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神月 第1フェーズ:リプレイ

PCイラスト
久遠 周太郎
aa0746
PCイラスト
灰堂 焦一郎
aa0212
PCイラスト
火乃元 篝
aa0437
PCイラスト
免出 計一
aa1139
PCイラスト
白瑛
aa3754
PCイラスト
フィー
aa4205
PCイラスト
リッソ
aa3264
PCイラスト
麻端 和頼
aa3646
PCイラスト
迫間 央
aa1445
PCイラスト
テジュ・シングレット
aa3681
PCイラスト
ゼロ=フォンブラッド
aa0084
PCイラスト
シールス ブリザード
aa0199
PCイラスト
三ッ也 槻右
aa1163
PCイラスト
荒木 拓海
aa1049
PCイラスト
マリナ
aa1043
PCイラスト
山吹 スザク
aa1022
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宇野 真生
aa1766
PCイラスト
柏崎 灰司
aa0255
PCイラスト
紫ノ宮莉音
aa0764
PCイラスト
玖渚 湊
aa3000
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弥刀 一二三
aa1048
PCイラスト
東海林聖
aa0203
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百日 紅美
aa0534
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八朔 カゲリ
aa0098
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柳生 楓
aa3403
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桜木 黒絵
aa0722
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北条 ゆら
aa0651
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辺是 落児
aa0281
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葛井 千桂
aa1076
PCイラスト
三傘 光司
aa0154
●『門』←『追走』
 闇は全てを覆い本質を浮かび上がらせるとは誰かの言葉だが、ここに現れたのは『門』と、周囲に散らばる傷ついた『英雄』達だ。
「敵軍接近前に速やかに『英雄』の保護をお願いします」
 山田 太郎(aa3891)を始めとしたこの戦域のカバーを任された【蝶】の隊員達は、予め情報の相互伝達および迅速な流通を約束して周り、応じてくれた有志達より集められた情報、あるいは実際に隊員が現地で確認できた状況を効率よく集積しては分担して整理分析し、H.O.P.E.より借用する事ができた現地地図を複数のマス目に分割し、情勢を常に更新しながら逐次整理された情報を【蝶】を利用するリンカー達のもとへ伝達していく。
 そして『門』より手に書や杖を持ち、浮遊する謎の存在達が次々と現れ、既に現地に到着したH.O.P.E.エージェント達との間で交戦状態に突入している。
「悪いが門ってのには守護者が付きモンなんだよ!」
 【蝶】より情報を得た【労組】の久遠 周太郎(aa0746)が守るべき誓いを発動し、周囲にいるレガリス・エニアと呼ばれる従魔達を引き寄せては、同じ【労組】の灰堂 焦一郎(aa0212)が肩に担いだ【CR-WB87LG】の刻印がある16式60mm携行型速射砲をブルズアイで猛然と咆哮させ、屠剣「神斬」を振るう隊長の火乃元 篝(aa0437)と共にレガリス・エニア達に速射砲弾と斬撃を叩き込む。
