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絶零 ドラマチックイベント(前半):リプレイ

PCイラスト
東城 栄二
aa2852
PCイラスト
橿原 悠
aa0004
PCイラスト
GーYA
aa2289
PCイラスト
蔵李・澄香
aa0010
PCイラスト
卸 蘿蔔
aa0405
PCイラスト
エリヤ・ソーン
aa3892
PCイラスト
楪 アルト
aa4349
PCイラスト
紫 征四郎
aa0076
PCイラスト
木霊・C・リュカ
aa0068
PCイラスト
リッソ
aa3264
PCイラスト
真壁 久朗
aa0032
PCイラスト
笹山平介
aa0342
PCイラスト
小詩 いのり
aa1420
PCイラスト
エイミー クォーツ
aa4234
PCイラスト
浅見 風子
aa4270
PCイラスト
小鉄
aa0213
PCイラスト
御童 紗希
aa0339
PCイラスト

aa3275
PCイラスト
烏丸 景
aa4366
●静止
「すべてを零に還す」
 ヴァルリアが平らかに言の葉を紡ぎ。
 ナイン・デュオどもがエージェントたちへと向かう。
 絶対なる静の内をかき乱す動の熱を険しく見やったヴァルリアだったが――伸べかけた腕を下ろした。
 此方の動は彼方の動と打ち消し合い、やがて零へ鎮(しず)むだろう。ゆえに、彼奴らの熱は必要悪と判断するべきである。
 しかしながら。
 動が鎮められた後、しかしてなお浮き立つ動があるならば、そのときはそう。此方であれ彼方であれ、自らの手で鎮めよう。
 それまではただ、ここで待つ。熱にあてられ、自らが動の一部と成り果てぬように。


●激突
『レガトゥス級は未だ沈黙を保って動かず。従魔群、来ます』
 オブザーバーを自認し、ヴァルリアの観測を担う東城 栄二(aa2852)が、通信機ごしにエージェントたちへ告げた。
 この班の任務は、ヴァルリア本体へ攻撃し、他班にヴァルリアを向かわせないよう足止めを担うことだ。
「突っ込む人は俺の後ろに……って、はぁ……めんど」
 うそぶいた橿原 悠(aa0004)がライヴスツインセイバーを握り、前へ。
 レガトゥス級を相手どるには経験不足。わかってはいたが、今は。目をつぶって踏み出すよりない。
「情報収集担当のみんな、なんでもいいからレガトゥス級のデータを……お願い!」
 情報統括小隊【蝶】のリーダー、GーYA(aa2289)が通信機へ言葉を吹き込んだ。
 これまで仲間がヴァルリア相手に演じてきた死闘を思えば、なにかを得ることと生きて還ることの両立がどれだけ難しいかは明白だ。
 だからGーYAは伝え、祈る。
「なんだよ、レガトゥス級は指揮執らないって!? ――オラァ!! んなとこチンタラ進軍してねぇでかかって来やがれー!!」
 【雫】小隊の仲間と共に、柏崎 灰司(aa0255)がナイン・デュオの群れへなだれ込んだ。
「日和見決め込むなんざ、ゆるさねぇって!」
 司令官役のいない従魔群はただまっすぐにエージェントへ迫り――激突した。
 前衛が激しくナイン・デュオを押し込む中、【観察眼】小隊長、森田 良助(aa4476)の声が先陣の後を追って戦場をはしる。
「地竜のころには高エネルギーに興味を持つことがあったんだよね? だとしたら……みんな火力を集中して! 高火力の“熱”でおびき寄せられるかもしれない!」
 良助に応えたのは、先陣に続いて遠距離攻撃を担うエージェントたちの一斉射撃だった。
「私は砲撃に集中するから! 皆、守ってね!!」
 【ゆるり】小隊の蔵李・澄香(aa0010)が隊員に、そして仲間たちに告げ、サンダーランスをリフレクトミラーで拡大。ヴァルリアへ叩きつけたが。
「!?」
 絶対零度のフィールドが、その雷のすべてを受け止め、散らす。
「まだまだ! これからですよ、すみちゃん!」
 同僚であり、幼なじみである卸 蘿蔔(aa0405)が澄香を促し、攻撃を継続する。
「まずは一点を狙うより、先陣が斬り込みやすいよう、従魔の最前列を押し下げましょう!! ……私の後ろに攻撃は通させません」
 聖盾「アンキレー」を押し立て、エリヤ・ソーン(aa3892)がナイン・デュオへシールドバッシュ。力の限り押し込んだ。
「ど派手にってなぁ……あたしに任しとけぇ!!」
 楪 アルト(aa4349)の背に展開したカチューシャMRLから16のロケット弾が飛び立ち、従魔へ爆炎をねじ込んだ。
 エージェントたちの遠近の連携攻撃で進軍の足を鈍らせるナイン・デュオ。しかしその本体より水晶のビットを展開し、迎え討つ。
 そこへ。
 エージェントの次陣が突っ込んだ。
「ここで押し負けてしまえば他のみなさんを危険にさらします! 私たちは、絶対に負けない!」
 轟。【特攻】小隊隊長、紫 征四郎(aa0076)が、大上段から紫光宿すデストロイヤーを振り下ろし、ビットを叩き割った。
 しかしその体には次々とビットが取り付き、肉を裂いて赤い血をしぶかせる。
「死ぬには日が悪い。今日はもう少しおとなしく戦って、生き延びておけ」
 征四郎とコンビを組む木霊・C・リュカ(aa0068)の援護射撃が、他のエージェントの攻撃と共にビットを穿つ。
 解放された征四郎は荒い息と共に鮮血を吐き捨てた。
「いいも悪いもありません。生きるために、叩き続けるしか。これは、そういう戦いなのですから」


