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絶零 ドラマチックイベント(前半):リプレイ

PCイラスト
虎噛 千颯
aa0123
PCイラスト
桜小路 國光
aa4046
PCイラスト
三木 弥生
aa4687
PCイラスト
豊浜 捺美
aa1098
PCイラスト
狐杜
aa4909
PCイラスト
テジュ・シングレット
aa3681
PCイラスト
赤城 龍哉
aa0090
PCイラスト
ナガル・クロッソニア
aa3796
PCイラスト
鹿島 和馬
aa3414
PCイラスト
柳生 楓
aa3403
●戦い
 狙うはヴァルリアの周りに浮遊するナイン・デュオ、そして――邪英化したLe..(aa0203hero001)。
 能力が未知数の敵と、先の戦いで取り返せなかった仲間。
「いい加減こっち側に戻ってきて貰わないとな!!」
 【駄菓子】隊長、虎噛 千颯(aa0123)が仲間を見回して気合を入れた。
 今度こそ、大切な仲間を邪悪な力から解き放つ。
 同じ思いを胸に秘める仲間たちは頷き合い、雪の大地を走り出した。

 泡沫のような何かに包まれた女性のような丸いフォルムの人型は膝を抱え、まるで心がこの場にないような、今にも眠ってしまいそうな表情をしている。
 本体を覆う水のようなそれは地面に触れることなくふわふわと浮いていた。
 ナイン・デュオの周りに水晶体が幾つ警戒するように浮かんでいる。
 迫りくるエージェント達の姿に気が付いたのか水晶体の動きが変わった。
 小隊で陣を組み、守るべき誓いを使用した【久遠翼】の地堂光(aa4284)に標準を合わせる。
 キュルッ!
 ナイン・デュオの周りを浮遊している幾つもの水晶から冷たい光が放たれた。
 降り注ぐ細い光。
 幾らかは彼が構えた盾が跳ね返すが肌を薙ぐ光は鋭く、裂傷部分を凍てつかせいく。
「仲間の救出までは時間稼がせてもらうぜ」
 地堂は引くことなくミラージュシールドを構えたまま距離を縮める。
 その後ろから黄昏ヒロ(aa4723)が飛び出した。
 【久遠翼】はナイン・デュオの周りに浮かぶ水晶体、ビットを狙う。
 ガキッ!
 ブレイブソードの刃が水晶の一つを捉えた。
 水晶体にビキッ、とひびが入る。
 だが、その中央から再度歪みなく光の筋が放たれた。
 黄昏クロ(aa4287)がレギウス写本を開く。光の槍が生まれ直線的に飛び、ビットへと突き刺さった。
 ビットが砕けガラスのように粉々に散る。
 彼らに合わせ他の幾つかの小隊もビットを狙い攻撃を繰り出して行く。
 双神剣を携えた【古書】の桜小路 國光(aa4046)は部隊先頭からナイン・デュオ本体へと切り込んだ。
 國光は地を蹴り浮遊するナイン・デュオへと双剣を振るう。
 だが、その一撃は何かに阻まれるように一瞬で威力を失った。
 水のような表面に当たり剣の刃が跳ね返される。
 本体を覆う水は小さく波打つもののそれ以上の変化は見られない。
 固いのか?
 いや、明らかに違う。
 攻撃エネルギーが消えた、いや、停止した、というべきか。
 これが原子運動の「凍結」。
 目の前の國光に目がけナイン・デュオの周りを浮遊するビットが光り、コールド・ビットが放たれる。
 三木 弥生(aa4687)がタスヒーンシールドで割り込み國光をカバーリングする。
 中衛、後衛が息を合わせ、ビットへと遠距離攻撃を打ち込んだ。
 ひび割れ二つほどビットが砕け散る。
 更に【古書】は追撃を行った。
「また来やがったか」
 ナイン・デュオと交戦を始めたエージェント達の姿を認め、邪英Le..が目を細める。
 耳に残るあの声が、また聞こえるような気がした。
「ねえ、“聖さん”!」
 ただ、それだけだ。意味などない。
 そう聞こえる気がするだけ。
 改めてエージェント達を見据え、そして自分に向かってくる影を見た邪英Le..は舌なめずりをし口端を釣り上げた。
「まだまだ楽しめそうだなッ!」
 ツヴァイハンダー・アスガルを担ぎ上げ全力で走り出す。
 わざと向かってくるエージェントではなく、ナイン・デュオと対峙しているエージェントの一人を狙って。
 大剣を振り下ろし切りかかる。
 カキンッ!
 が、その一撃は千颯の盾で跳ね返された。
 数多く放たれた鷹の目により、既に邪英Le..の位置は把握済み。
 彼等を取り戻す決意をした大勢がすぐ近くまで既に移動してきていたのだ。
「聖さんみつけたー!」
 豊浜 捺美(aa1098)が邪英Le..を前に叫ぶ。
 ビンタで起こす。
 捺美を含む幾人もの人が聖とLe..を連れ帰るのだという気概を込めて【聖殴】という名を掲げた。
「殺し合おうぜッ!」
 だが、その気持ちは伝わっていないのか薄笑いを浮かべ一度後方へと邪英Le..は飛ぶ。
 既に多くのエージェント達が邪英Le..の瞳に映っていた。


