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神月 第2フェーズ:リプレイ

PCイラスト
黒金 蛍丸
aa2951
PCイラスト
リッソ
aa3264
PCイラスト
夜代 明
aa4108
PCイラスト
天野 心乃
aa4317
PCイラスト
鬼子母神 焔織
aa2439
PCイラスト
佐藤 鷹輔
aa4173
PCイラスト
狒村 緋十郎
aa3678
PCイラスト
古賀 佐助
aa2087
PCイラスト
天城 稜
aa0314
PCイラスト
麻生 遊夜
aa0452
PCイラスト
黄昏ひりょ
aa0118
PCイラスト
鬼灯 佐千子
aa2526
PCイラスト
ルーシャン
aa0784
PCイラスト
桜茂 まみ
aa1155
PCイラスト
鹿中 靖一郎
aa0841
PCイラスト
世良 霧人
aa3803
PCイラスト
世良 杏奈
aa3447
PCイラスト
煤原 燃衣
aa2271
PCイラスト
繰耶 一
aa2162
PCイラスト
鋼野 明斗
aa0553
PCイラスト
水瀬 雨月
aa0801
PCイラスト
流 雲
aa1555
PCイラスト
ガラナ=スネイク
aa3292
PCイラスト
幻・A・ファビアン
aa3896
PCイラスト
GーYA
aa2289
PCイラスト
カグヤ・アトラクア
aa0535
●情報部隊【蝶】
「ん、こちら【蝶】。皆の集めた情報は統括した後皆に送るね。ご武運を」
 情報部隊【蝶】のリーダー黄昏クロ(aa4287)は何度も鳴る通信機を取りながら情報を纏めていた。北西部方面、南の友軍方面、門への偵察班を含め、全ての情報を受け管理する。それが【蝶】の役目だ。
 事前に入手していた現地地図を10マス1ブロックで戦域を視覚化し連絡が入ればすぐに更新。
 戦場地形、敵位置、苦戦・優勢地域、避難状況等を必要に応じ簡易に纏めた情報を通信機の向こう側の相手へと渡す。
 それを同じく【蝶】所属の高橋 直房(aa4286)と共に出来うる限り対応していく予定だ。
 南友軍と連絡が取れれば連携し突破口候補地点への誘導をも行う。
 うまく情報の伝達を行えば状況は優位に立てるだろう。

●残党狩り
 戦場特有の数多の音が入り交じり、再び交戦が始まったことを告げていた。北西部方面、山地の先。ゴーストナイトとマウトゥ・アクラブの群れに二十名弱のエージェントが飛び込んで行った。
 ガデンツァが残した残党に第二陣とも言うべきか、増援を加えた部隊を殲滅せんと少数の精鋭がその場に残り、刃を交える。
「【暁】ならではの戦い方……とくと味わってください……」
 黒金 蛍丸(aa2951)が指揮を執り、部隊【暁】は真っ先に飛び込み撹乱する者と別れ、前衛と後衛に分かれた陣を構えた。防御の低い後衛を庇い、仲間の回復を迅速に行うことが出来る。リンクバリア等の一定の範囲に効果のあるスキルも効率よく掛けることができた。
 まず、近づきすぎず遠距離の攻撃を的確に敵へと当てていく。ゴーストナイトには一斉に複数で攻撃を仕掛ける。出来うる限り部位を狙い一撃の火力を上げる算段だ。
 部隊【暁】から放たれる射撃は確実に一体ずつ敵を捉えていった。射撃の隙間を抜け迫りくる敵は前衛が迎え撃つ。蛍丸が部隊を崩さないよう集中する。それぞれの役割を的確にこなしていく【暁】らしい戦い方だ。
 一方、リッソ(aa3264)は夜闇にライヴスの鷹を放ち得た情報を情報部隊【蝶】に送りつつ次の一手を考えていた。