「英雄を死なせたくないなら、こうするしかないよな。お前達の相手はこの俺だ!」
 免出 計一(aa1139)は近くにいるレガリス・エニア達にブルームフレアの業火を叩き込んで敵意を自分に集めようと試み、白瑛(aa3754)は楽器にもなる二胡弓刀残月をかき鳴らし、音楽で自分のもとへ敵の誘導を試みるが、いずれもレガリス・エニア達全てを英雄達より引き離すには至らないという結果が判明する。
 またエージェント達の猛攻で弱っていた魔法の防壁を、弓弦を鳴らし放った雷上動の一撃で破ったアリス(aa1651)が、その隙をついて防壁を破られたレガリス・エニアに向け支配者の言葉で『黙れ』と命じ、黙らせたものの、魔法攻撃を止めるまでには至らなかった。
「さてさて、『彼女たち』に負けねー様にこっちも動きやがりましょうかねえ!」
 【蝶】を介し情報を得ていたフィー(aa4205)は重機械弓インドラの発射音を轟然と響かせ、レガリス・エニアに痛打を浴びせながらも、眼前の従魔達の出現パターンや法則性がないか確認を続け、判明した事を【蝶】の仲間達へ伝達していく。
 そうした仲間達の各行動の結果を、鷹の目を放ったリッソ(aa3264)が可能な限り作成した鷹の五感を介して収集し、【蝶】へと伝達する。
「強敵だが救いに行こう。命も掬おう」
 【蝶】へ情報を伝達後、リッソはレガリス・エニアの攻撃を受け、今にも消えそうな英雄を自分の幻想蝶に入れて救う活動に移る。
 現状ではレガリス・エニアの特性については不明確な部分が多すぎ、そしてケントォリオ級と目される通り、仲間達が集中攻撃を畳み掛けて、ようやく少しずつ倒せる程度だ。しかし眼前に消えそうな英雄達がいる以上、彼らを置いて退くという選択肢はこの場のリンカー達にはなかった。
 そんな中、リンカー達を包囲する敵勢力3つの内、愚神刀・神無月率いる部隊との『攻防』が静かに始まった。

●神無月への偵察
 闇の中、巨大な文楽人形の姿をした文楽武者と、蛇に雑面を着け空を飛ぶ狐、狐布蟲を従えた小柄な市松人形のような存在が、砂塵の中佇んでいた。
 愚神刀・神無月。現在この戦域の中では最も危険とされるトリブヌス級愚神ではあるが、周囲が交戦状態となった今になっても、未だ動こうとしない。
 神無月の部隊へ向かったのは【義】の分遣隊のリンカー達が多い。役割はいずれも先行偵察だ。
 【義】の麻端 和頼(aa3646)は物騒な物言いをしながらも周囲にいる仲間達にライトアイを付与してその活動を支援し、迫間 央(aa1445)が身を潜めつつ、神無月の部隊へ様子見の攻撃をしかける。
(闇に忍ぶのも悪くはないが……行くぞ、ここからは俺達のステージだ!)
 さすがに攻撃する前に気付かれてはまずいと判断した央は内心そう呟きながらも、まずは周囲に点在する狐布蟲の近くで潜伏し、弧月の刃が一瞬闇の中で閃き、次に忍足袋で足音を消した動きで文楽武者が刃を放つ間合に忍び寄る。
(情報の重要性はH.O.P.E.に来て思い知った。俺も仲間の目となり耳となろう……)
 央の動きを支援するように、テジュ・シングレット(aa3681)もまた、敵を刺激せず『把握にとどめる』ことを優先し、潜伏を使い身を潜め、狐布蟲や文楽武者の動く闇の中へと消えていく。
 今回の先行偵察はテジェの方針『いたずらに敵を刺激しない事』を基本としているが、彼もできる範囲で動く。
 刃が体より鞘走る擦る音。次いで射出される刃が周囲の風を切る音が響くが、いずれも誘いをかけたであろう央やテジェの身を貫くことなく、再び文楽武者は動きを止め、周囲を狐布蟲が飛び交う中、潜伏を解いた央とテジェが何事もなく戻ってくると、待機していた仲間達と共にするすると、音を消して退いていく。
 その様子は恐らく神無月にも見えていただろうが、リンカー達の予想通り、追ってくる気配はなかった。 
 一連の『偵察行動』で判明したのは、文楽武者に2つ、狐布蟲に3つあった。
