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東嵐 第3フェーズ:リプレイ


PCイラスト
磐里 雪灯
aa1788
PCイラスト
ティオ・ウェンライト
aa0083
PCイラスト
ハーメル
aa0958
PCイラスト
黎焔
aa0382
PCイラスト
六万 唐津
aa2368
PCイラスト
千良 侘助
aa3782
PCイラスト
百目木 亮
aa1195
PCイラスト
レイ
aa0632
PCイラスト
虎鶫 寒鴉
aa3153
PCイラスト
符綱 寒凪
aa2702
PCイラスト
赤城 龍哉
aa0090
PCイラスト
リィェン・ユー
aa0208
PCイラスト
アルヴィン・キング
aa0550
PCイラスト
ガラナ=スネイク
aa3292
PCイラスト
志賀谷 京子
aa0150
PCイラスト
東海林聖
aa0203
PCイラスト
八朔 カゲリ
aa0098
PCイラスト
羽柴 愛
aa0302
PCイラスト
カグヤ・アトラクア
aa0535
PCイラスト
麻生 遊夜
aa0452
PCイラスト
比良坂 蛍
aa2114
PCイラスト
アンジェリカ・カノーヴァ
aa0121
PCイラスト
蒼咲柚葉
aa1961
PCイラスト
ファウ・トイフェル
aa0739
PCイラスト
ギシャ
aa3141
●始まりのとき
 金属の森が乱立している。
 響き渡るのは、エクスプローションの狂笑。
 人であった頃の面影は頭頂部で毛を結っている、その1点しかなく、けれど、残忍さは人の姿の……いや、人の姿を捨てた今それ以上であろう。
 爆発が収まる頃、生き残っているのはどちらであろうか──その行方は、これより語られるだろう。
 『彼』は、彼方よりそれを見つめていた。

 草薙 義人(aa1588)のドローンが上空を舞う。
 同じように吉野 アヤメ(aa1360)が鷹の目で生み出したライヴスの鷹が空を舞い、上空からの情報収集をフォローする。
 両者が情報収集に専念出来るよう磐里 雪灯(aa1788)がこの戦域にいるエージェント達へ収集した情報を拡散し、エージェント達の動きをバックアップしているのだ。
 エクスプローションがそれに気を留める様子はない、というより、全て殺す目的以外に興味を持っていないのだろう。
 自分達が役割に専念出来るよう護衛してくれるエージェントもおり、尚且つ、エクスプローションより距離が離れているが、状況がどう動くか判らない為、慎重にならねば。
 油断せず、前線のエージェントの為の情報収集を──

 始まった。

 3人が顔を見合わせた。
 これより、エクスプローションとの最後の戦いが始まる。

「ウヒャヒャヒャヒャ! かくれんぼのつもりか?」
 エクスプローションが見回す周囲には、今、音が鳴り響いている。
 ティオ・ウェンライト(aa0083)らがコンテナの周囲を武器で叩いて回っているのだ。
 人であった時点でエクスプローションの能力は範囲に及ぶものであり、危険なものであった。人の姿を捨て巨大なヒヒを思わせる姿になった今、その爆発の威力が上がっていると考えて然るべきなら、コンテナを盾とすることは現実的ではない。
 だが、その身を隠すことが出来ない訳ではなく、注意を分散させ、狙いを一定させない立ち回りは可能だ。
「隙がないなら作るまで。……そうでしょう?」
 ハーメル(aa0958)はそうした音で注意を引くエージェントの援護を受け、遮蔽物を利用し、シャープエッジを投擲する。
 エクスプローションの足に刺さると、エクスプローションは短剣を引き抜き──口が裂けんばかりに嗤った。
「ヒャヒャヒャヒャ……これで隙を作ったつもりか?」
 ハーメルの作った隙に乗じ、エージェント達がエクスプローションへ迫ろうとしていた。
 周囲にいるバンディットが咆哮を上げ、ベトンフレイムが火炎放射器を構える。
 エージェント達が迫るその直前、ベトンフレイムへライヴスの弾が飛び、派手に爆ぜた。
「ガンガン攻撃して守っていこうぜ。盾はワシの性じゃない」
 ライヴスショットを放った黎焔(aa0382)は、【痛快】の六万 唐津(aa2368)へ軽く頷く。
 唐津が引きつけるように、守るべき誓いを発動させた。
 彼らの現在位置はエクスプローションの側面、その範囲にエクスプローションを収めることなく、従魔の一部の注意を引く。
「残業代はどこまでつくでしょうね?」
 唐津に誘い出された従魔を迎撃するエージェントの後方、千良 侘助(aa3782)は小さく呟き、コンテナの陰、エージェントの狭間からインスタントカメラのシャッターを切る。
 インスタントである為その精度については劇的なものではないだろうが、鷹の目の鷹は消え、ドローンでの上空偵察があるとは言え、角度は多くあった方がいい。戦況を記録し、場合によっては【愉快】の面々だけでなく、情報を全体発信するエージェントへも連絡することになるだろう。
「油断せずに行こうや」
 倒したと思って反撃されたら意味がない。
 百目木 亮(aa1195)が蜻蛉切を突き出し、バンディットを仕留めた。
 ライトアイで、まだ薄暗い周囲の不利を物ともしないよう味方の援護もしていた彼の眼には、エクスプローションへの道を経て進むエージェントの姿が映っている。
「ウヒャヒャヒャ! チャンスを作ったつもりかぁ!? いいぜ、いいぜいいぜェ!! 何もかもぶちまけて消し飛べ!!」
 狂笑止めぬエクスプローションへ、行け!