 敵の数も多いが場所も広い。個別に突っ込み敵に囲まれている味方を見遣る。
 そして、持ってきていた花火セットを取り出し、シュッ、と火を点す。眩い華が夜の闇に咲いた。虫の本能を刺激されたマウトゥ・アクラブ達が光を求め花火へと向かい来る。すかさずリッソは孤月を薙ぐように振るった。
 矢や弾が宙を飛び、ライヴスの輝きが闇夜に霧散し、一体ずつ敵の数は確実に減っていく。しかし、呪声が体の内部からリンカー達を蝕み、また鋭く大きな鋏が肌を掠める。
 ひたすらに敵陣の中、マウトゥ・アクラブを中心に攻撃を繰り返していた夜代 明(aa4108)の背にゴーストナイトの鋭い《瘴気斬》が振り下ろされた。激痛と共に血が散りその場に倒れ込む明。ひゅっ、と呼吸が細くなる。
 更には群れに囲まれぬように拳を振るっていた天野 心乃(aa4317)も次々に放たれる攻撃を避け切れずダメージが蓄積していた。唸るような地響きのような呪声に体の奥から激痛が走り膝をつく。倒れるまで、殴り続ける。そう決心していた心乃は弱くなった拳を振り上げ傍らのマウトゥ・アクラブを一体葬る。が、直後、遂に意識は闇に落ちた。
 混戦が続いて行く。味方の中にも深い傷を追い動けなくなる者が出始めた。
 相手は残党、強大な脅威であるガデンツァはもう居ない。優位に立ち後は狩るだけ、そう油断していたのだろう。
 敵の個々の力は決して強くはない。だが圧倒的に相手の数の方が多い。足りない手数の影響が出てくる。じわじわと後退を余儀なくされ、有利だった戦況は徐々に膠着していく。先陣を切っていた者たちが倒れ、身を隠し遠方から攻撃を繰り出していた者にも敵の攻撃が迫りくる。
「ご自愛を……我々は、この戦で傷付いては、ナリませヌ」
 部隊【暁】の鬼子母神 焔織(aa2439)が後方へフリーガーファウストG3を放ち、敵陣の中に穴を空けた。そして味方に後退を促す。
 今出来ることは膠着状態を維持したまま南側や門へと分散した仲間の背後にこちらの敵を向かわせないことだ。
 多くが混じり合う戦いの音は未だに響いている。

●惹きつけろ、レガリス・エニア
「そちらの戦況を教えて下さい、です!」
 部隊オルカ【鯱】の司令塔ゼノビア オルコット(aa0626)が通信機の先にいる仲間に声を掛ける。相手は南側、敵の包囲攻撃を受けている友軍の一人、佐藤鷹輔 (aa4173)だ。
 こちらに背を向け南へと向かうレガリス・エニア達の背を見上げながらゼノビアは彼から現在の戦況を聞き出す。
 極めて危険な状況であり、友軍の背後にレガリス・エニアが向かい包囲を固めていることを知る。
 ゼノビアは南側へと向かう有志の為、持ちうる情報を【蝶】へ渡した。【蝶】により情報は瞬く間に拡散される。
 南の友軍の活路を見出し、助けるため、三十強のエージェント達が南へと駆ける。召喚されてきた英雄はもちろん、肩を並べて戦ってきた従来の仲間も見殺しにすることはできない。
 闇夜に色とりどりの光の華が咲いた。陽動作戦の一環として部隊【糸操り】の者たちが花火に火をつけたのだ。辺りに大きな音が響く。
 しかし、レガリス・エニアはその様子を一瞥するだけで何事もなく南へと進んでいった。
夜目が効き、人と同じレベルの知能を持ち合わせているレガリス・エニアには彼らの行動が明かに陽動である、ということが判断できたからだ。
 閃光が彩る中、南側へと全速でひた走る影が数人。南側へ力任せに斬り込んで行こうという者たちだ。
「レミア、見ていてくれ……この血塗られた魔剣が、誰かを救う刃となる処を……!」