 文楽武者は闇の中、確かに『砂の塊を投じ落とした音に反応し』その周囲5スクエアに向け刃を放ったが、一連の動作後再び『待ち』の姿勢をとる為、どうしても動きに無理が生じる。
 狐布蟲は、央の弧月の斬撃で倒されるほど脆いが、周囲に飛び交う数が元に戻っていた事から何らかの増殖手段がある。そして文楽武者と共に央やテジェの潜伏を見抜けなかったことから、恐らく両者の特殊抵抗は低い。
 神無月に関しては今回敵を刺激しないというテジェの方針に従い、それ以上の詮索をする事無く退却し、入手できた情報は直ちに合流した【義】隊経由で仲間達に伝達された。

●塩湖東の戦い
 かつて湖だったが干上がり、残る塩が湖の痕跡を残すこの区域に、夜の凍える砂漠の風が吹き抜ける。
 H.O.P.E.より様々な光源を借りて視界を確保したリンカー達が見据える北東の方角からは、吹き抜ける風に骨を軋ませ、砂の大地をおどろに轟かせるボーンホース(骨馬)の群れが、上空に旋回するデザートイーグルの群れと共に、黒雲のようにリンカー達のもとへ寄せてきた。
「ええもん持ってる骨やのぉ……。いっちょいただきますかいな」
 この場にそぐわぬ発言をする【∞】隊長のゼロ=フォンブラッド(aa0084)だったが、ゼロや【∞】隊員達が見つけ出した骨ことスケルトン達は、リンカー達の予測通り、骨馬に乗って骨の騎兵と化していたり、それぞれの武器を波打たせて群れをなし、砂丘が泡立ち、ゆらぐ錯覚をリンカー達に見せたマウトゥ・アクラブ達の群れと共にやってくる。
「敵の動きは見逃さない。門の方には絶対に向かわせないようにしましょう!」
 迫る従魔達の動きを監視していた【遺跡】隊長のシールス ブリザード(aa0199)の指揮のもと、【遺跡】隊員達が従魔達の足止めに動き出す。
「拓海っ、切り込むよっ……!」
 それまで周囲の砂をウレタン噴霧器で固め、即席の壁を構築し、マウトゥ・アクラブが砂に潜んで接近してきたら壁が崩れ、接近を知らせる仕掛けを作っていた三ッ也 槻右(aa1163)が作業を中断し、迫るマウトゥ・アクラブに向け、イグニスの火炎放射を浴びせ、蠍型の従魔達を焼いていくと、槻右と共闘する荒木 拓海(aa1049)もフリーガーファウストG3を空の敵に向け、引き金を引いた。
「おぅ! ここを簡単には抜けさせない!」
拓海の放ったロケット弾状のライヴスが飛翔して、空から殺到するデザートイーグルに命中し、空中に衝撃を走らせながらデザートイーグル達を次々と撃ち落とし、失墜するデザートイーグルたちは塵を上げて消えていく。
 他の【遺跡】隊員達も、ブルームフレアの業火や足止め用に放たれた怒涛乱舞、ハウンドドックの遠距離攻撃でそれ以上の進撃を止める為の攻撃が繰り出され、従魔達は塵と化し消えていく同胞を乗り越えなお止まらない。
 その間にもH.O.P.E.リンカー達に向け、突進し生き残った骨の騎馬隊が次の瞬間火焔になった。
 そんな錯覚をリンカー達に起こすほど、骨馬に乗るスケルトン達が放った小銃が一斉に咆哮し、一塊となった銃弾の嵐がリンカー達を襲い、物理防御の低いリンカー達が着弾の衝撃で跳ね飛ばされた。
 だが衝撃を受けた程度の威力だったので、銃弾を受けたリンカー達はそれほど負傷した様子もなく、次々と起き上がる。
 そこへ槍を構えた骨の騎兵たちが、大勢の騎馬武者を叩きつけて敵陣を崩す古来の戦法通りの突進を見せ、リンカー達に押し寄せるが、それを【火蜂】隊員達が待ち構えていた。
「さァ、狩りの時間だ蜂共。砂嵐と化してひたすら狩りな」
 【火蜂】隊長マリナ(aa1043)の号令に従い、【火蜂】隊員達が次々とスケルトンや骨馬達の突進を迎え撃つ。
 だが彼らはその一刺しで敵を確実に屠るスズメバチ以上の存在達ばかりだった。
「私らは砂漠の砂嵐だ。全て呑み込んで散り飛ばしてやる。覚悟しな」