●猛威を断て
 殺到するエージェントの機先を制したのは、エクスプローションの腕が振り抜かれたことによる広範囲の爆発だ。
 腕から振り撒かれる赤い燐光がまるで爆発の残滓のように飛び散り、余波のライヴスも燻っているように見える。
 接近していたエージェントを庇うように【BR】のレイ(aa0632)がファストショットでエクスプローションの足元を撃ち、爆発余韻冷めやらぬ彼の愚神の注意を引きつけた。
「頼むぜ? オレのレクイエムはあっちの道化用だ」
 レイが喉を鳴らした先、【愉快】の虎鶫 寒鴉(aa3153)が負傷者を抱え、後方に下がる姿。
 後方には、同じ【愉快】の符綱 寒凪(aa2702)が待機しており、負傷の色が濃いものから対応することになる。
 彼らは戦線維持も重要であり、離脱者を出さないようエクスプローションの爆発の範囲に巻き込まれない、かつ、戦闘に離れ過ぎないコンテナの陰に簡易治療所を作り、援護に携わるエージェントの助力も得て、治療活動に専念していた。
「爆発の範囲は広いな。それに威力も大きい」
 軽傷者はブランデーで簡易の消毒、切り裂いたタオルケットで一応の応急処置で前線に自力で戻って貰い、傷が重い者へ治癒能力があるスキルを。
 こうした手段を打ち出し、寒凪は戦線を長期離脱しないよう動いていた。
「従魔は順調に倒せてる早い段階でエクスプローション専念だろうな」
「予想以上に爆発がでかいぜ」
 治療を受けているのは赤城 龍哉(aa0090)。
 【BR】の一員である彼は、同小隊の指揮を執るリィェン・ユー(aa0208)共々攻撃を当てた後、わざとやられた風を装っての後退を目論んでいたが、図らずもエクスプローションの爆発の範囲に巻き込まれ、実際に後退を余儀なくされたのである。
「エテ公の爆発をどうするかが焦点になりそうだがな」
 治療完了とリィェンが立ち上がると、龍哉共々戦線にそのまま戻らず、コンテナの陰に飛び込んでいく。
 ハーメルの狙いを一定させない援護やティオの音を使ったエージェントの場所を逆に特定させない動きを利用し、彼らはエクスプローションの死角を探し、そこから攻撃を仕掛けに行くのだろう。
「問題は爆発の範囲、でしょうか」
 秘薬を使用したアルヴィン・キング(aa0550)は【luar】の一員であり、共にするガラナ=スネイク(aa3292)も彼らと同じようにコンテナを遮蔽物にして死角へ移動、攻撃を考えているだけに爆発の範囲は懸念事項である。
「問題はそうだとしても──」
 寒凪はアルヴィンのロングショットが命中したかどうかを見ることなく、【痛快】からの情報だけでなく、3人のエージェントから発信されている情報も確認する。
 爆発の範囲だけでなく、振り撒かれる燐光への注意喚起が出ていた。
 ここも、前線とは違う意味で戦場だろう、が。
「役目はひとつ。必要なものを『運ぶ』こと」
 矜持のごとく呟いた言葉の先に、エクスプローションがおり、レイのファストショットの後もエージェント達が攻撃を重ねていた。
 死角へ移動するエージェントへ香りが付着すると彼らの居場所が露見する危険性より、従魔討伐後はコンテナの陰を移動する【雨*花】の情報を得て、【花言葉】が援護、【雫】や小隊に属さないエージェント達が攻撃するもエクスプローションの反撃を喰らい、その負傷がかなり目立っている。
「爆発に気を取られると殴られるね。けど、爆発は一番警戒した方が良さそう。ライヴスの流れが異常」
 ライヴスゴーグルを掛ける鎧堂鷹獅(aa3930)はエクスプローションが爆発を仕掛ける度にライヴスが走る様を見ている。
 その燐光が連鎖的な爆発を起こしているようにも見え、爆発を起こさせるのは危険だ。