●貫通
 邪英Le..との交戦が始まる中、ナイン・デュオとの戦いも熱が加速していく。
 水晶体ビットの撃破で攻撃力は減らせたものの、攻撃が通らない事実がそこにあった。
 まるで消されているように。ライヴスのエネルギーが四散してしまう。
 だが、幾度も攻撃を重ねる中で後衛で敵を注視していた狐杜(aa4909)は気が付いた。
 ナイン・デュオ本体を覆う水に浮かぶ波紋。
 既に魔防が高いであろうことは事前に分かっていたが、それが確定的になる情報と言ってもいいのかもしれない。
 その間にも【古書】の面々の攻撃が次々とナイン・デュオに降り注ぐ。
 赤いライヴスの炎が、剣の刃が、鋭く放たれる弓矢が、何度もナイン・デュオのフィールドに突き刺さる。
 やはり攻撃の殆どは一瞬で姿を消すが、水に浮かぶ波紋が攻撃のたび徐々に大きくなっていった。
 その変化は何を意味するのか。
 ……パシャッ!
 水飛沫のような音が響き、最後の一撃が水の向こうへと貫通していた。
 まるでフィールドが度重なる攻撃に耐えられなかったかのように。
 意志の無かった瞳が見開き、一瞬、本体と思われていた女性が微笑みを浮かべた。
 ナイン・デュオが操っていた水晶体がボトボトと雪の上に落ちる。
 そして、ナイン・デュオの体は水のように溶けて消え去った。
 すぐに狐杜は【蝶】へと見たことを伝える。
 だが、すぐに別のナイン・デュオが【古書】の目の前に姿を現した。
 先の戦いを見ていたのかナイン・デュオは ふわりと高く浮き上がっている。
 上空、10メートル程だろうか。接近戦を警戒しているようだ。
 下を見下ろし後衛へと狙いを定め。
 キュルルルルッ!
 水晶から幾つもの光が【義】後衛へと降り注ぐ。
 状況によって戦略を変えるとするならば、ナイン・デュオの知能は人間並みと言えるだろう。

 小隊【義】も連携をしつつ一体のナイン・デュオと対峙していた。
 攻撃が消えることも厭わず何度も繰り返し一点へと重ね続ける。
 幾度も同じ個所に繰り返される攻撃からの綻びか、重ねられたダメージの効果か、ナイン・デュオを覆う水の波紋が大きく波打った。
 すかさずテジュ・シングレット(aa3681)が手にした長巻野太刀「極光」真打の刃を突き立てる。
 水の膜を通り抜けそして中の人型へと刃が貫通した。
 だらり、と力を失ったようにナイン・デュオ本体の腕が垂れる。
 水が弾け、ナイン・デュオの体も水のように溶けだした。
 雪の上へ水滴が落ちる。
 テジュはナイン・デュオの安らかに眠ったような顔を最後に見た。