 同じ【火蜂】の山吹 スザク(aa1022)のブラッディランスが怒涛乱舞で五条の赤熱の奔流と化し、槍を繰り出してくる骨の騎兵達を複数の金属音と共に次々と貫き、塵に変えていき、宇野 真生(aa1766)もまたライヴスツインセイバーを旋回し、怒涛乱舞で夜の空間に幾条もの剣閃を煌めかせ、殺到してきたスケルトンや骨馬達を斬り刻んでまとめて塵と化し、立ち塞がる従魔達に突進する。
「どかないと斬るけど、どいても追い掛けて斬るからね!」
 真生が『猛牛』さながらに暴れ回る傍らでは、フラメアの怒涛乱舞が繰り出されて骨の騎兵隊をさらに打ち崩し、無形の影刃が怒涛乱舞で5つの斬風と化し、槍襖を形成していたスケルトン5体を両断し、エクスプロ―ジョンナックルの一撃が、轟音と共に砂柱を噴き上げ、砂中に潜んでいたマウトゥ・アクラブが四散して塵となり、ジェミニストライクで翻弄されたデザートイーグルが別の仲間の英雄経巻の攻撃で撃ち落とされ、数を減らしていく。
 なおも得物を求めて翔び回る【火蜂】達と組む【雫】隊員達も、その攻勢を支援するが、【雫】隊長の柏崎 灰司(aa0255)は仲間達をリジェネーションやクリアレイで治療しながら、そんな仲間達に檄を飛ばす。
「敵にやすやすと包囲させないよう、このまま敵の隊列をブったぎって崩してやれ!」
 自らライオンハートを振るい、武器を繰り出すスケルトン達を斬り捨てて塵に変える。
「よく聞け! おめえら全員、このビーストキングがぶっ潰す!」
 同じ【雫】の紫ノ宮莉音(aa0764)もまたエクスキューショナーの怒涛乱舞で文字通り骨の騎兵隊を『処刑』し、他の隊員達もそれぞれの手段で突入してきた従魔達を次々と塵に変えていく。
 こうしてこの場に集ったリンカー達はそれぞれの戦法を駆使して、敵部隊のそれ以上の進撃を力づくで押しとどめ、戦力を削る事は成功したが、それは向こうからこちらの組み上げた堅陣に突入してきた従魔達のみで、残る従魔達は後方に未だある程度の数を保っており殲滅には至っていない。
 そんな中、【蝶】経由で遺跡の『見張り塔』にて塔周辺遊撃戦に回った味方の内、《側面援護》を担う仲間達が、これより眼前の敵部隊を攻撃するとの連絡が飛び込んできた。
 と同時にやはり【蝶】経由であるが、現在『門』での戦いは次々と現れる敵を前に劣勢を強いられているとの情報も飛び込んできた。
 短いやり取りの結果、後を《側面援護》の味方に託し、『門』の救援に急ぐことで仲間達は合意し、直ちに【蝶】を介して情報が慌ただしくやり取りされ、塩湖東に陣取っていたリンカー達の部隊は『門』救援へと進路を変更する。

●『門』救うもの、奪うもの
 この時、別の戦域である塔周辺で遊撃隊となっていた仲間達のうち、『門』周囲に横たわる傷ついた英雄達の《救出》に来た仲間達が、『門』周辺で戦う味方達と協力体制を築いており、絶え間ない敵の襲来に見舞われながらも、少しでも英雄達を救おうと、懸命の救出作業にあたり、それを『門』周辺で戦うリンカー達が援護し、レガリス・エニア達と交戦していた。
(異世界からの敵……? 色々調べておかないといけないよな)
 【義】の隊員、玖渚 湊(aa3000)はイグニスでの火炎放射や、魔砲銃の砲撃を交互に繰り出し、魔法攻撃と物理攻撃どちらが有効か調べようと、遠距離攻撃を繰り返していたが、いずれもレガリス・エニアの魔法の防壁に阻まれ十分な情報が得られなかった。
「どうせワラワラ出よんなら、菓子持ってこいっちゅうねん!」
 【義】の隊長、弥刀 一二三(aa1048)は【蝶】を介して周囲の情報を把握すると、強引に英雄達とレガリス・エニアの間に割り込む動きをとった後、守るべき誓いを発動して眼前の敵たちを自分のもとへ引き寄せる。
 一二三がミラージュシールドを掲げてレガリス・エニア達の攻撃を防ぐ中、他のリンカー達の攻撃で魔法の防壁を破壊されたレガリス・エニア達が数人がかりの攻撃で倒されていくが、なおも『門』周囲にいるレガリス・エニアという脅威は未だ密度を下げることなく、ひしひしと周囲から迫ってくる。