 鷹獅の独り言に応じたのは、彼と小隊を同じくするレイだ。鷹獅は1回攻撃に参加した後、盾を構え、レイが銃撃に専念出来るよう守りに徹している。
「隙作ってって所だろうな」
 艶さえ感じる凄絶な笑みを浮かべたレイはスナイパーライフルの引き金を引く。
 まさに攻撃を仕掛けようとしたその腕に銃弾が突き刺さり、エクスプローションがこちらを見た。
「それで守ってるつもりかァ? 紙切れみてぇな盾で! ヒャヒャヒャ、面白い冗談」
「──かどうかを決めるのは、あんたじゃないわ!」
 エクスプローションの声を遮り、【戦狼】の志賀谷 京子(aa0150)がその顔面目掛けて15式自動歩槍「小龍」を撃つ。
 その弾丸は途中で消え、エクスプローションの側頭部へ突き刺さった。
「安心なさい、嫌になる位引っ掻き回してあげるから!」
「行くぜ、爆裂ヒヒ野郎!! 斬り上げられて花火にでも成りやがれッ!!!」
 京子がにやりと笑う中、同じ【戦狼】の東海林聖(aa0203)が駆け込み、疾風怒濤を叩き込んだ。
 更に後方から【戦狼】のエージェントからの波状攻撃が小隊を束ねる八朔 カゲリ(aa0098)指揮の下行われる。
 従魔の姿は既になく、爆発の影響で負傷し、一時後退を余儀なくされるエージェントもいる為、前線に立つエージェント不足の為温存が危険を呼ぶこともあり、当初エクスプローションの動きを観察終了し終えた中盤と判断は出来なかったが、攻勢に参加した形だ。
「あァ、痒いなァ? ヒャヒャヒャ!!」
 エクスプローションの爆笑と共に周囲が爆ぜる。
 ドレッドノートの中でも高い攻撃力を持つ聖はトップギアで威力を高めての疾風怒濤を放っていたが、まだエクスプローションには余力があるようだ。
 防御を顧みる様子がないとは言え、トリブヌス級であろうエクスプローションへ幻影蝶は蹴散らされ、縫止は接近される前に爆発でエージェントそのものを蹴散らしている。
 その聖の傷が光に包まれ、癒えた。
「サンキュ!」
 聖が振り返らず、治癒した羽柴 愛(aa0302)へ礼を言う。
 愛はコンテナの合間を縫って移動し、後退せずに戦えるよう前線付近での治癒活動をしていた。
「まぁ人間の姿に執着する気持ちは分かるが……攻撃に躊躇しないで済むな」
 コンテナの合間から見えるエクスプローションは、人間であったあの姿を気に入っていたようだ。
 それを捨てて戦っているが、その攻撃は人であった時よりも荒っぽいように見える。
「……制御をしてないのか?」
 眉を顰めた愛は、一旦後退するエージェントを支援するべく黒の猟兵を構える。
 瞬刻生じた黒霧の猛獣達の牙は、エージェント達の後退を支援した。
 まだ、猛威は断たれない。

●一意専心
 エクスプローションの攻撃が人の時より荒いのは爆発の制御を行う気がないという推測を行うエージェントは、愛以外にもいる。
 【luar】を束ねるカグヤ・アトラクア(aa0535)もその1人だ。
 他小隊だけでなく、小隊に属さないエージェントの連携も重要であると認識していたカグヤはドローンで収集された情報だけでなく、前線で収集された情報も総合し、総攻撃のタイミングを図っていた。
「制御出来んのか制御したくないのかはどっちでもいいのじゃ。どっちでもわらわ達には関係がないこと。が、無制御に行われるならば、注意を引く、集中を乱すのはそこまで効果的ではないかもしれんの」
「隙を作って総攻撃……だと、爆発の余波に巻き込まれる、か。隙自体はテレポートショットの運用次第で出来そうだが」
 情報確認の為に一時後退したカグヤへ応じるのは、小隊を同じくする麻生 遊夜(aa0452)だ。
 京子のテレポートショットを見ての通り、恐らくエクスプローションの隙を作るのには有効な手段であるが、無制御な爆発が行われるなら、その前に近接攻撃を行うエージェントを離脱させる必要がある。