●帰還
 ナイン・デュオの弱点が判明し【蝶】の伝達により情報が共有され徐々に数を減らしていく。
 だが、一番厄介なのは邪英Le..とはまだ激戦の最中だった。
「流派の看板背負ってる奴がいつまでも敵に良いように使われてるんじゃねぇ!」
「こんだけの仲間がお前らを迎えに来てんだ――いい加減、正気に戻れっての!」
「帰ってきてください聖さん! 貴方がいないと! 日常は帰ってこないんです!」
 【BR】の赤城 龍哉(aa0090)が、【駄菓子】の鹿島 和馬(aa3414)が、【戦狼】の柳生 楓(aa3403)が、どの小隊も隔てなく代わる代わる邪英Le..に、いや中に眠る聖に叫び続ける。
 対抗するエージェント達と邪英の血が雪の上を赤く染め上がっていた。
 途中からナイン・デュオが一体交じり邪英Le..のメーレーブロウで引っかき回され乱戦と化している。
 幾度も受ける攻撃に邪英Le..の体力もかなり削られているだろうが、より楽し気に邪悪な笑みを浮かべ、その強大な攻撃力は威力を増していた。
 乱戦故に遠距離攻撃を当てることがやや難しいが、それでもやめるわけにはいかない。
 今度こそ、何としても取り戻す。
 その強い意志がエージェント達の闘志を燃やし続ける。
 遠距離から数名が合わせて攻撃を放つ。
 魔力を帯びた攻撃が雨のようにLe..に降り注いだ。
 が、しかし。
 その中を畏怖することなく走り、距離を縮めエージェント達の命を狩ろうとする邪英Le..。
 恐怖を知らない。いや、相手があと少しで力が尽きようとしていることを察しているのか。
「絶対に、絶対にだめ……!」
 ナガル・クロッソニア(aa3796)が叫んだ。
 聖にそんなことはさせたくない。
 絶対に。
 誰よりも、聖を連れ戻したい。
 だから、今、自然に彼女の体は動いていた。
 皆が何回だって、彼の頬を引っ叩いた。
 例え威力は無くたって、届くことを信じてた。
 分身を作り出し走る邪英Le..の目の前に突っ込む。
 猫騙しの牽制で一瞬だけ怯んで立ち止まった邪英Le..。
 パンっ!
 一体何回目だろうか。邪英Le..の頬を掌が嬲ったのは。
 だが、やはり邪英Le..は動じた様子を見せない。すぐに気を持ち直しナガルへと反撃しようと構える。
 次の瞬間――。
 ナガルは邪英Le..に抱き着いていた。
「起きて。寝てちゃだめでしょ!」
 耳元で、届くように。
 ガッ!
 邪英Le..はナガルを乱暴に突き飛ばした。
 ――やはり、届かなかったのか。
 カウンターが来る、と身を固めるナガル。だが邪英Le..は動かない。
「今だ!!」
 誰が言っただろうか、一斉に攻撃が集中する。
 煙が立ち上がる程の。
 そして……立ち尽くしたままのLe..の姿。
 ゆらり、と動いてナガルへと近づいて行く。龍哉が追い打ちを準備する態勢に入った。
 だが、Le..はナガルの前に立ち止まる。顔を上げて俯く彼の顔を覗き込むナガル。
「……ただいま」
 ただその一言だけを残して、邪英Le..はいや、聖はその意識を手放した。
「……おかえり……っ」
 倒れる聖を抱きとめてナガルは聞こえていないであろう彼に返事を返す。
 「想い人」の声は、ずっとずっと彼に届いて居たのかもしれない。
「お、おわった……」
「帰ろう……聖。ルゥ」
まだナイン・デュオが残っている、此処は危ない、とナガルに声をかけ意識を失った彼を【駄菓子】リーダーとして千颯は幻想蝶を用いて状態を固定するよう促す。
 二体のナイン・デュオを残し東海林聖、Le..の二人を助けようと立ち回っていた彼らは撤退準備を始めた。

 無事に邪英化したLe..の回収に成功し、敵の数も確実に減らした。
 しかしまだ十分とは言い切れない。
 けれどもエージェント達の重ねられた攻撃が、敵の能力のベールをはぎ取った。
 つまり有効手段を得たという事だ。
 成果は十分。
 本戦はニジニ・ノヴゴロド。
 今は一時退却し、体勢を立て直す。
 その指示を受け、彼らは後方に鎮座する大都市ニジニ・ノヴゴロドへと足を向けた。

担当:
時鳥MS
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社
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