 先陣を切ったのは重厚で武骨な両刃の大剣、魔剣「カラミティエンド」を握る狒村 緋十郎(aa3678)。陽動撹乱と友軍鼓舞も狙い派手に大剣を振るいレガリス・エニアの密集地帯に突っ込んで行く。後方からの突撃を無視することは叶わず、レガリス・エニアの数匹がレギ・グラディウムを構え緋十郎へ刃を向ける。幾つもの魔法の剣は彼の肌を薙ぎ、傷つけ、血が流れだした。
 しかし、仲間救う為、体動く限り前へ、一体でも多く、その強い気持ちが緋十郎の体を前へ前へと動かす。友軍の突破口開く為、血を散らしながらも彼は大剣を振り続けた。
 この身続く限り、力尽きるまで。
 【鯱】のメンバー古賀 佐助(aa2087)が「ライヴスプラズマカノン」の携行モデルLpC PSRM-01を構える。この武器は射撃時には銃身を地面に固定する必要があり身動きが取れなくなるが威力は大きい。ゼノビアは彼を護るように配置につく。
「闇夜の山岳戦……大丈夫、僕達なら側面攻撃を成功させられるさ。」
 天城 稜(aa0314)が仲間全員にライトアイと盾として守りを担う前衛にパワードーピングを施しながら勇気付けるように仲間へ声を掛ける。
 同メンバーである麻生 遊夜(aa0452)は黒いローブを纏い闇に紛れた。敵からの不意打ちなどを警戒しながら静音性を利用して皆とは少し離れ合図を待つ。
 他の【鯱】メンバーも各々が配置につき、自身の役割を全うすべく静かにただその時を待っていた。
 そして空中漂うレガリス・エニア一体にLpC PSRM-01が火を噴くのを合図に、【鯱】メンバーが一斉に砲火。
 不意を突かれたレガリス・エニアが多大な火力を浴び、翼が折れ地へ急落する。その隙を逃さず更に一斉に砲火し追撃を食らわす【鯱】。LpC PSRM-01だけが3分間の冷却を余儀なくされている。
「一体倒せば脅威は一体分減る。この差は大きい。皆で畳みかけよう!」
 確実に一体を仕留めると黄昏ひりょ(aa0118)が大きな声で叫んだ。味方の士気が高まる。
 しかし、仲間の一体が撃墜されたのを見て取ったレガリス・エニア達が、攻撃の軌道を追い【鯱】達へと向き直る。その数五体程か。レガリス・エニアは【鯱】を排除すべき敵だと認識したのだ。
 レガリス・エニアが自身の周囲に展開した魔法陣から雷撃を放った。壁の役割を担っていた鬼灯 佐千子(aa2526)が飛び出し狙われた仲間を庇う。痺れが全身を震わせた。そこに別のレガリス・エニアが謎の言葉を呟いてレグラ・レギスを掛ける。体に何かの重さを感じ千佐子の動きが鈍るが、稜がクリアレイを駆使し、即座に千佐子の動きを解放した。
「すまんがこの先に大事な用があってな……邪魔だから残らず落ちやがれ!」
 遊夜が声をあげ、もう一度、【鯱】が新たなターゲットに一斉に攻撃を繰り出す。
 一手一手、息を合わせ攻撃を繰り返していく部隊【鯱】。ライトアイのおかげか【鯱】達の動きはこの暗闇でも俊敏だ。稜を始め、数人のメンバーで交互にライトアイを掛け続けているため、効果が切れることは早々にない。
 しかし相手はケントゥリオ級であり、また知能もある。壁として立ち回るメンバーより狙撃者を空中から狙ってくる。
 宙に浮くことのできるレガリス・エニアにとって、魔法の障壁レギ・スクトゥムにより攻撃を弾く術があるとはいえ、狙撃手が最も警戒する相手なのだろう。
 今の前衛の人数ではレガリス・エニアの攻撃を全て受け止めることは出来ない。
 徐々に傷が増え、隊員にダメージが溜まっていく。
