュオ一体一体に攻撃を集中させ、確固撃破を狙う。
 そんな【3M】を阻もうとナイン・デュオは包囲網を形成し始めた。
 だがそれも計算の範囲内。魔弾がナイン・デュオの行く手を阻む。
「お兄さんはやらせない……コールっ!」
 ――ええ。私達がついているもの。
 みぞれ(aa1556)の言葉に応じるコール(aa1556hero001)
 その弾丸はナイン・デュオに命中、注意をそらすと共に小隊メンバー反撃の起点となった。
「よし」
 ピンチを脱したとみるや否やみぞれは、さらにビット減らすため索敵を開始、そのスコープに映る適性生命体めがけトリガを絞る。
「守護こそ我ら騎士の誇りである! 挑む彼らの邪魔はさせぬぞ!」
 さらに【星冠】が戦場の中心に躍り出る。
 庄司 奈津(aa4679)はナイン・デュオからの攻撃に対処。味方のために盾となり、ライヴスフィールドを形成した。
「引き篭もりのお姫さん、そのまま眠っちまいな……永遠に、な」
 夜城 黒塚(aa4625)はビットをけん引。その攻撃をひきつけるが、家屋の建物を蹴ってその攻撃を回避。反撃とばかりに本体に向かって走り怒涛乱舞で敵を打ち付ける。
 こうして【星冠】はお互いの背をお互いが庇いながらナイン・デュオを迎撃していった。
「一撃が、一矢が、一閃が、生きんと足掻く者の声と知れ!!」
 シールドを粉砕し薫 秦乎(aa4612)が無防備となったナイン・デュオへと攻撃を仕掛ける。その水晶の体は脆く儚く崩れ去り、雪原の上に散らばることになった。
 同時に【鷹爪】も動く。
 高橋 直房(aa4286)は神斬により建物の窓から躍り出た、射程ギリギリからの斬撃。直後退避。
 奇襲によるナイン・デュオへの攻撃。およびビットを牽制。
「だーっ、糞が。殺らなきゃ殺られるんだろう? 選択肢なんぞ無えだろうが。」
 直房が動きをかき乱したところで国塚 深散(aa4139)が本体へと奇襲をかけた。
 すり抜けざまの斬撃は風のように空気ごと本体を切り裂く。
 苦無「極」の刃がぎらついて、陽光を反射する。
「止められるものならどうぞ。立ち塞がる全てに、この意思を貫き通すまで!」
 そして深散は振り返ることも無く加速。さらに別の敵へと一撃加えるために戦場を駆けた。
「その目に焼き付けろ! 爆裂閃吼ソルダイバー、参上!」
 その深散が生み出す戦場の混乱に乗じて。神取 偉(aa4351)が乱入。
 【命綱】隊長たる豪と背中を合わせてナイン・デュオを睨む。
 こうして戦場は刻一刻と表情を変えていく。
 開幕直後は綺麗に別れていた愚神とH.O.P.E.各陣営の配置。しかし僅か十分程でラインは混じりあい、混戦の様相を極める。
 その戦場を俯瞰してみているのがシエロ レミプリク(aa0575)だ。
「よお…………帰ってきたぜ!!」
 今回の大規模作戦、その立役者の一人である彼女は、前回の戦いで大破した傷を急ピッチで修復、突貫工事で戦場に戻ってきたのだ。
 すべては仲間の勇士を見届けるために。
 きゅぴーんとアイレンズが輝く。
 16式60mm携行型速射砲をガチャリと、重たい音を鳴らせて構える。自慢の両足で大地を深くとらえる。
 目標をマルチロック、それにはもちろんヴァルリアも含まれていて。
「全弾撃ち尽くせ!」
 戦場に降り注がれる弾丸。熱を帯び赤く尾を引く弾幕。
 それはヴァルリアにとって小石にも等しい影響力しか持っていなかったが。
 熱を持つということ自体が許されぬ。
 そうだ、この戦場には熱を持つものが多すぎる。早く零へ還さなければ。