 問題は、その見極めだろう。
 回避能力は低くなくとも、防御面は高いとは言えないエクスプローション相手に攻撃を地道に重ねて向こうもダメージを受けているようには見えるが、それ以上にエージェント達の負傷が激しい。最も注意すべき範囲ある爆発での負傷が多いが、エクスプローション自身の拳や頭突きを喰らって膝を折ってしまうエージェントもいる。
「爆発を潰した方が──」
 カグヤが言おうとしたその瞬間、その腕へ、銃弾が刺さった。
「オレの16式が火を噴くぜ」
 比良坂 蛍(aa2114)だ。
 戦況によっては爆発に巻き込まれたコンテナの瓦礫がエージェントの動きを妨げることもあると判断した蛍は適宜その瓦礫を16式60mm携行型速射砲にて砕きつつ、エクスプローションを攻撃していたが、集まった情報全てを総合すると、爆発は苛烈に威力を増していると予想がついた。
 その原因が爆発の度に振り撒かれる赤い燐光であり、その燐光が連鎖爆発も呼び起こして時を追う毎に被害を大きくしている、というのは、後方で情報収集をしている義人からの情報である。
「いい加減爆発し飽きたでしょ」
 蛍は爆発攻撃に必要な肉体動作の最たるもの、腕を狙いにかかったのだ。
 射手の矜持を発動させてからのロングショットが的確に決まると、蛍の攻撃の意図に気づいた射手達が蛍に続いて腕目掛け引き金を引く。
「なるほどの」
 カグヤがにやりと笑い、V8-クロスパイルバンカー手に走る。
 エクスプローションはその姿が見えていたのだろう、狂笑と共にカグヤへ攻撃しようとし、その攻撃を喰らった。
「生憎、ボクもそう親切じゃなくてね?」
 烈風波を放ったアンジェリカ・カノーヴァ(aa0121)が不敵に笑っている。
 アンジェリカもエクスプローションからの攻撃を受け、決して万全の状態ではない。
 だが、今自分がすべきことは解っている。
 エクスプローションの腕を潰し、爆発の機を潰すことだ。
「気が合うなァ俺もだぜェ?」
「どんなに強くても隙は絶対にある……。その隙を……逃しはしません!」
 アンジェリカの斜め後方から、蒼咲柚葉(aa1961)が飛び出ていた。
 雷上動で射撃攻撃していた彼女は腕を潰すためにライヴス結晶を使用、リンクバーストを行い、フラメアでの攻撃に転じたのである。
「往生際がわりぃぞ!! エテ公!!」
 柚葉だけではない。
 今こそ好機とリィエンと龍哉が機を合わせて死角から出、エクスプローションへの攻撃に加わった。
「往生際が悪いのは、どっちだろうなァ、クククヒャヒャヒャヒャヒャ」
 笑い声と共に振るわれる腕が爆発を呼ぶ。
 その爆発を突っ切るようにガラナがエクスプローションへ向かってきていた。
「上等だエテ公が……! 望み通り、此処をテメェの最期の墓場にしてやるよ!」
 燐光を警戒していたガラナは、自身への被害を最小限にするには攻撃直後を狙っていた。
 蛍を始めとした射手達は腕に攻撃を集中させており、まずここを潰さなければ意味がない。
 ガラナは集中攻撃を受けている腕の関節目掛け、疾風怒濤。
 トップギアで高めているその一撃を喰らい、ガラナの目から見てもダメージが嵩んでいるように見えた。
「随分面白──」
 直後に京子のテレポートショットがわざと違う部位へ叩き込まれる。
「今度はあなたが爆ぜる番だよ」
 蛍がダメージが嵩んでいる腕を執拗に狙い、更にカグヤが間合いを詰めていた。
「おぬしの最期の花火は派手な方が良かろう?」
 V8-クロスパイルバンカーより杭が叩き込まれ、追撃するように蛍が撃つと、エクスプローションの片腕が弾け飛ぶ。
 残る片腕を動かそうとしたその瞬間にファウ・トイフェル(aa0739)が滑り込んでいた。