 もちろん、【鯱】だけがうまくレガリス・エニアを惹きつけたわけではない。
「こっちにおいで! 一緒に踊ってあげる!」
 ルーシャン(aa0784)は敵軍に包囲されないよう気を配りながら敵の勢力を分断すべく守るべき誓いを発動した。ライヴスに吸い寄せられるように近くにいたレガリス・エニアはルーシャンヘと向き直る。輝く光の線が彼女へと降り注いだ。
 その隙を桜茂 まみ(aa1155)は見逃さない。アサルトライフルを構えロングショットでルーシャンを狙うレガリス・エニアに一撃を食らわす。更にレガリス・エニアの足元に陰陽印が浮かび上がり放電がレガリス・エニアの体を駆け抜けた。鹿中 靖一郎(aa0841)が隠れながら隙を狙い周易経で攻撃したのだ。
 レガリス・エニアが周囲を伺うも靖一郎の姿を捉えることは出来ない。彼は一定時間毎に移動を繰り返し敵に位置を把握されないようにしていた。
 そこに更に単独で行動していた者達の弾丸や矢がレガリス・エニアを襲う。まみを中心にソロ活動者達が協力し合い攻撃を集中させた。
 そして、まみが精神を集中させ放った鋭い一射がレガリス・エニアを討ち取る。
 だが、ルーシャンへと守るべき誓いは新たなレガリス・エニアを惹きつけていた。攻撃が絶え間なく降り注いでくる。誘導に効果的ではあったが敵の強さ故にダメージの蓄積は早い。レガリス・エニアが放った幾度目かの雷撃がルーシャンを襲うと、彼女は意識を手放した。
 一方、もう一人守るべき誓いを発動させた世良 霧人(aa3803)は友軍の道を開けるべく敵を惹きつけ味方の元へ誘導していた。彼と同じ部隊のリーダー世良 杏奈(aa3447)が惹きつけてきた敵を拒絶の風で回避能力を高めたうえで迎え撃つ。
 霧人は攻撃を彼女に任せ避けることに専念する。しかし、レガリス・エニアのレグラ・レギスで動きを抑えられ続く魔法陣から放たれた光の線が彼の肌を撃ち抜いた。ぐらっとバランスが崩れる。杏奈一人では到底レガリス・エニアの攻撃を防ぎきることも倒すこともできない。
「お願い! 援護して!」
 咄嗟に周りに援護を頼む。するとレガリス・エニアの足元に陰陽印が浮かんだ。移動を繰り返していた靖一郎が丁度近くまで来ていたようだ。放電がレガリス・エニアの体を震わす。それに続くように集中的に攻撃が重なる。耐えきれず墜落するレガリス・エニア。追撃を加え確実に一体を葬る。
 その様子を確認すると霧人は傷口を抑えながらも次のレガリス・エニアの誘導に走った。まだ、友軍の救出の道は開けていない。開けるまでは、と。
 惹きつける役割を担い、倒れる者が出始めるが、それでも状況は好転していた。確実に一体、また一体とレガリス・エニアは撃ち落とされていく。
 敵が減れば友軍の道の確保も容易くなるだろう。

●門の偵察
 【宵】【門払い】【破愚】【雨*花】そして【luar】と多くの部隊が空中に開かれた門へと向かった。門から姿を現した影が未知数と考えれば妥当だろうか。
「さぁ……今回は【宵】を名乗ります。闇を暴き、夜を終わらせましょう……ッ!」
 【宵】のリーダー煤原 燃衣(aa2271)がメンバーに向かいひと声掛ける。彼の指示のもと、連携可能な距離を維持し【宵】のメンバーは拡散する。燃衣はまだ一人ガデンツァを警戒していた。辺りを見回すがガデンツァの気配はない。
 メンバー達はそれぞれ潜伏し影の様子を伺う。
「あれはやはり敵か……? 力量が分からない以上、下手に動けないね」