 そんなヴァルリアの苛立ち助けるように戦場に花火が上がった。
 その昼間に灯る鮮やかな光をヴァルリアは茫然と見上げている。
「おお、いい花火を買ったね」
 そうのんきに花火を見あげていたのはアンジェリカ・カノーヴァ(aa0121)、彼女は手に持っている着火器でさらに別の花火に火をつける。
 見れば屋上一面に花火の山だ。すべてに火をともすつもりらしい。
「アンジェリカ・カノーヴァ一世一代のライブステージだよ!」
「……何のつもりか?」
 そうヴァルリアはアンジェリカめがけ冷気の光を放つ。
 それは直撃する――ように思えた。だがそれを代わりに受け止めたのは水竹 水簾(aa5022)。アンジェリカの眼前を横切るターゲットドロウの動きで攻撃目標をずらし、自らへ向けさせたのである。一撃目は避けたが、二撃目が彼の腕を捉え、凍てつかせる。
「くっ、さて、どうなることやら」
 骨までしみこみそうな冷たさを感じながら水簾は動く、その影を縛るために射程圏内までヴァルリアへと接近した。
 真正面から攻める水簾。そしてその逆サイドから合わせるように無月(aa1531)が奇襲を仕掛ける。
 ダメージということではそれほどではないが、真価は別にある。
 デスマークによる行動把握が目的だ。
「愚神よ、その身を持って知るがいい。熱き魂を持つ者の強さと輝きを……!」
「小賢しい」
「今日も夜更かし朝寝坊 慌てて飛び出す八時前♪」
 歌い続けるアンジェリカ、彼女をひねりつぶそうと思えば容易だろう。
 だが……あちらこちらから妨害の手が飛び、それどころではない。
 さらにそれとは別方向から火の手が上がる。鈴木 雪音(aa4780)が炎をともし。挑発的にヴァルリアを睨んでいた。
「さて、そろそろ還る時間だよ?」
 ヴァルリアの怒りの咆哮と共に、さらに気温が絶対零度に近づいた。
 だがその冷たさとは裏腹に熱を帯びる自身の精神。
「私と共に、舞い踊れ! 幻影蝶!」
 鳥居 翼(aa0186)の周囲に広がる英雄経巻。幻影蝶が羽を広げ、その身を凍らせながらもヴァルリアへと向かっていく。
「私自身に翼は無くとも! これが私の翼の眷属! さあ、看過できる技じゃないでしょ、ヴァルリア!」
 ぎらりと顔を向けるヴァルリア。
 掲げられた手の切先より走る凍気が蝶もろとも翼を襲う。
 沸騰しかけの精神と、冷静さも蒸発していく理性。
 絶対零度へ至ろうとすればそうする度、ヴァルリアの精神は熱を増していくのだ。


●燃焼
「ナイン・デュオ、来ます!」
 斉加 理夢琉(aa0783)が警告する。
「怯むこたぁねえ! 派手に暴れてブッ飛ばす!」
 先陣を切って、ガラナ=スネイク(aa3292)がとびかかった。爆導索で先頭のナイン・デュオを爆破し、大きく後退したところをドラゴンスレイヤーで仕留めていく。彼の派手な一撃が軸となって、【luar】小隊はビットとナイン・デュオを撃破していく。

「ここまで来たんだ! 最後綺麗に終わらせるんだぜ!!」
 そう建物の上をかけながら自部隊【駄菓子】に指示を飛ばす虎噛 千颯(aa0123)の部隊は、強襲班と陽動班に別れナイン・デュオを取り囲んでいた。
「てめぇの顔も見飽きたぜ。そろそろ退場願いたい所だ」
 そうわざとヴァルリアの眼前を横切って見せる地堂光(aa4284)。必ず守るという思いが無謀も無茶も成せる勇気を彼に与えたのだ。
 そして彼をはじめとした【久遠翼】【駄菓子】の陽動部隊へと合図を飛ばす。
「今だ!」 