●熾火
 ヴァルリアは部下たちの指揮を執っている訳ではないのか、敵は、ただただ闇雲に攻めかかってくる。
「連携されるのも辛いが、命知らずに突っ込んでこられるのも辛いものだ……」
 ナイン・デュオの猛攻を潜伏でやり過ごし、仲間の援護を続けるフェリクス ハイデマン(aa3256)がつぶやく。
 シャドウルーカーとしてはこのような「激突の裏」こそ見せ場ではあるのだが……愚直な突撃を繰り返すばかりの敵が相手ではそうにもならない。
『レガトゥス級移動中……ただし速度に大きな変化は無し。鷹にも眼を向ける様子なしだね』
 戦場の陰からヴァルリアの様子を監視する、リッソ(aa3264)の報告。
 エージェントたちは得物を縦横に振るい、向かい来るビットを次々と斬り払い、斬り伏せたが、しかし。
 なおヴァルリアは沈黙したまま、ゆるやかに首を巡らせるばかり。――と、その竜面が、他の戦場へ向けられ、止まった。
「このまま行かせるわけにはいかない……!」
 【鴉】隊長、真壁 久朗(aa0032)が奥歯を噛み締める。
 その決意に、隊員である笹山平介(aa0342)がうなずき。
「みなさん、頼みます」
 平介がリンクバーストを敢行した。
「レガトゥス級、こちらです」
 燃え立つライヴスを込めた銃弾を、ナイン・デュオの頭越しにヴァルリアへと叩き込んだ。
 それを隊員とともにクロスリンクで支える久朗が叫んだ。
「タイミングを合わせて、一斉にスキルを叩き込んでくれ!」
 すぐに通信が巡らされ、そして。
 ジャックポット及び遠距離攻撃を担うエージェントが撃ち。
 ブレイブナイト、バトルメディック両陣を始めとする防御型のエージェントと共に壁を成し。
 ドレッドノート陣、カオティックブレイド陣を中心とした攻撃特化型のエージェントが突っ込み。
 各所で潜伏攻撃、あるいは戦場の攪乱を担うシャドウルーカー陣が戦場へ突入。
 噴き上げるとりどりのライヴスがひとつの“白”を織り成し、ナイン・デュオを消し飛ばして戦場を塗り潰す。
 果たして。
『……レガトゥス級、来るよ! 攻撃を続けて!』
 GーYAが緊張した声で告げ、エージェントたちは休まず追撃に入った。
 ヴァルリアを引き寄せるエネルギーを……ライヴスをかき立て続けるために。


●睥睨
 中空を悠然と飛び、ヴァルリアが来たる。
 1ミリ近づかれるごとに、1度気温が押し下げられるようだ。
 地竜の外殻を脱ぎ捨てたヴァルリアはまさに純然たる凍気であり、“零”であった。
「ここからが本当の始まりだね――!」
 吹き出した瞬間に凍りついた汗を指先で剥ぎ落とし、重傷者の治療にあたっていた小詩 いのり(aa1420)は唇を噛む。
『冷凍光線が来る!』
 リッソの警告が通信機を揺らし。
「零へ還れ」
 伸べられたヴァルリアの掌より、冷凍光線が放たれた。
 進路上のビットを、そればかりかナイン・デュオをも巻き込み、雪原をはしる青き光。エージェントが身を隠した盾をその腕ごと凍りつかせ、直撃を避けたはずのエージェントの装備に霜を食らいつかせ、侵す。
「部下もわたしたちもおかまいなし!?」
 雪の上をヘッドスライディングして光線をかわした【黒猫】小隊隊長エイミー クォーツ(aa4234)が驚愕の声をあげ。
「零に還しているのでしょう。どうやらそれ以外に興味はないようですしね」
 助け起こした隊員の浅見 風子(aa4270)が苦い声音を返した。
 その間にも遠距離攻撃を中心にしたエージェントの攻撃が続く。
 対するヴァルリアは絶対零度のフィールドを展開した。エージェントの矢弾は半ばが盾に吸われて凍りついたが、残りの半ばはそれ以上の防御も回避も行うことのないヴァルリアの体へ届き。