 だが一連の攻防で明らかになった事がある。
 それはレガリス・エニアが張り巡らせる魔法の防壁を一度破壊した後、リンカー達の集中攻撃を受けても再び防壁を構築する間もなく倒れていく事から、レガリス・エニアが魔法の防壁を再び構築するには時間がかかるという事だ。
 そして空中に浮かぶレガリス・エニアは身軽ではあるが、全ての攻撃を回避しきれるほどでもなく、逃げ場をなくして袋叩きにするやり方が今のところ有効だと、これまでの戦いで判明した。
 だが倒しても倒しても新手のレガリス・エニアが現れ、ついにその数体が何かを唱えながら『剣』を顕現させ、負傷している事を差し引いても眼前の敵を前にして何故か身動きできない『英雄』の体に剣刃をするりと滑り込ませ、存在を消していく。
 それを見た【戦狼】隊員の東海林聖(aa0203)が怒りの咆哮を上げた。
「テメェには容赦しねェ……!」
「唸れ、『宝剣』!」
 同じ【戦狼】の百日 紅美(aa0534)が宝剣(フラガラッハ)と呼ぶ、LpC PSRM-01から放たれた灼熱の奔流が、先程英雄を屠ったレガリス・エニアの防壁を貫いてその身を穿ち、浮遊する体を地に叩き落としたのを確認した聖が地を蹴って、そのレガリス・エニアに肉薄する。
「テメェが奪った命の重さを、無念を刻みやがれッ! 千照流……破斥・雷光ッ!』
 文字通り雷光の速度で繰り出された、聖のアステリオスの疾風怒濤がレガリス・エニアの体を三度叩き切り、その姿を塵に変えていく。
「一秒でも早く、一人でも多くだ。――各自、目的の為に成すべき事を成せ」
 そんな中、【戦狼】の隊長、八朔 カゲリ(aa0098)は冷静に把握できる限りの現状を確認すると同じ【戦狼】隊員達にそう指示を飛ばし、【蝶】を介して英雄達の救助に来た《救出》部隊の仲間達と連絡を取り、周囲の傷ついた英雄達を幻想蝶に一時収容後、それを有する自身を『英雄を安全に搬送する盾にして包む器』となる事を申し出ていた。
「勿論、収容とそちらが安全とみなす場所までの搬送、往復など一切は俺の方でやる」
 いわば自身を負傷者の担架代わりとして使う案に、《救出》側も即答は避けたが、やがて『承諾』の連絡と搬送する場所が【蝶】を介して伝わり、直ちにその内容がこの地域で戦う仲間達にも伝達される。
 まずカゲリの行動に同調したのは【戦狼】の柳生 楓(aa3403)だった。
「1人でも多く……守って見せます……!」
 楓は周囲の英雄たちの内、特に重傷と思える存在を幻想蝶に収容し、守るべき誓いで周囲のレガリス・エニア達を自分に引き寄せ、仲間達の救助活動を援護し、そんな楓のもとへ集まってくるレガリス・エニア達の前に、【LC】の桜木 黒絵(aa0722)が強引に割り込んだ。
「女子高生忍者見参だよ!」
 黒絵の放った幻影蝶が範囲内にいるレガリス・エニア達に様々な状態異常を付与して強さや意識を奪い、強制的にその動きを停止させた。
「英雄さんたちを助けるぞ!」
 弱体化したレガリス・エニア達を北条 ゆら(aa0651)は遠距離よりスナイパーライフルで撃ち抜き、【LC】隊長の辺是 落児(aa0281)は、魔銃「フライクーゲル」のトリオを放ち、ゆらと落児の連撃で魔法の防壁を撃ち抜かれ、本体を貫かれたレガリス・エニアは塵を上げて消えていき、他のリンカー達も残る弱体化したレガリス・エニアを取り囲み、畑を耕すように武器を次々と振り下ろし、倒していく。
 そしてなんとか《救出》部隊のもとへ、幻想蝶に収容した英雄達を搬送しては再び戻り、別の英雄を収容して運ぶ『命の輸送』が、カゲリや同調する仲間達の尽力で徐々に進み始めている。
 それでも新手のレガリス・エニアが次々と現れ、未だ収容されてない英雄に向け、ゆらりと接近するが、立ちはだかったのは【LC】の葛井 千桂(aa1076)だった。
「傷ついてる人を見捨てることは出来ません。この身に代えても助けます」