 ヴァルリアが陽動班に気を取られた段階で、【駄菓子】は背面に集中攻撃。
 寒空に愚神の悲鳴がこだまする。
「まだだ!」
 追撃とばかりに黄昏ひりょ(aa0118)率いる【久遠翼】が追撃を仕掛ける。
 核シェルターでも粉砕できそうなほどの火力の束にヴァルリアは地に降り、雪煙を舞わせた。
「これ以上の悲劇は沢山だ。お前はここで倒す」
 そう全員が事の次第を見守る中、鋭くインカムから指示が飛ぶ。
「まだ排熱版の破壊まで至っていません」
 そうインカム越しに戦場全域に指示を出すのは雅歐 兵太(aa4333)で、彼は雪煙内の異変にいち早く気付いていた。
「起き上がるまで30秒。体勢を立て直してください」
 この戦域の【蝶】を束ねる彼は戦場の司令塔の役割を果たしている。
 その第一目標はもちろん。
「皆さん! 生きて帰りましょう! 僕は死にたくありません!」
 誰一人犠牲を出さない。そのために兵太は必死に頭を回す。
 直後雪煙の奥から発される冷気の光線。狙いをつけていなかったため、被害は建物の倒壊程度で済んだのだが。戦場からまた、ごっそりと熱が奪われた。
「生きてる感じがしないよ…………」
【義】筆頭。五十嵐 七海(aa3694)は雪の中から現れる強大な敵相手に、恐れ交じりの言葉を吐く。
 だが皆月 若葉(aa0778)が告げる。
「何が相手だろうと俺達ならできる……気負わずいつも通りいこうっ!」
 そう言って隣に並び立ってくれる人がいる。
「否定する。零とは終止符、次に繋ぐためのものだ……行くぞ、零の、その先へ」
 そう海神 藍(aa2518)が導いてくれる。
「無機質な貴方に一丸と成れる私達は負けないんだよ」
 七海は武装を高らかに突き上げて【義】全体に攻撃指令を出した。
 若葉は雪弓「シュネーグリューエン」を構え、藍は素早い動きで背後を取る。
「飽和射撃!」
 七海の号令で四方八方からの射撃が飛んだ。
 藍が先頭を切ってヴァルリアに一撃を仕掛け、その反撃を受ける。
 だがそれは、飽和射撃もまたひとつの誘導。本命は、藍の裁きのイカヅチ。
 黒色のトリアイナから凛と人魚の歌が響き、収束した熱量でヴァルリアの背中を焼いて切る。
 あと少し、あと少しだ。そう思った矢先。いっそう激しい凍風が吹き荒れ、エージェントたちを吹き飛ばす。激しい衝撃波が、あたり一面に広がる。
「まだだ……まだ……ッ!」 
 ゼロ・リフレインである。
 冷気を吸い寄せ、自身の体を再構築するヴァルリア。
 ただその背から立ち上る陰炎が、今までの攻勢の全て無駄に帰したわけではないと教えてくれる。
 排熱版へのダメージが見え隠れする。
 確実に状況は好転している、だからこそ ファリン(aa3137)は【王虎】の面々に指示を飛ばす。
「一時撤退を」
 【王虎】のファーストアタックは成功したと言えるだろう。
 だがこのまま混戦の中戦っていてもブリザード・ロアー等に巻き込まれるだけだと判断した。
 最後の奇襲作戦のために、戦いながらも敵をとあるポイントに追い込んでいく。


●排気
 鬼灯 佐千子(aa2526)は冷たいコンクリートに背を預け武装の最終チェックを行っていた。
 理想的な高台。敵を見下ろせる位置につける要塞と電波塔に陣取って。【鯱】は最後の好機を待ち続ける。
「――涼しい顔してられンのもッ、今の内よ…………!!」
 そう佐千子は西班の通信を聞きながらじっとタイミングを計っていた、最後の砦、ここを突破されれば戦いは泥沼になるだろう。
 そうなれば広範囲を殲滅できるヴァルリアの方が有利。