 突き立ったはずの矢が。食い込んだはずの弾が。
 砕け落ちていく。

 凍りつかされたのだ。ヴァルリアの身を包む極冷のライヴスによって。
 すべての矢弾が落ちた後のヴァルリアは――
「レガトゥス級に、ダメージ、確認できずでござる……!」
 平介を守って立つ小鉄(aa0213)の報告を聞くまでもなく、その場のエージェント全員が見届けていた。ヴァルリアへつけたはずの傷が凍気によって塞がれ、跡形もなく消えたことを。
「すべてを、零へ……」
 冷淡に告げたヴァルリアがブリザード・ロアーで戦場を薙いだ。
 先と同様に撃ち抜かれ、砕け散る従魔。
 エージェントたちは従魔を盾に光線を避け、凍雪に転がり、仲間をかばい、反撃し、そして必死に考える。
 いったい、どうすればいい……!?
 地を這いずるエージェントらを無機質な眼で睥睨するヴァルリア。
 背より拡げられた多数の“翼”が、その内にわだかまったライヴス――動の熱を噴き抜いた。それによって“零”は純度を取り戻し、絶対の凍気となってヴァルリアを満たす。
 ヴァルリアから抜け出した熱は、周囲の冷気とぶつかって濁った悲鳴をあげる。そしてついには氷の欠片と化し、きらめきながら散り落ちていった。


●兆し
「――息しろ! 狙え! 撃て! 敵はそこにいるんだよ! 正坐して待ってたら、一気に凍らされるぞ!」
 ウーリーMGLからグレネードを連射し、御童 紗希(aa0339)吼えた。
 遠距離攻撃担当と共に、長射程を備えるAGWを手にした近接攻撃担当エージェントが猛攻を開始。さらには他のエージェントも残り少ないスキルを重ね、それを援護する。
 ああ。
 ヴァルリアは自らに襲いかかる攻めの熱と、その熱源たるエージェントを見渡した。
 これほどの熱が蠢き、零を侵している。
 止めなければ、熱を。
 還さなければ、零へ。
「我がすべてを尽くし、彼の火を消す……!」
 ヴァルリアはすべてを吹き払うべく凍気を撓め、“翼”を大きく展開した。
「……あれを叩けば力をそげるかもしれん。――無茶も平常運転になってきたな」
 御神 恭也(aa0127)が残るナイン・デュオを踏み台にして跳んだ。攻撃目標は、“翼”。
 が、ドラゴンスレイヤーの一撃はフィールドに弾かれる。
「こちらCourier9、敵の力量……資産調査を開始する」
 ロケットアンカーを“翼”に巻き付け、ヴァルリアの体にしがみついた爻(aa3275)が、その翼に触れ、大きく顔をしかめた。防具を越えて侵入した凍気が、彼女を侵し、活動を封じていく。
 さらにヴァルリアは体を震わせ、爻を振り落としにかかった。今までとはあまりにもちがう、神経質な動きで。
「やはり、そこか!」
 雪に落ちた恭也が右手のライヴス結晶を割り砕き、リンクバースト。ライヴスの奔流に乗って再び“翼”へ跳んだ。
「ここ、ですね」
 平助のアンチマテリアルライフルが、同時に撃ち放される。
 彼らの攻撃は動きを止めたヴァルリアの“端”に食らいつき、瞬く間に凍りつかされ――蒸気が漏れ出すような音と共に、冷気の衝撃波がエージェントを打ち据えた。が。エージェントたちの中に、倒れ伏した者はない。
 そして変わらず宙に在り続けるヴァルリア――先端をわずかに欠けさせた“翼”の全体がほのかに赤らんでいるのが見える。そしてその赤を周辺から吸い寄せられたとおぼしき大量の冷気が押し包み、しゅるしゅると細い蒸発音をあげていた。
「ライヴスの流れがおかしい?」
 栄二が眉をひそめた。
 ヴァルリアを包むライヴスはあまりにも強大であり、正確な強度や流れを知る術はなかったが……あの“翼”に流れるライヴスが他の部分のそれとちがうことは明確だ。
 と。
 三度の冷凍光線がエージェントを襲った。
 先ほど同様、耐えられる程度の光線が、だ。
 なぜかまではわからない。だが今、ヴァルリアの攻撃力は低下している。
 エージェントたちは攻めに転じ、群がる従魔を蹴散らしてヴァルリアを撃ち、打つ。
 なされるがままエージェントの攻撃を受け続けるヴァルリア。
 しかし。
 その龍人体が、唐突にその凍気を取り戻した。
「散開を! あの凍気は、危険です!!」
 試作型88mmAGM「バラック」で“翼”攻撃を支援してきた烏丸 景(aa4366)が高く告げる。
 散開したエージェントを、凍気の衝撃波が吹き飛ばした。
「静止せよ!」
 動かず、誇らず、見下さず、淡々と。薄赤の消えた“翼”を拡げたヴァルリアが、静かに言い放った。

担当:
電気石八生MS
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社
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