 その気配を露とも感じなかったエクスプローションの眼が見開いたように見えたが、それを確認している場合ではない。
「せーのっ!」
 繰り出されたのは、猫騙。
 全く無警戒であった為に虚を衝かれたエクスプローションの動きが一瞬停まる。
 その間にカグヤがV8-クロスパイルバンカーを緊急パージし、遊夜がテレポートショットでエクスプローションを撃って装備切り替えの時間を稼ぎに掛かった。
「殺される連中が俺を殺す? ヒハハハハ! 面白ぇ!!」
「面白いかどうか決めるのはオレ達だし?」
 蛍が片腕潰されようとまだ全ての爆発が防げている訳ではないと、健在の腕を撃ちに掛かる。
 それだけが肉体の動作ではないだろうが、とにかく爆発のチャンスを潰さなければ。
 一致した考えの下、射手は腕を狙い出す。時折、京子と遊夜が目や膝裏といった腕以外を狙う攻撃をすることで注意を振り分けさせ、確実なものとしていく。
「あんたはよく暴れたよ、でもこれで終わりにしようじゃねぇか」
 粗雑な口調になったアルヴィンは威嚇射撃を行い、支援を行う。
「あなたの隙は……あなた自身!」
 柚葉がそう言い、エクスプローションへフラメアを繰り出す。
 が、次の瞬間、エクスプローションはフラメアを掴んだ。
「俺自身が隙……そっくりそのままお返しするぜェ」
 耳障りな笑いを振り払うように柚葉はフラメアに力を込める。
 しかし、その直後、リンクバーストしていた柚葉の身に異変が起こった。
 バーストクラッシュ。
 その単語を認識した柚葉は味方に被害が出ないことだけを祈って、崩れ落ちた。

●滅びの爆炎、そして
 エクスプローションの崩れ落ちる柚葉への追撃はならなかった。
「ボクは親切じゃないと言った!」
 アンジェリカの言葉と同時にヒーローマントがエクスプローションの視界を覆うように投げつけられた。
 4mを越すエクスプローションへ下から上へ投げる格好になったが、その顔に運良く被さり、その間に重体の身となった柚葉は寒鴉に担がれ、多くのエージェントの支援の下後方へ離脱する。
「いい度胸してんじゃねェか、あぁ!?」
 エクスプローションの声が一層荒く、けれど楽しそうなものとなり、放り捨てたヒーローマントが予期せぬ爆発に飲まれ、塵と化した。
 が、カグヤのフリーガーファウストG3よりライヴスがロケット弾として放たれると、エクスプローションの顔面にぶち当たる。
 それを機として駆け込むリィェン、龍哉、ガラナが率先して駆け込み、小隊を超えた波状攻撃を浴びせに掛かった。
「クヒャヒャヒャ……いいぜいいぜいいぜェ俺が殺すに十分な殺す覚悟だなァ!?」
 ファウの猫騙に怯んだその一瞬、アンジェリカがウレタン噴射器を射出、ウレタンを足の一部へ浴びせる。
 それ自体ダメージになるものでも、永続的になるものでもない。
 一瞬、視線が下に向く、そうした隙を得られればそれでいい。
「何の意味もねェ!!」
 狂笑と共に腕が振るわれ、爆発が起こる。
 更に燐光による連鎖爆発が起き、多くのエージェントが巻き込まれた。
 重傷者も多い中、聖が後方から一気に間合いを詰める。
「最後の治癒手段を貰って、何もしねぇ訳にはいかねぇな!」
 トップギアからの疾風怒濤。
 それが他のエージェントにとっても重要な隙になる。
「諦めてその首……俺達によこせやぁぁぁ!!」
 リィェンが怒号と共に死角から斬り込む。
 そのリィェンへの攻撃を阻むように、遊夜がブルズアイを真下から顎に叩き込んで視界をずらす。
「ククク、今のはいいぜェ?」
 遊夜を見下ろすエクスプローション。
 アンチマテリアルライフルへ換装後は間合いを詰めていた為に遊夜も負傷しており、回復手段も尽きている今その攻撃は中々喰らいたいものではない。