 そう呟いたのは繰耶 一(aa2162)だ。目視で影の姿をはっきりと捉えられるところまで近づく。その見た目は人そのものであり敵か味方かは判然としない。だが、ライヴスの流れに不穏なものが混じっている。
 一が観察している最中、正面から人影へと向かう者が数人。
「愚神か? 従魔か? 英雄か?」
「……あんた達、何者だ」
 【luar】が一人、鋼野 明斗(aa0553)と【破愚】に属する弥刀 亮(aa0822)が誰より先に影に向かい問いかける。敵影が数人、迎撃するように構えるも、中の一人がそれを制し、一歩前へと踏み出した。
「我らはエレン・シュキガル様の忠実なる部下。この世界の無法、無秩序に裁きをくだす者」
 正面に向かい、仲間を制した敵影が告げるように話し出す。
 エレン・シュキガル――それは召喚を阻止されたレガトゥス級愚神の名。
 冷ややかな淡々とした声音で別の影の一人が言葉を続ける。
「エレン・シュキガル様は帝国の大法務官なり。蛮地をあまねく法で照らす者である」
 その場がしん、っと静まり返る。一呼吸置いて最初の影が再度口を開いた。
「よってエレン・シュキガル様の名のもと、我らは法を以って蛮地を支配する」
 そう、告げた瞬間、どこから現れたのか影達の周りに大量の短剣が召喚された。瞬く間に短剣は正面から影に接触した者たちに突如降り注ぐ。
「ひれ伏せ。裁きを受け入れるのだ」
 明斗は身を捩らせ鋭いパニッシュメントの光を放ち反撃する。光が影の一人を貫くと、明斗は彼らが邪英であることに気が付いた。
 その情報は【luar】の情報偵察メンバーを通し、全体の情報部隊【蝶】へと共有され他部隊へもすぐに流れるだろう。未知数であった敵のベールが一枚ずつ剥がされて行く。
 亮は一緒に行動を共にしていた水瀬 雨月(aa0801)の手を引き一時撤退する。
 影達は迎撃態勢を取り、一斉に数多の武器を自身の周りに侍らした。カオティックブレイド、彼らに遭遇している者なら分かったかもしれない。彼らの戦闘スタイルが、目の前の影とほぼ同じであるということを。
 武器を構えた様、また、彼らに近づいていったリンカーが攻撃を受けたのを見てれば彼らが敵であることは離れている者の目にも明らかだった。
 後方で待機していた【宵】の無明 威月(aa3532)は奇襲を警戒して物陰に隠れながら通信機でその情報を【蝶】に入れる。地図を使い、【蝶】と連絡を取りながら味方と敵の位置の把握に努める。もし、敵影をこのまま見逃せば南側に増援を送る形になってしまうだろう。
 燃衣が状況の変化を見て取って【宵】へと新たに指示を伝えた。敵影の撃破を試みる。もしくは、敵影をこの場に留めておく。燃衣は囮となるべくその身を邪英達の前に身を翻した。それとほぼ同時に【luar】の流 雲(aa1555)も守るべき誓いを発動し敵影の前に躍り出る。
「俺と遊ぼうか」
 そう言って手にした無形の影刃<<レプリカ>>を近くに影に振り下ろした。【luar】の仲間が彼らに見つからず調査出来るよう、囮として派手に立ち回るつもりだ。
「我らが指揮官のオーダーは威力偵察。好きにやれ、か。調査任せて露払いだな」
 と、雲は零しながらライヴスショットで衝撃波を放ち、着弾し爆発を引き起こさせそれを目眩ましへと利用する。
「敵なら潰す、敵じゃなくても邪魔するならブッ潰す! 退きやがれテメェ等!」
 同じく【luar】のガラナ=スネイク(aa3292)が雲の横から影達へ突っ込んで行った。敵戦力の把握を重視し踏み込み過ぎないように気をつけながら立ち回る。