 千桂はレガリス・エニアが迫る中、ケアレイなどの回復術で英雄達を治療していくが、千桂は不意に術を使おうとしても、何かによってライヴスが乱され使用できず、見えざる何かが自分の身に絡みつき、身体の自由を奪っていく感覚に襲われる。
 それはレガリス・エニアの発する解読不能な言葉による千桂への『攻撃』だった。
 それがレガリス・エニアの状態異常攻撃と判明するには今少し情報が必要だったが、それでも千桂は襲いくる状態異常に抗い、その身で英雄達を庇い続け、レガリス・エニアの魔法攻撃や魔法の剣に全身を貫かれてもなお、背後に倒れる英雄達を庇い続ける姿勢を崩さなかった。
「寄らば撃つ! 離れても撃つ!」
 この時千桂への援護が必要と判断した三傘 光司(aa0154)が千桂が守る英雄のもとへ静かに集まってくるレガリス・エニア達に向け、フリーガーファウストG3をトリオで放ち、迫るレガリス・エニア達の足元に着弾したロケット弾が爆風を噴き上げレガリス・エニア達を吹き飛ばし、地面に叩きつけていく間に、【LC】の回復手段を持つ仲間達が千桂の収容に動く。
 そんな時、塩湖跡のある方角から眩い火焔の煌めきと共に、猛然と沸き起こる一斉射撃の轟音が鳴り渡ってきた。
 ロケット弾や砲弾、銃弾の形をとったライヴスの奔流が飛翔して、魔法攻撃を放っていたレガリス・エニアを背後から次々と薙ぎ倒し、銃型のAGWが咆哮する射撃音に続き、多数のリンカー達があげる喚声が、地鳴りとなって響き、多数のAGWを煌めかせてレガリス・エニア達に押し寄せてきた。
「みんな、塩湖の東から来る従魔部隊の迎撃にあたっていた仲間達にも援軍が来たから、《塩湖東》の仲間達が僕達の救援に来てくれたよ!」
 交錯する情報を懸命に整理分析していた【蝶】の柳 黒斗(aa3866)が喜色をみなぎらせて叫びをあげると、直ちに【蝶】を介して、周囲で奮戦する仲間達に朗報を伝達すると、周囲のリンカー達に生気が蘇り、歓呼の叫びが周囲の空間を震わせた。

●膠着
 北東より塩湖東での従魔達との戦闘を切り上げ、来着した元《塩湖東》部隊のリンカー達が、『門』で必死の救出活動とレガリス・エニア達の迎撃に忙殺されていた仲間達を救うべく、英雄を始末にかかるレガリス・エニア達と周囲に未だ倒れ伏す英雄達の間に強引に雪崩れ込み、《門》部隊に加勢することに成功した。
 だが、事態はそれまで《門》で死闘を繰り広げていたリンカー達にとって、いまだ予断を許さない状況だった。
 援軍を得られたリンカー達だったが、それはレガリス・エニア達も同様で、日中の砂漠に浮かぶ蜃気楼が如く、新手が続々と現れ、倒す数よりも増える数の方が増しており、それまでレガリス・エニア達との戦いを繰り広げていた《門》部隊リンカー達の消耗は著しく、負傷者も多数出て、援軍を得た今の状態でも回復が追いつかない。
 既に『門』周囲に倒れていた英雄達は、全員は救えなかったが大半を救い、『塔』周辺の味方である《救出》部隊の援護は成しえた為、各部隊間で短いやり取りを行った結果、『門』からの撤退を決定し、幾つかの部隊が回収する事の出来た残る英雄達を背負って、それぞれが近接戦と遠距離戦を繰り返し、追いすがるレガリス・エニア達を跳ね返して整然と退いていき、レガリス・エニアとの戦闘で得られた貴重な情報と経験を携え、『門』からの撤退を完了した。
 だが敵群3つのうち、塩湖東に展開する従魔部隊は、リンカー達の猛攻で数を減らしながらも未だ健在との連絡が【蝶】を介して味方にもたらされ、愚神刀・神無月の部隊は、手出しする内容を先行偵察に留めている為、無傷のままその場に陣を敷いている。
 空は未だ月食が闇夜の中で君臨し、かつての栄華を誇った都市の名残を残すこの遺跡に、異世界との『門』が顕現した事で繰り広げられていく戦いは、まだ始まったばかりだった。

担当:
岩岡志摩
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社