 が、直後、エクスプローションは身体の向きを変えた。
 蛍が銃を向けていることに気づいたからだ。
「てめぇは随分やってくれたなァ……ヒヒッ、念入りに殺してやるよ、望み通りに」
「その望みは叶うことはないだろうね」
 蛍の目にはアルヴィン、京子、レイが狙いを定めさせぬよう銃の引き金を引く姿が見えていた。
 逃げることをまるで考えていないエクスプローションへ命中すると、再度接近したエージェント達が総攻撃を開始する。
 小隊同士の連携もあるが、それ以上に小隊の所属関係なく、その場にいる者達同士で連携し合い、エクスプローションへ反撃させないよう攻撃していく。
 この場にいる全員の目的は、たったひとつ。
 エクスプローションを討つ──その目的がエージェント達を結束させていた。
「オレはまだまだ動けるぜ? 散るまで喰らいやがれッ!!」
 聖が無傷のままでは終われないとばかりに吼えて攻撃をすれば、京子の銃撃、アンジェリカの烈風波が立て続けに放たれ、聖の隙を縫う。
 ファウの最後の猫騙が決まる間に龍哉とリィエンがエクスプローションの側面から同時攻撃、レイの銃撃が続いた。
 残る力を全て込めた銀の魔弾が、ブルームフレアが、ゴーストウィンドがエクスプローションへ叩き込まれていく。
 そして──
「ククク……面白ェヒヒヒハハハハハ」
「あんたは、もう終わり──」
「空気読めやぁ!」
 アルヴィンとガラナが攻撃を叩き込むと、エクスプローションの足が微妙によろめいた。
 乱れた毛により視界が若干悪いのか足元の見通しが悪いように見える。
 それらは京子の顔面攻撃、遊夜の膝裏攻撃の成果を示す何よりもの証だ。
 ならば、ここが決着の刻である。
「派手に爆発し、華々しい最期を遂げよ! そなたの花火を嗤ってやろうぞ!」
「そうだな、全部終わりにしてやろう。我らの最後の一撃、篤と見やがれ!」
 カグヤと遊夜の攻撃が吸い込まれると、エクスプローションの動きが停まった。
 けれど、その口からは低く楽しむような笑い声が漏れている。
「クク……俺を斃すか、面白ェ……が、そのまま帰してやるのもつまんねェなァ?」
 腕に纏う赤い燐光が全身に走り始めている。
 ところどころに小さな爆発が起こり始めている。
 その身体が爆ぜる?
 離脱しなければ危ない──エクスプローション周囲のエージェントに緊張が走った、その瞬間。
 その膝を、銃弾が貫いていた。
「爆発するならそちらだけでどうぞ」
 爆発の阻止動作を最も気にかけていた蛍が、エクスプローションへ銃撃を浴びせたのだ。
 元々膝裏へ攻撃を喰らっていたエクスプローションは膝への攻撃を喰らい、思わずよろめき、後ずさる。
 その間にエージェントが可能な限り全力で──傷が重い者は治癒のタイミングが良かった為に無傷の状態である聖がフォローしていく。
 どこまで逃げればいいかは義人からの情報で爆発の予測範囲を聞いた寒凪と寒鴉がその命を逃さず運ぶとばかりに誘導し、全員が安全圏へ逃れることに成功した。
 それすらも、エクスプローションにはおかしいらしく笑い続けている。
「地獄で先に待たせて貰うぜ。その時は死ぬ間もなく殺し合おうぜェヒャハハハハハハハハ――」
 エクスプローションの笑い声と共にその身は炎に包まれ、爆ぜた。
 エージェント達は爆発の余波で生じた爆風に抗いながらも、エクスプローションの肉体が四散するその瞬間を目に焼きつける。
 この戦場に立った全ての者で掴んだ勝利。
 誰もがそれを認識し、人であった成れの果てとの戦いを実感するのだった。
 紛れもない、エージェント達の勝利である。
 今は、その勝利を誇れ。
担当:
真名木風由
監修:
御神楽
文責:
クラウドゲームス株式会社