 依然としてナイン・デュオの数も多い。
 だが、佐千子はここから逆転できると信じている。
 仲間たちと、一緒に積み上げたこの戦況を信じ。銃口を額につけて、誰にでもなく祈った。
 その時である。
「来た、このポイントだ」
 屋上で見張りをしていた麻生 遊夜(aa0452)が雪上迷彩を解いて控えていた【鯱】の面々へ姿を見せる。
「こちら、西部隊。いつでもいけます」
 同時に古賀 佐助(aa2087)が応じる通信を飛ばした。
「さてさて、本命の為のお膳立て、きっちり熟しに行きますか!」
 その言葉にソーニャ・デグチャレフ(aa4829)が頷いた。


 【心眼】の、ブラッド(aa4236hero001)が主体となったレイラ クロスロード(aa4236)が、ヴァルリアに接近し派手な立ち回りで注意を引く。
 全ては続くエージェントたちの攻撃を導くため、自らの身を囮として。
「覚悟はできてるんだから!」
 ビルの屋上、降り積もった雪を蹴って加賀美 春花(aa1449)が飛ぶ。
 テレポートショットで放たれた銃撃が翼の一角を撃つが、彼女自身は更なる一撃を加える前にヴァルリアの攻撃によって弾き飛ばされてしまう。
 ユーガ・アストレア(aa4363)は雪原を駆けながらヘパイストスを構える。
 最初は慣れなかった雪上の戦闘でも、今では故郷の大地のように足になじむ。
 長い間この寒さに耐えてきた。
 しかし今日で終わりだと思えば踏ん張りも利くというもの。
「正義の力で、悪を止める!」
 射程ギリギリから継続的に射撃を行い、敵に注意を引いて進路を限定させる。
 味方にその視線が向けばあえてあけすけな攻撃をして見せ、注意をひきつけた。
 支援に徹する構えだが、それは効果的で、同時にヴァルリアの冷静さを激しく奪ったように思える。
「支援もまた正義!」
 その時、降り注ぐ冷気の光線、その中心にとらえられたユーガは四肢の末端から凍りつく感覚を味わった。
「まず…………」
 だがそんな彼を温かく癒す光がある。エマージェンシーケア。
 【遺跡】率いるシールス ブリザード(aa0199)がユーガを静かに見下ろしていた。
 その手を差し伸べ、シールスはユーガを立たせる。
 次いでシールスはヴァルリアを真っ向から見据えた。
「ここでお前を倒すつもりで、攻撃し尽くしてやる! 覚悟しろ!」 
 そう啖呵を切り戦域に散らばっていた【遺跡】のメンバー全員に召集命令。最後の攻撃に備え陣を敷かせた。そしてシールスはさらに一歩、前に出る。
「その熱を以って、一人で戦いを挑むか」
「一人じゃない!」
 直後、路地から踊り出たのは【遺跡】の面々。ヴァルリアはブリザード・ロアーのために冷気を集める。そして。
「皆に、攻撃させないの。杏樹が、お相手する、です。よそ見はダメなの」
 泉 杏樹(aa0045)がヴァルリアの攻撃を一身に引き受け、背後の仲間に後を託す。
「ジャックポットの本懐かね……その翼、狩らせてもらうぜ!」
 遊夜が告げると、直後【鯱】が挟み込むようにヴァルリアに全弾を斉射した。
 斜め後方からの集中砲火、その攻撃にヴァルリアの装甲ははがされていく。
「今ですわ!」
 ファリンの射撃指示。
 【王虎】はその全武力をもって、敵の装甲を削ぐ役割を担う。
「その殻、少し剥がさせていただくわ。グラタンの器にするの」
 トンデモないことを言い始めるアガサ(aa3950)。そんな彼女も、ブラッドオペレートを惜しみなく連発する。
「頃合いだね。殻、剥がして骨肉を堪能させてもらおうか」