 【luar】のメンバー大半は彼らに続いて威力偵察という名の交戦を開始した。
 敵の数は左程多くない。また、【luar】以外にも参戦している部隊はいる。撃破は叶わなくとも門の前を無防備にすることは可能だった。
 一気に喧騒に辺りに満ちる。
「うわぁ、これ大変なコトになってない……?」
 そして交戦が始まった直後、【門前払い】の幻・A・ファビアン(aa3896)が秘密裏に門の近くへと辿りついた。先ほどまでの一連の流れも含め、頭の中に記憶する。ちらり、と門の中を覗くがその先は延々と続いている階段だった。明らかに漂ってくる気配が危険な香りがする。
 そこへ影の一人が幻の存在に気が付く。幻も気が付いた。排除を試みようかとも考えたが、既に門で起こっている出来事は把握できた。影がこちらへ向かう途中、他のリンカーが影を捉え攻撃を浴びせている。ならば撤退し出来るだけ早く味方の元へ戻るのが得策だろう。
 急いでその場を離れる幻。
 その幻に影の注意が惹きつけられている隙をついて密やかに門へと接近する者が一人。GーYA(aa2289)だった。彼は門への道を辿りながら思う。リヴィア交渉時に彼女が異世界に興味を示さなかったのは既に異界を知っていたから……そうしてリヴィアは門をくぐり、知らぬ間に英雄と共鳴していた為、前回の世界蝕を生き残れたのではないか、と。
「どうなるか楽しみだよ」
 小さく一人零すと門の向こうへ延々とも思われるほど続く光に沿うようにして上る。いつ後方から敵が襲って来るかも分からない中、GーYAは足を進めていくと視界が唐突に開けた。
 彼の目に飛び込んできたのは……武器が墓標として突き立てられた戦場の跡と、大量の処刑用の磔台。
 これは何を意味しているのだろうか。GーYAはその光景を見ながら考える。しかし、次の瞬間――彼の体が悪寒に震えた。
「ぐっ……!」
 強大な力がGーYAの心に強い衝撃を与える。
 プツッ、と画面が消えるように彼の視界は真っ暗になった。
 GーYAが階段終盤を上っている頃、門の外では、戦闘を仲間に任せ門へと接近したカグヤ・アトラクア(aa0535)が門と世界の境界線、階段の一段目に足を乗せていた。
 短剣で有利に繋がった門の可能性を信じ、異界へと呼びかけ、強力な味方の召喚を試みようとしていたところだった。カグヤはGーYAが門の奥深くまで足を踏み入れたことを知らない。
「共に戦う覚悟と意思があるなら顕現せよ英雄王よ。わらわの生命くれてやるぞ」
 両腕を広げ、門の奥へと語り掛けるカグヤ。
 何かが起こる気配は――ない。
(直接に呼び出せるものでもない、か?)
 彼女がそう思い至っていたときだった。GーYAが強大な力を感じ取り意識を失ったのは。
 カグヤが門で召喚を試みた頃になると戦いの中、負傷する者も出始める。一人二人、敵の撃破は出来たものの、まだ決着には時間がかかりそうだ。
 召喚に失敗したカグヤは門に背を向ける。
 一方、情報の整理をしていた【蝶】は門の方面の戦況を更新しながら訝し気に眉を顰める。人数が、足りないのだ。
 部隊に所属しておらず【蝶】を利用していない者ももちろんいる。だが、戦況を可視化する為、味方の人数くらいはある程度把握していた。
 交戦中故に、多少確認できない場合もある。だが倒れている中にもその一人、は見当たらないらしい。
 そう、存在を長時間確認できないのは唯一、門の奥へと消えたGーYAだった。


担当:
時鳥
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社