 繰耶 一(aa2162)に至ってはトリオによる、目つぶしと翼への同時攻撃。
 ここに、余っていたフラッシュバンも投入して視界つぶしを徹底した。
「ぬおおおおおおお」
「二人は戻れた、が、ここからは、誰も向こうに行かせない為、協力し合おう」
 そう、ソロ組をまとめ上げ、ひとつの戦力として束ねるのは荒木 拓海(aa1049)
 建物の屋上に集結した戦力、その中心にいる拓海に【遺跡】リーダーであるシールスが頷き撃てと告げる。
 トップギア、チャージラッシュ。
 渾身の火力を拓海はヴァルリアの背に叩き込む。
 直後ヴァルリアの背からあふれ出た熱量が空に陰炎を生み出す。屈折率が変わった大気は揺らめき、空間を歪ませて、それがまるで翼のように広がった。
 呻くヴァルリア。
 ヴァルリアはなおも激しく冷気を発する。だがそのコントロールはうまく行かず、冷気の奔流はエージェントたちの勢いを削ぐのに至らない。
 防壁を展開できればいいのだが、振り返り防壁を展開すれば、今前面に展開しているエージェント部隊の攻撃を受けるだろう。
 度重なる翼への攻撃で、翼は小壊。全方位に防壁を張ることができなくなっている。
 このままでは……
 暫し逡巡するヴァルリアの横っ面に弾丸が撃ち込まれた。
「倒れねえよ!」
 シエロが叫びをあげる、マズルフラッシュで照らされたその表情はまるで鬼神のごとく。
 それに呼応するように小隊がまとまって攻撃を仕掛ける【星冠】【鷹爪】【駄菓子】をはじめ、エージェントたちはここで終わらせるという勢いで攻撃を仕掛けた。
 ヴァルリアはやはり障壁の展開が間に合わず、排熱処理が間に合わない。
 金属音のような苦悶の音を上げながらもがき苦しむ。
「ゼロに還るのは貴方です、食物連鎖によって」 
『――あぁ、満漢全席だ』
 【王虎】による一斉射。そしてファリンの渾身の一矢。それが排熱版の隙間を見事穿ち。特大の爆発がヴァルリアを叩き落とす。
「邪魔な翼は……もう使えねえなあ!」
 湯気を上げる砲口を雪に押し付けるシエロ。再び身体は軋みを上げていたが、これで重体のうっぷんが晴らせたという物である。
 全員が今度こそ終わったかとその様子を見守った。だが。
「反撃来ます!」
「おおおおおおおおおおおお!」
 だがヴァルリアもやられっぱなしでは済まさない。佐助めがけ吹き飛ばされてきた光が空を切る。
「伏せろ!」
 防人 正護(aa2336)が盾になってかばう。一気に凍り付いていくAGW。翼を破壊され、その光線は細く小さなものとなってもなおその冷気は彼の腕までも凍り付かせ、身動きを取れなくする。
「そんな!」
 佐助は思わず駆け寄った。
「人を守るためにエージェントになったんだから、エージェントを守ったっていい。だろ」
 それにここで彼を守れなければ家で待つ銀狐に何をされるか分からない。そう苦笑いを浮かべ。正護は意識を手放した。
 その直後、凍りついた町の中に悲鳴にも似た愚神の咆哮が轟く。満身創痍のエージェントに重要器官を破壊されたヴァルリア。
 ――ここから地獄を見せてやろう。
 疲弊した佐千子のかわりにリタ(aa2526hero001)が告げると。
 遠くから頼もしき足音が響くのを聞いた。
 本命の到着である、戦局は最終ラウンドへと駒を進めた。

担当:
鳴海
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社
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